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消耗品ではない音楽─コステロさんの500枚

2010-02-17 22:23:32 | 音楽
iTunesプレイリスト <COSTELLO'S 500> 108分
1. "(Don't Worry) If There's a Hell Below We're All Going to Go" Curtis Mayfield (1970 - The Anthology 1961-1977)
2. "That's No Reason to Cry" David Ackles (1970 - Subway to the Country)
3. "Handel: Serse, HWV 40 - Ombra mai fù" Andreas Scholl, Sir Roger Norrington; Orchestra of the Age of Enlightenment (1999 - Andreas Scholl - Heroes)
4. "Walk Little Dolly" Dionne Warwick (1967 - The Windows of the World)
5. "Crackin' Up" Bo Diddley (1959 - Bo Diddley - His Best)
6. "A Bend in the Night" Roy Nathanson feat. Darius de Haas & David Driver (2000 - Fire at Keaton's Bar & Grill)
7. "I'm a Fool to Want You" Billie Holiday (1958 - The Lady in Satin)
8. "There Must Be a City" The Fairfield Four (1997 - I Couldn't Hear Nobody Pray)
9. "Duparc: Phidylé" Thomas Allen, Roger Vignoles (1989 - Duparc: Songs)
10. "Black Dog" Jesse Winchester (1970 - Jesse Winchester +3)
11. "Se tu m'ami (formerly attributed to Pergolesi)" Cecilia Bartoli & György Fischer (1992 - Arie Antiche: Se tu m'ami)
12. "Image" T-Bone Burnett (1988 - The Talking Animals)
13. "Shelley My Love" Nick Lowe (1994 - The Impossible Bird)
14. "Ready or Not" Fugees (1996 - The Score)
15. "Stella Blue" Grateful Dead (1973 - Wake of the Flood)
16. "Lydia the Tatooed Lady" Groucho Marx & Bing Crosby (1939 - The Very Best of Groucho Marx)
17. "Mussorgsky: Songs and Dances of Death (Pesni i plyaski smerti) - Trepak (Russian Dance)" Sergei Leiferkus, Semion Skigin (1995 - Mussorgsky: Songs Volume 1)
18. "Stay in Touch" Joni Mitchell (1998 - Taming the Tiger)
19. "Dead Man Blues" Jelly Roll Morton & His Red Hot Peppers (1927 - Birth of the Hot: The Classic Chicago "Red Hot Peppers" Sessions, 1926-27)
20. "Chopin: Piano Concerto #2 in F minor, Op. 21, II. Larghetto" Krystian Zimerman; Polish Festival Orchestra (1999 - Chopin: Piano Concertos)
21. "The Love You Save (May Be Your Own)" Joe Tex (1966 - Greatest Hits)
22. "Black Gunn" Augustus Pablo (2000 - El Rocker's)
23. "Grieg: Haugtussa - Song Cycle, Op. 67, VIII. Ved gjaetle - bekken" Anne Sofie von Otter & Bengt Forsberg (1993 - Grieg: Songs)
24. "Sleepless Nights" The Everly Brothers (1960 - The Definitive Pop Collection)
25. "Hymn Medley: Abide With Me/Just As I Am Without One Plea/What A Friend We Have In Jesus/Amazing Grace" Charlie Haden & Hank Jones (1995 - Steal Away: Spirituals, Hymns And Folk Songs)



「人ごと」だったり「上から目線」だったりする人たちのことを、しばしば攻撃したりもしますが、弊ブログ自体にもそのような傾向があるのだ。ほら、会社を辞めてしまって、それでも経済的には余裕があって、お金というよりもっと貴重な時間を自分の自由で使える。
土日に比べ、月曜日にはお客さんの数がストンと落ちる傾向があるのも、おそらくお客さんの層に月─金の正業に就いてる人が多くて、そうした余裕を忌避したくもなるのかも。
正社員で就職すると、時間は会社にがんじがらめ。夜も「飲み」とか。音楽なんてじっくり聞いたり探したりすることはできない。オラ精神科に長期入院したとき、ほかの入院患者さんにクラシック愛好者が少なくないことに気づいたが、そこにも、大人になって限られた時間を音楽に捧げるとすれば、ポピュラー音楽とクラシック音楽の両方を追いかけるのは困難。ゆえに、流行商品でもある派手でわかりやすいポップスを、あえて捨てて、流行の話題には付いていけないかもしれないが長く楽しめるクラシックを選ぶという、一種の敗北主義のようなものが、病気の遠因ともなっているのではないだろうか。
クラシック音楽は、1分未満のものから何時間もかかるオペラやミサ曲まで、時間にとらわれず向き合う必要があるが、その代わり一生もののお楽しみを約束してくれる。
今年の初めに、エルヴィス・コステロさんが2000年秋のVanity Fair誌上で500枚のアルバムを選んだ記事が、インターネット上で読めるのを知って、英パンク期に現れた彼だが、お父さんもジャズのミュージシャンで、そうした育った環境、あるいは彼が作詞作曲するためにどのような世界観を育んできたか、といったようなことのしのばれる選択に、ここしばらく夢中になって買い集めているところだ。その500分の1として、先に述べたような長大なクラシック、あるいはバート・バカラックやフィル・スペクターのボックス・セットなど時間を要するものが多い。ジャズやロックの盤では、アルバム中で彼の推薦する1~3曲がピックアップされていることもあるが、オラすでに持っていた盤でも、その曲はiTunesに落とさなかったなあ、というようなキャッチーさに欠けるが聞くうちに染みてくる曲がしばしば。
「ヒットチャートの初登場1位!」や「プログレやヘビメタのこけおどし!」などとは無縁なところに、一生もので付き合える音楽がまだまだ無尽蔵にあることを知らされた。といって、彼と同時期に現れたジャムやクラッシュ、あるいは彼より後の流れのブリットポップやトリップホップからもいくつか選ばれており、その姿勢は、小西康陽の「これ見よがし」な選盤や、ピーター・バラカンの新しい流れを無視してかかる選盤と比べ、ほんとうにフェアで信頼できる。音楽家の選ぶ音楽。うまい店の料理人が「くやしいけど、あの店はうちよりうまい」と勧めるようなものでしょか。最高に「使えるリスト」と思います。



◆同リストで3作品以上が選ばれている音楽家
9 - Bob Dylan
8 - Miles Davis
7 - Beatles
7 - Charles Mingus
6 - Joni Mitchell
6 - Neil Young
5 - Mozart
5 - Shostakovich
5 - Frank Sinatra
5 - Tom Waits
4 - J.S. Bach
4 - Beach Boys
4 - Beethoven
4 - David Bowie
4 - Marvin Gaye
4 - Grateful Dead
4 - Van Morrison
4 - Randy Newman
4 - Rolling Stones
4 - Schubert
4 - Bruce Springsteen
3 - T-Bone Burnett
3 - Byrds
3 - Duke Ellington
3 - Aretha Franklin
3 - Jimi Hendrix
3 - Billie Holiday
3 - John Lennon
3 - Paul McCartney
3 - Thelonious Monk
3 - Prince
3 - Stravinsky
3 - U2
3 - Stevie Wonder


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