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民間銀行から「信用創造・破壊権」を取り上げ中央銀行を国有化すればすべては 解決する! ビル・トッテン氏

2010年11月07日 18時48分09秒 | 政治・社会
素晴らしい本に出会いました。まさに「目からうろこ」です。

ビル・トッテン氏著「アングロサクソン資本主義の正体」(東洋経済新報社刊¥1680)です。

■ 民間銀行から「信用創造・破壊権」を取り上げ中央銀行を国有化すればすべては 解決する! ビル・トッテン氏

ビル・トッテンという米国系日本人をごぞんじだろうか?

以前TBSのブロードキャスターのコメンテーターとして出演していたので顔を見ればわかる人は多いと思います。

40年前に来日してベンチャー企業を創立し今では年商186億円、社員800名のIT企業「アシスト」社を育て上げた企業経営者です。

社長業の傍ら鋭い対米批判や日本擁護の論陣や農業の重要性を主張する評論家としても活躍しています。

私は最新書「アングロサクソン資本主義の正体」を読んでまさに「目からうろこ」の感動を覚えました。

*ビル・トッテン氏著「アングロサクソン資本主義の正体」(東洋経済新報社刊¥1680)

この本はすべての日本の国民読んでほしい本です。また特に「アングロサクソン資本主義」を作り出した英国と米国の国民にも是非読んでほしい本で す。

ビル・トッテン氏はこの本で「アングロサクソン資本主義」の「根本的な欠陥」を探し当て根底的な批判とそこからの脱出方法を明らかにしています。

彼の言う「アングロサクソン資本主義」の根本的な欠陥は、国家(政府)が「マネーの創出権と破壊権」を民間銀行に委ねてしまっていることなので す。

民間銀行が勝手に「信用創造」することでバブルが発生し、勝手に「信用破壊」することで恐慌が起こるのです。

バブルと恐慌が周期的に繰り返されるたびに犠牲となるのは常に一般大衆と国家(政府)であり、民間銀行は肥え太る構造になっているのです。

ですからこの「アングロサクソン資本主義」の「根本的な欠陥」を取り除けば、今世界中の国民が苦しんでいる苦難(不景気、失業、借金、自殺、就職 難、貧困)が

解決されるのです。

民間銀行から「信用創造・破壊権」を取り上げ中央銀行を国有化すればすべては解決するのです。

以下に本の中で重要と思われる部分を抜き出して箇条書きしますのでお読みください。

(1)多くの人はマネーお金は政府、あるいは中央銀行がつくっているものだと思っていることだろう。しかしそれは大きな勘違いなのだ。マネーは民 間銀行によってつくられ、
   市中にばらまかれている。マネーサプライを決定するのは政府や中央銀行ではなく民間銀行なのだ。

(2)ほとんどの国の政府が政府自身の手ですべての貨幣をつくるのではなく貨幣の創出(そして破壊)を民間銀行に行わせている。それは金融システ ムの大きな欠陥と言ってよい。
   もちろん、銀行の信用創造が経済の発展に大きく寄与してきたことを理解しないわけではない。銀行が企業に資金を提供してきたおかげで経済は 成長し社会は発展してきた。
   しかし信用創造を与えるのが民間銀行でなくてはならないという理由がどこにあるのだろうか?

(3)むしろ現在では銀行にマネーの創出と破壊を委ねていることによる弊害が顕著になっている。1930年の世界大恐慌も日本のバブル経済の派生 とその崩壊もアメリカの
   ITバブルもそして今回のリーマン・ショックも銀行がマネーを創出権を握っていることが根本的な問題だ。そして経済サイクル(バブルと不 況)、多くの場合インフレ
   とでデフレ大部分の公的債務、持続性不可能な成長を追い求めること、そして貧富の格差の拡大(富める債権者と貧しい債権者)の原因でもあ る。
   さらに世界を駆け巡り一国の経済さえ破綻に導く巨大な投機マネーが跋扈するようになったのも銀行がマネーを握っていることが最大の原因であ る。

(4)この金融システムの欠陥は私たちの暮らしに重大な影響を与えている。景気の動向によって勤める企業の業績が左右され、収入が増減するのはも ちろんのこと、
   カジノ経済の甘い誘惑によって人生の歯車を狂わされた人は決して少なくない。また、近頃さかんい増税論議が沸上がっているが、これも国の借 金が危機的状況まで
   膨らんだからである。極言すればもし私たちが十数パーセントもの消費税をはらわなければいけなくなるとしたらそれは金融システムの欠陥がも たらすものである。

(5)「信用創造」とは何か?

   ある人が銀行に100万円を預金した。銀行は預かったお金を貸し出すわけだが、預金者が預金の引き出しをする時のためにある程度のお金は プールしておかねばならない。
   その割合は決められているのが法定準備金というもので、この法定準備金が仮に10%だとすると、10万円を取っておいて残り90万円を貸し 出せる。
   そこで銀行は90万円をA社に貸し出し、A社の口座に90万円を振り込む(ここで振り込むというのは、前述したようにコンピューターの端末 を叩いて
   90万円と記入するだけだ。)銀行は90万円の預金のうち10%の9万円を残し、81万円をB社に貸しだし、B社の口座に81万円を振り込 む。
   さらに、81万円の預金のうち90%にあたる72万9000円を貸し出しに回し・・・ということを繰り返していくと、およそ1000万円の 通帳マネー
   を生み出すことができる計算になるのである。

(6)経済学の信用創造では、銀行が預金と貸出を連鎖的に繰り返すことによりマネーサプライが増加し経済の発展的循環につながると説明される。こ の仕組みにそうした
   効果があることを否定するつもりはないが、世界大恐慌のメカニズムでお話ししたように、マネーサプライを拡大させることができると同時に、 縮小させて経済に
   大きなダメージを与える危険性もある事を教科書は教えていないしほとんどのエコノミストも指摘してない。

(7) さらに言うなら、信用創造と言えば聞こえはいいが、銀行に入ってきた現金は最初の100万円のみで、増えていった預金残高は銀行が通帳 にと帳簿に記載した
   だけだ。銀行は100万円の現金から1000万円を生み出したことになる。そして、無から生み出したお金に利子をつけて貸しているのであ る。

 (8) 預金は近代の銀行券(現金)に等しい。しかし銀行券は実際に印刷して作り出し、消去するには焼却しなければならないが、預金は目に見え ることなく
   つくったり壊したりできる。もし80億ドルの紙幣が1929年から33年の間に焼却されたら、アメリカの人々はその事実を身過ごさないかっただろう。
   だが、実際のマネーの消去は預金の帳簿上で、ひっそりと行われ、一般の人々が気付くことはなかった。

 (9) 信用創造というシステム、または帳簿マネーというには、主に貸出しベースであり、最初は数か国だけで行われていたが、今では全世界で行 われている。
   その結果、通帳マネーの増減が好景気や不景気に及ぼす影響の大きさは過去にないほど大きくなり、世界的に悲惨なものになる可能性がある。こ のシステムを
   変えない限りそれは計り知れない脅威を私たちにもたらすことになるであろう。

(終わり)

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