やまとそばの山日記
山歩きとその後の温泉&蕎麦が大好きなやまとそばの日記です。



皇海山は、従来は銀山平から庚申山を経て、鋸山11座を越え登ると言うルートが開かれていた。この為、通常は庚申山荘に一泊して、皇海山を登っていた。しかし、近年、群馬側からの林道が整備され、これを利用すれば容易に山頂に立てる様になった。今は、どの山もショートカットコースが出来、容易に登ろうとすれば出来るし、それはごく普通の事だと思う。しかし、機会があれば、この旧い道を歩いて見て貰いたいと思う。

1ケ月ほど前、仲間達とコウシンソウを見に、庚申山へ出掛けた。この時の帰りに若いGrで六林班から戻ってくる人達と会った。朝、4時30分に庚申山壮を出て、15時に戻って来たと言う。これから一の鳥居や銀山平へのコースを考えると、やはりここは一泊コースなのだろうが、今もこの旧いコースを歩く若者に何かしら共感するものを覚えた。  と同時にこの日、銀山平から庚申山を歩いて見て、とてもこれは一日では歩けないな(今の自分では)と実感した・・・。以下はその記録です。


■03年9月23日 銀山平~庚申山~鋸山~皇海山~六林班~銀山平
メンバー:私、御大、まちゃさん
コース:事務所4:30===5:55銀山平6:10---7:10一の鳥居7:15---8:15庚申山荘8:20---9:15庚申山9:20---10:15薬師岳10:20---11:00鋸山11:05---12:10皇海山13:00---13:50鋸山13:55---14:30六林班峠14:35---16:38庚申山荘16:45---17:25一の鳥居17:30---18:18銀山平(行動時間:12時間8分)

概要:
 日曜の予定が雨で流れてしまい、急遽三人で再チャレンジする。ここ数日は急に冷え込んで来ておりこの日も寒い朝だった。矢板を出た頃は真っ暗だったが、日光に近ずくにつれて明るくなり、男体山がくっきりと見え、今日の秋晴れを約束してるかの様だ。

7:12 一の鳥居(銀山平から林道歩き1時間・・・これが結構後で効く)

 銀山平で車を停め、身支度を整え、暫くは林道を行く。一の鳥居までの登り4km、1時間は朝のスタート時は何でもないが、コースタイムが意外としょっぱい事と、この林道歩きが最後には結構な負担になる事を、この時は知る由もなかった。

8:20 庚申山荘

 一の鳥居で一息入れ、庚申山荘までは沢沿いのゆるやかな登りを行く。登山道はしっかりと付けられているが歩く人は少なく、自然の息吹を色濃く感じる。やがて沢を登り詰めると、ログハウス風のモダンな山小屋が現れる。『なるほど、よさげな山小屋だ!』

8:25 庚申山に向かう。この辺りはまだルンルン気分。

 ここから先、本格的な登山道となる。庚申山までは、結構露岩帯が多く、要所要所には鉄ハシゴや丸木橋などが掛けられているのでさほど苦になる箇所はなく、むしろその小さな変化が登りの疲れを忘れさせてくれる。山荘から1時間程度で尾根筋に出るが庚申山山頂は木々が多く展望は余り良くない様だ。

9:19 庚申山山頂。ここは展望はないが、鋸岳方面に少し行けば展望台がある。


 山頂から鋸山11峰の方へ暫く行くと展望台へ出る。
9:27 展望台より景色を眺める。まだ上部にガスが残っている。


 ここからはこれから行く皇海山や白根山、男体山を始めとする日光の山々、松木の渓谷などが手に取るように見える。天気も朝方はガスが掛かり、視界も悪かったが、日差しが出始め、ガスもどんどんどんどん取れて青空が広がって行く。

10:20 薬師岳山頂(アップダウンがあるが鎖場などがあり楽しいコースと思っていた。この鋸11座の本当の厳しさは帰路に味わう事になる。)

 展望台から御岳、駒掛、渓雲、地蔵とアップダウンの続く鋸山十一峰に掛かる。薬師岳で一息入れ、白山、蔵王、熊野岳、剣ノ山、鋸山へと続くこの後半はクサリ場やハシゴ場などもあり心地よい緊張感で、楽しく歩ける。

10:28 足尾や日光の山々の展望が良くなってきた。


10:36 後少しで鋸山・・・


10:38 ここまで来ると、皇海山のあのなだらかな山容が見える。


10:45 日光の山々が顔を出しています。


10:46 ロープや鎖場などもあります。


11:49 皇海山の堂々たる姿を見ます。


10:56 今、歩いてきた鋸11座方面です。


10:58 日光の山々も顔を出してきました。


11:04 鋸山山頂にて

 鋸山まで約5時間、ここまでは歩いている割には疲れを感じなかったが、皇海山の最後の登りは結構応えた。

11:34 鋸山を見る


 また、鋸山と皇海山の鞍部で群馬県側から皇海山に登る登山道が交わるので、人が一気に増える。庚申山を出て以来誰一人として出会わなかったのに、周りが俄かに騒がしくなる。そんな中、12時過ぎには皇海山頂上に立つ。

