焼酎のオンザロック

ただの好み。

アリバイのA(A is for Alibi)

2018年02月07日 12時55分33秒 | 本や映画、音楽

 本について書くのは久方ぶりである。2013年9月29日の「外科医の世紀、帝国」以来。この五年間ほど本を読んでいなかった訳ではなくブログに上梓することをすっかり忘れていた。(ボケたか)

 アマゾンで1円の古本を300円近い手数料・送料を払って毎月10~15冊程読んでいた。時代小説が多くなったね。佐伯泰英の居眠り磐音・江戸双紙シリーズは全巻読んだし(これは同僚から借りて読んだ)その他の時代物・シリーズ物もやたらと乱読している。通勤時間の暇つぶしである。

 ところでアリバイのA、スー・グラフトンによる女流探偵ものである。シリーズの第一作、A~Zまで書いているが日本で翻訳されているのはRまで。主人公はキンジー・ミルホーンという32歳の女性、元警官。1982年の作品であるから36年前、日本で出版されたのは1987年、31年前である。

 1987年と言えば初めての海外出張でヨーロッパへ行った年である。パリからストックホルムへ、そしてフランクフルト、ミュンヘン、ジュネーブ、またパリ、それからロンドンを経由して帰国、という豪華旅行、いや仕事だから豪華出張。ま、鞄持ちだったんだけどね。いやいやこの話ではなかった。

 この作品のあらすじは手を抜いてアマゾンから。

 「わたしのオフィスを訪ねてきたのは、8年間の刑務所暮らしを終えたばかりの女だった。彼女ニッキは有能な弁護士である夫を毒殺した科で有罪を宣告されたのだが、わが身の潔白をなんとしても証明したいというのだ。興味をおぼえ、いま一度当時の事件の洗い直しを始めたわたしは、そこで意外な事実に気づいた。事件に関連のある事務所で働いていた若い女性会計士が同時期に同じ毒薬を飲んで死亡していたのだ・・・・・。年齢32歳、離婚歴2回、南カリフォルニアのサンタ・テレサに事務所をかまえる女探偵キンジー・ミルホーン登場!新シリーズ第1弾! 」

 このシリーズについては随分前から知ってはいたが、さあ読もうというチャンスも無くこれまで来てしまった。今時読んだのは時々お邪魔しているキンジーさんのブログで紹介されていたからである。それに暇だし。

 ちょっと古い感じがするがそこそこ面白い。インターネットも携帯電話も無い時代であるし電話の通話記録が完璧に残っていない時代のようだ。被害者が最後に掛けた電話がどこに掛けたものか問題になっていないくだりがある。全米の交換機が全て電子化されたのがいつなのかよく分からないけど、1980年代というのはちょうど設備更改を進めている最中だったのではないか。

 更によく分からないところがある。まずは「モーヴ色」そして「コーニスの無い窓」という表現である。

 調べてみるとモーヴ色と言うのはこんな色である。

 

 これなら藤色とか藤紫とか書いた方が良いのではないだろうか。初めて見る言葉であった。

 コーニスというのがまた分かりにくい。どうも「コーニスのある窓」は以下のようなものらしい。

 

 窓の飾りである。上側のものが本来のコーニスらしいのだが、この窓では下側にも飾りが付いている。これもコーニスというんだろうか。本来は壁の上のほうで屋根に繋がるところに付けた飾りのことらしい。日本語では「軒蛇腹」、これではもっと分からない。古い建築様式のようだ。アメリカという国は伝統が無いのでアメリカ人、特に白人は古いものが大好きである。

 今の若い人が読んでも理解できないかあるいは展開がちょっと地味なので途中で放り投げるのではないか、という気がする。

 小説というか文学でも、時代が変わっていくと結局は消えて行くものなんだろう。




 

 
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