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愛知県岡崎市在住
永続のページ管理人の個人日記

試査と全部監査

2006年05月12日 | 仕事

公認会計士の会計監査は『試査』というものであり、膨大な資料の中
からサンプルをとって、それを確かめます。そして、そのサンプリン
グした範囲では問題ありませんでした。と監査報告書をまとめるのが
大雑把な仕事のスタイルです。

一方、税理士の税務監査は厄介なことに全部監査が大前提となってい
ます。つまり、領収証の一枚一枚まで確認しなさいということです。
この前提では、どうしても工数が膨れあがってしまいます。
ただし、お客様の経理のレベルが高く完成度が高い場合には、その部
分は監査省略可能と解されています。

間違いがあれば『過失』を問われます。さらに、『相当の注意義務違
反』というものがあって、10人のうち、8人位が気づくことを気づか
なかったら注意義務に違反して処罰の対象となってしまいます。

なので、結局細かく確認作業をしてしまいます。
(これが相当、手間なのです)

効率を上げるために、お客様の経理ロジックを見て、どこのポイント
で間違いが発生するか見当をつけて重点を置いて確認しますので、あ
る意味ここで『職人の感』というものが必要になってきます。

そう、税理士は『法律家』であり『職人』なのです。


コンサルタントがメインの人との決定的な違いはここではないでしょ
うか?
例えば、財務について提言するとします。コンサルタントは大局を捉
えて、会社の数字がおおまかに把握できれば、仕事はできます。
法律は関係ないので、一つの方向に集中できるので結構気楽なのです。


一方、顧問税理士が同様の提言をしようとする場合、まずは税理士と
しての法律家責任を果たすため(社長意思決定にまでは必要のないレ
ベルまで)に細かいチェックをして数字を固めます。その上で、コン
サルタント的な仕事をします。
なので、気をつけないと、視点がミクロ的になってしまい、方向を誤っ
てしまいます。

細かい視点、大局観をうまく切り替えることが必要です。
虫の目と鳥の目が必要です。

もっというと、衛星から地球を眺めるぐらいの大局観が私は欲しいです。


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