最上の自然

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念願のメクラチビゴミムシ!

2017-05-08 06:58:46 | オサムシ・ゴミムシ



クラサワメクラチビゴミムシ属の一種 Kurasawatrechus sp.
2017年5月採集 新潟県産


ついに採った念願の盲目種。採集は当分先だと思っていたが、比較的あっさり採れてしまった
今年はこの記事に触発されて、地下性のゴミムシを探そうと思っていた。
とりあえず、強力な助っ人である某さとみ氏が過去にオオズナガゴミムシの仲間を採集していたので、まずはオオズを採って、その後にメクラチビももし採れれば嬉しいなぁ~なんて考えていた。
とは言っても、私自身は地下性のものを採集したことがないので、いろいろなサイトを見たり、本を読んだりしてイメージを固め、仕事の休み時間にうろうろしながらポイントとなりそうな崩落地や崖などを探して回っていた。
そしてまず見つけたのがこの場所↓



比較的やわらかい岩盤?が層になっているような所。手鍬で崩すと層に沿って割れる。
こんな隙間がないような場所にムシは居るのか?と思ったが、ハサミコムシが結構な数が出てきたので期待をこめて掘る事10分ほど…。視界の隅で小さい飴色の物が走り出した!
焦ってうまく掴めなかったが、何とか捕獲。
逃がさないように慎重にチャック袋に入れ、掘った所を見るとまた一頭掘り出した破片に止まっていた。
気を良くして掘り進めるが、追加は無いまま休憩時間が終わり、時間切れ

クラサワメクラチビゴミムシ属の一種 Kurasawatrechus sp.
2017年4月採集 新潟県産

その後も2ヶ所目、3ヶ所目とポイントを探すが追加は採れず…。
ガロアムシなんかは出て来ても甲虫は出てこない。
しかし4ヶ所目に見つけたのがこの場所↓



入口からは涸れ沢に見えたが、僅かに水が流れる谷。
向かって左側は拳~頭くらいの大きさの礫と土が混ざる層で、右側は岩盤の上に崩れた土砂が溜まったような環境。岩盤の隙間からは水が出てきてるようで、タゴガエルの鳴き声が良く聞こえた。
1日目は左側を掘るが、何もでないまま終了。それでも、ここは良さそうに感じたので2日後にもう一度挑戦することに。
はじめは左側を崩すが、さっぱり出てこない。ならば右側ととりあえず溜まってるところを掘って見たらすぐにまた小さな飴色が走り出した!(最初の写真の個体)
はじめの環境とはだいぶ違うと思いながらも掘り進めるが、追加は無いまま時間切れ。

短期間でメクラチビを2ヶ所で出したが、オオズはまだ出せていない。メクラチビとは同所的に分布しないんだろうか?悶々としていたら某さとみ氏に先を越されてしまった
なんだかんだで採ってしまうのはさすがです。


さて、採ったはいいが、問題は同定。
原色を眺めるとこれかな?と思ったのはキョウコメクラチビゴミムシ[K. kyokoae]で、分布も新潟県中部となっていた。ネットで情報を探すと原記載が読めたのでダウンロードしたが英文か…。
読めないながらも眺めていると、どうやら近縁種にヨネヤマメクラチビゴミムシ[K. endogaeus]なるものも居るらしい。タイプ産地は当然米山(柏崎市・上越市)。キョウコのタイプ産地は旧村松町(五泉市)。採集地は米山のほうが近いけどどうだろうか。
キョウコの原記載にはヨネヤマに比べ比較的小さく、色が薄め。前胸背板が短く、触角は長いなどが書いてあるが、比較標本が無いとなんともそもそもこの3頭は同種なのかすらわからない。直線距離で10km程はなれていて、間には二級河川をはさむ。山塊としては繋がっていないと思っていたが、U時型でだいぶ離れて繋がってるっぽくもある。
結論としてはよくわからないということで

いつかはオオズとメクラでnewを採ってみたい今日此の頃

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2 コメント

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Unknown (キタノミゾウ)
2017-05-14 17:02:54
すごいなぁ。短時間に集中してTrechine採るのは並大抵ではないと思うのだけれど。まずは辞書片手に原記載よんでゲニをよくよく見比べることからですね。
キタノミゾウさま (wata)
2017-05-16 08:14:12
本種は比較的浅いところで採れるので、短時間でもなんとか採集できてます。
下見に時間をかけているので、それも大きいですね(^^)

交尾器、不器用な私には中々しんどかったですが、出せました❗もう少し道具を工夫すれば簡単に出せそうです。
文献、なんとか読んで勉強します…(..)

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