杉並からの情報発信です

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銀行が他人の預金を基に膨大な「通帳マネー」を作る仕組み!

2011年12月06日 00時05分08秒 | 政治・社会
私は昨日(12月4日)のブログ記事【我々は今「資本主義」のどの段階で生活しているのか?】で、我々は今「超金融資本主義」の段階で生活していること、
「超金融資本主義」では「実体経済」をはるかに超える「投機マネー」が利益を求めて暴走し「実体経済」を破壊し始める「資本主義」の最終 段階である
と書きました。

http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/6c8c64dd895800aca69b3eec55979430

我々は今「資本主義」のどの段階で生活しているのか?

何故「投機マネー」が「実体経済」を破壊するほどまでに膨張したのか、その原因を理解するには「通帳マネー」を生み出す銀行の仕組みを理解することが肝
心です。

▼ 「通帳マネー」が生み出される銀行の仕組み!

以下に具体的な例で説明します。

1)Aさんが100万円を民間銀行に預金します。

2)Aさんの預金通帳には100万円の「お預かり」と印字されます。

3)一方銀行の帳簿にはAさんの100万円が「現金」として資産計上されます。

4)日銀の法定準備率は金額によって利率が異なり一律ではありませんが、ここで  はわかりやすくするために10.0%とします。

5)銀行は[現金]100万円の10%に当たる10万円を日銀に積立金として当座に預け残りの90万円の[現金]をB氏に例えば金利年3%、5年60回分割の条件で貸し付けします。

6)銀行はB氏へ90万円を貸しますが「現金」で貸し付けたのではなく、B氏の預金通帳に「90万円円貸し付け」と印字しただけです。

7)ここが[銀行の錬金術]のカラクリで注意が必要です。
銀行がB氏の通帳に印字した90万円は金利と共に「現金」として銀行に全額返済されるのは5年後です。本来であればこの90万円は5年後にしか新たに貸付はできないはずです。
しかしこの「通帳マ ネー」のカラクリでは貸した90万円は直ぐに返済されたという前提で[現金化=信用創造]されてすぐに貸し出すことができるのです。
すなわち90万円の法定準備率10%の9万円を日銀に積み立てれば残りの81万円を新たにC氏に貸し出すことができるのです。


8)銀行がC氏に貸しだした81万円は同じようにすぐに現金で全額返済されたとの前提で[現金化=信用創造]され81万から日銀への積立金10%=8.1万を差し引いた
72.9万円が新たにD氏に貸し出すことが出来るのです。

9)このように最初A氏が預けた100万円の「現金」を基に、銀行は企業や個人へ[通帳印字]での貸出を132回繰り返すと約900万円の「現金」でない「通帳マネー」を
生み出すことになります。

10)現在の日銀の法定準備率を1.0%としますと、銀行はA氏が預けた「現金」100万円を基に企業や個人への貸出を1320回繰り返して 約9000万円の
「現金」でない「通帳マネー」を生み出すのです。


11)これこそが銀行が独占的に持っている「信用創造特権」による[銀行の錬金術]なのです。


▼ 銀行から「信用創造特権」をはく奪すべし!

銀行にだけ与えられた「信用創造特権」で生み出される「通帳マネー」は膨大な
額の「投機マネー」となって「実体経済」を破壊し始めています。

「投機マネー」は世界人口1%の強欲な「特権・利権」勢力に独占されていま
す。彼らは利益と支配を求めて「実体経済」への破壊攻撃を繰り返してい るの
です。

1986-1990年 日本の「平成バブル」発生と崩壊
1997年 「アジア通貨危機」*タイ、インドネシア、韓国が大打撃を受けた
1999-2001年「ITバブル」発生と崩壊
2002-2007年 米国の「サブプライム住宅バブル」発生と崩壊
2008年9月 「リーマンショック」
2009年 「世界金融危機」
2011年 米国危機、ギリシャ危機、イタリア危機、ユーロ危機、日本危機

我々「実体経済」を支える99%の「世界市民」は、銀行から「信用創造特権」
をはく奪し「通帳マネー」の発生を止め「投機マネー」を根絶しなけれ ば、明
るい未来はなくなるのです。

(終わり)







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