力のない 言葉が 嫌いだったんだ
文豪達の描く 迸(ほとばし)るような力強い言葉に惹かれて
小さな頃から浴びる様に本を読んだ
でも 俺には 文才があるわけでもなく
過ぎていく日常の中
"言葉"なんてどうでもいい会話の中に埋もれていって…
−−そんな時
水島京の本に会う
第2巻から一変、京の深い深い闇が克明に描かれた第3巻。
伊織が現れ、蝶子の前から姿を消してしまう京。秋山さんが大学時代に水島京と親しくなっていった過程が明らかになります。
一つ年上の幼なじみ、立松伊織(たてまついおり)に水島京を読ませたら、慎くんがいうだけのことはあり面白かったと言われた。馬鹿みたいに舞い上がって、伊織に京を、京に伊織を自慢したくて引きあわせてしまう。そのことをどれだけ後悔したか、わからない。
京はしばらく帰らないかもしれないと蝶子に告げる秋山さん。
「−−京は 多分もう ずっと前から… …幸せになる気がないんだと思う…」。
大正文士の会の面々が家にやってきて、京さんがいないなら秋山さんを呼ぼうという電話口で取り乱してしまう蝶子。
「平気です…」と震えるように皆の前で微笑んだその日以来、蝶子は大学に来なくなってしまう。
心配して何度もドアホンを鳴らす唐澤、事情を聞いてドアを蹴破る秋山さん。庭を見つめながら、涙も流さずに震えていた蝶子。壊れてしまった蝶子が今もあの家でお前を待っていると怒鳴る秋山、返事をしない京。
秋山は自分の手の届かない高みで二人して墜ちていった京と伊織が憎くて、くやしくて、殺してやりたかったと、だけど一番憎いのは逃げることしかできなかった自分だと、伊織に幸せになって欲しいと懇願する。
遙の妻のように自分に夕焼けを見せた、君は断らないだろう。どんなに悔やもうが手放してなどやるものかと、自分の傍にいてくれと蝶子に告げる京。どう仕様もないくらい京さんが好きなんですと口付ける蝶子。
あの人のせいであんなに苦しんだのにと言う唐澤に、今、目眩がするくらい幸せだと答える蝶子。
お薦め度:★★★★☆
次の巻で完結。買うのが楽しみです。
胸をえぐるような展開がたまりません。
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