12:58 皇海山山頂にて


 日差しは強くなり、青空が広がり、笹っぱらで昼寝でもしていたくなる気持ちになる。・・・でも、下りも長~~い。『あんまりゆっくりは出来ないな!』の一言で下山の準備に取り掛かる。

13:31 鋸山の登り返し。これからまだ先は長い。


 山頂から鞍部まで一気に下る。鋸山を登り返す。・・・この時、2人連れに出会ったのが最後だった。

13:46 鋸山の登り。


13:48 足尾、日光の山々ともお別れを告げる
 
 この先はまた、静かな静かな山が戻ってくる。鋸山から六林班峠を目指す。途中の藪は結構濃い。熊除けの笛を吹く。そんな中で、我々に寄ってきたもの・・・『鹿』だった。途中から、六林班まで付いてくる。逃げる様子もない。ここにも鹿害は及んで来ているのだろう。

14:33 六林班峠にて・・・ここからが実に長い、長い、長い!
 

 峠から下りに掛かる。しかし、この道は中々下らない。何度も何度も沢を渡り、同じ様な所を繰り返し歩く。しかも油断をすると傾斜した道と笹に足元を取られ、滑り落ちそうになる。歩きにくい事極まりなく、行っても行っても高度は下がらない。あれほど余裕のあった登りに対して、疲労が急速に蓄積されて行くようだ。目の前に庚申山荘が見えた時は、本当に『やれやれ、ふう~っ』という気持ちになったものだった。
 『さあって、後は一の鳥居までの下り、と林道!』沢沿いの道を一気に下る、下る、下る。自分が何か半ばやけ気味に歩いている様な錯覚さえ感じる。日もかなり暮れかかっている。

17:27 一の鳥居に着きました。自然と出てくるこのパフォーマンス!まだまだ元気な仲間達・・・
  
 林道へ出て、さあ後4km、長いなあ・・・確かに長かった。途中からヘッデンを点けて歩いた。兎に角、ゴールだけを目指して、何も考えず歩いた。『ゲートが見えたよ!』『着いた!』『灯りが見える!』その瞬間、終わった瞬間、体に熱いものが走った。『しんどかったなあ~』って思っても、たぶん、また行くんだね!
 ご同行頂いた皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

※山行上の注意点・・・六林班から庚申山荘までは鋸11座をほぼ水平にトラバースする。と言う事は、山を半周すると、鞍部近くからまた同じ様に半周する、この繰り返しは精神的にきつい。しかも、急斜面の為に、歩きずらい。核心部はここ!

P.S.
※昨年秋ごろから山ブログを見る様になった。そこで、自分が結構気に入っていたブログがあり『ここは何処でスカイ?』と言う題名についつられ?初コメントをしたのが、私がブログを書く様になったきっかけでもある。そして、私にとって大切なブログ友達だと思っている・・・。もちろん、その仲間達も・・・。


※ブログランキングです~♪

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す、すみません・・・ (まゆ太)
2007-08-01 00:14:19
私ったら、大事な記事見落としてましたね(汗
そうでしたね。やまとそばさんとの出会いのきっかけは、スカイ山でしたね。
うーん。最後ヘッデンで歩けるのは玄人ワザですよー。やっぱり、ここはロングなのですねー。わたしは小屋泊りかなぁ・・・。
鋸山から見るスカイ山って、ほんと惚れ惚れしちゃいますよねー
 
 
 
まゆ太さん (やまとそば)
2007-08-01 04:12:29
コメントありがとうございます。
先ほど、長々とコメントを書いていたらどこかへ飛んでいっちゃいました。・・・簡単に書けと言うお告げでしょう。

私が山ブログを見出して始めて投稿したのが、まゆ太さんの『ここは何処でスカイ』なのです。まゆ太さんのコメントに対する思いやり、の様なものを強く感じたからだと思います。

そして、最近思う事は、まゆ太さんは山行経験以上に山の知識・体力(技術)がある、と言う事です。
昔は、会に入って、色々教わってという時代でしたが山登りに対しては、ブログの情報力の凄さを感じています。

そして、そして、何より、そんな仲間達を大切に、大切にされているし、私もそうして行きたいと思います。

私は会に入っているので10年来、一緒に行く仲間がいます。女房とも30年来の山仲間、と言う事になります。

でも、まゆ太さん達はご夫婦同じ趣味で行ける事と、何しろ、全国1000万人の山のぼらーが付いてますので(笑)今後も、楽し~い山行をお続け下さい。

そして何より、無理をなさらないで下さい。(山だけでなくブログも・・・・)

最後に、私の希望は1点だけ・・・まゆ太さんの百をできれば、現地でお祝いできれば、と思っています。(これは気にしないで!・・・行けない時は、山に祝電を打ちますから(笑) 

お休みなさい(先ほど目がさめたので・・・少し起きてました。また寝ます。)
 
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