食堂の椅子に腰掛けて酒を呑んでいると、背後を通りかかった家人が脚をとめて、「あら!」と声を出した。私の頭上を煌々と電球が照射していて、その薄くなった部分を強調したのだ。50歳を2,3年過ぎた頃だったろうか、私の禿頭史の始まりだった。 毛髪が逃げていく度合いは初期の頃が最も速く、今のうちに(カツラや増毛などの)対策を~と考えたりしたが、家人や娘に、男は自然が一番だといわれ、グズグズしているうちに、竹村健一状態になった。ここまで来れば、竹村健一よりはユル・ブリンナーの如く~と願うのだが、火事の跡に焼け残った電柱の如く、しぶとく頑張っているのがある。私は悪相なので、ヘッドスキンになり、サングラスでもかければ、どこかの用心棒の仕事でも出来るかと思うが、いや、それも腰痛があってダメか。更にもう1ツ、たとえば気楽な酒席などに行くときは帽子を被るが、それが背広にネクタイとなると(テリー伊藤氏のようには)巧くはまとまらぬ。これもヘッドスキンなら(かなり怪しい姿にはなるだろうが)それなりの恰好だと創造したりする。 「禿に癌なし、白髪に脳卒中なし」と言う。どの程度の確率のデータかは知らぬが、私の知る限りではかなり当たっている。この3年間で、癌の手術を受けた友人、知人が6人いるが、いずれも毛髪が濃い。片や私は脳卒中(梗塞)を58歳で経験したそのときの入院先で出会った同病の患者さんにも禿頭が多かった印象がある。与謝野財務大臣も咽頭癌の経験者であり、毛髪も濃い。一方、舛添厚生労働大臣は私と同じ禿光グループの一員である。そして、偶然だが、この2人が麻生内閣を支えている2本柱となっている。
髪の毛を題材に、よくこんな面白い文章かけますね。ちょっと笑ってしまいました(笑)
面白い記事多いんで、またきますね。