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「カナリア」

2005-02-22 22:37:50 | 映画(映画館)

九段下・九段会館にて、塩田明彦監督。
無差別テロを行った宗教団体から保護された光一(石田法嗣)は妹と離れ離れにされてしまう。
祖父が、教団の教えを信じる光一の引き取りを拒んだのだ。
施設を脱走した光一は、変質者に誘拐されそうになっていた少女・ゆき(谷村美月)をひょんなことから助けてしまい、二人で妹のいる東京へ向かう…

「黄泉がえり」「月光の囁き」などの監督。
知人が「黄泉がえり」をボロクソにけなしており、自分も「月光の囁き」にあまり感心しなかったので、期待度は低かった。
寡黙な少年と饒舌な少女の対照がいい。
重い題材を印象的なシーンの数々でつないでいく。
特に、家族で出家する際に幼い少女が言われるままに拇印を押すシーンは、すべてをむしり取る宗教団体の非道を象徴している。
主演の谷村美月をはじめ、狂信的な母親を演じる甲田益也子、旅の道連れになるレズ・カップルのりょうとつぐみなど女優陣の選択が確か。
しかし、苦しまぎれとしか思えないエンディングがマイナス。
さらにそこへかぶる、稚拙な歌詞をわめくだけの最悪なエンディング・テーマ。
そう言えば、主演の少年の面立ちがかぶる「誰も知らない」もエンディング・テーマはよくなかった。

帰宅してテレビをつけたらちょうど「この男の子どもは産みたくない」格付けでIZAMが1位に選ばれるところであった。
化けの皮がはがれたのね。
元々決してきれいじゃないしね。
オレ、完全女装したら絶対こいつよりきれいになるもん。
みうらじゅんの笑える女装と違って、笑えない域に達する自信あるから。
なーんて大口を叩いてしまったが、大口と言えば、先達のピーターも妖怪っぽいよね。
世間のみなさん、ピーターと同じ顔の女性がいるとしたら、あなたは憧れますか?

追記:谷村美月はその後、海賊版撲滅キャンペーン・ガールとして劇場予告篇の最中、黒い涙を流す女の子として映画ファンにはお馴染みの存在となっている。
あの広告はともかく、この『カナリア』ではガッツのある印象的な演技を見せている。
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タイムマシンにお願い

2005-02-15 22:59:29 | マンガ
コサキンの投稿のテーマで「もしタイムマシンが使えたら」というのがあった。
私だったら未来へ行って、オナニーの手段がどれほど進歩しているか確かめてみたい。
そんなことを連想させるマンガである。

「ルサンチマン」花沢健吾(小学館)
2015年、デブ・ハゲ・メガネで素人童貞の30男。
モテない友人に教えられ、触感・視覚も超リアルなバーチャル世界の恋愛が楽しめるパソコンゲームに手を染める。
ゲーム世界で見つけた純情で美しい少女・月子。
しかしそれは危険を伴う伝説のゲーム・ソフト「MOON」だった...

印刷工場や狭い和室とバーチャル世界が同じ絵柄で描かれ、シンクロする。
まだ1巻を読んだだけだが、桐野夏生の男性版のような味とともに切なさも感じさせ、今後の展開に期待させる(3巻まで出ている)。

私が高校生の頃は有害図書なんたら条例はなく、好き放題にエロマンガが読めたものだった。
亀和田武、大塚英志ら意欲的な編集者が活躍し、少年マンガ・少女マンガの影響を受けた、従来の「三流劇画」の枠にはまらない新しい才能が次々と生まれていた。
学校へ中島史雄の特集号を持っていったらボロボロになるまで回し読まれた。
あの、ひさうちみちおもエロマンガを描いていたのだ。
20代の頃に「成年コミック」なる指定ができたが、いつの時代も当局とのせめぎ合いは続いていた。
最も過激なコアマガジンはホットミルク誌が失速して以来チェックを怠っていたが、知らない間にコミックメガストアHという雑誌がスゴいことになっていた。
以下、買い集めた最近の号からの秀作。

「ハッチポッチステーション」ANI(コミックメガストアH・04年10月号)
積極的なカナは、オナニーばかりしていて巨大なクリトリスを持つチアキに初エッチを体験させる...
リアルな絵柄で繊細な感性を表現している。

「はだか姫」天竺浪人(コミックメガストアH・04年12月号)
かりん星から来たかりん姫こと小倉ゆうかは特定の男子からは裸に見えてしまう。
鬱屈した男子を救うため、貧乳で超リアルなかりん姫は今日は教室で、明日はスクール水着でお尻にハメるのだった...
天竺浪人久々の快作。
O倉Y子ちゃんのファンが見たら随喜の涙を流しそう。
近々、三和出版からコミックスが出る予定(この作品はたぶん収録されない)。

「痴漢レッスン」如月群真(コミックメガストアH・05年3月号)
清楚な優等生が女教師に誘われて通学電車の最後尾に乗る。
そこは痴漢の巣だった。
最初は驚いた彼女もやがて陶酔していく...
この人の描くおっぱいの質感は見事。
巨乳嫌いの私も説得されるほど。

その他、木谷さい、山田タヒチ、二宮亮三、イソラシ、フクダーダ、Clone人間、どざむら、RAYMONなど人材豊富。
画力ではClone人間と如月群真、ストーリーでは木谷さいと二宮亮三が光る。
コミックスでは木谷さいの「放課後、教室で」が粒ぞろいだが、このシチュエーションで如月群真の絵だったら...

ちなみにコサキンのタイムマシン・ネタには「あべ静江がキレイだった頃へ行き、『今のうちに結婚しておかないと大変なことになりますよ』と忠告してあげる」というのがあった。

ルサンチマン 1 (1)

小学館

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「赤いアモーレ」

2005-02-04 21:13:42 | 映画(映画館)
銀座・シネパトスにて、セルジオ・カステリット監督。
外科医のティモーテオ(セルジオ・カステリット)は、偶然立ち寄った貧しい町に住む女・イタリア(ペネロペ・クルス)と衝動的に関係を結ぶ。
妻(クラウディア・ジェリーニ)との冷たい結婚生活とは対照的な激しい情事に溺れるティモーテオ。
イタリアに子どもができたことがわかったとき、ほんとうの愛情を感じはじめていたティモーテオは妻と別れようと決意するが、同じ頃に妻も妊娠していた...

3人の演技が味わい深く、薄っぺらな不倫ものとは一線を画している。
リッチな医師と薄幸なヒロインは、お互いに小さな頃の家庭環境に問題を抱えていた。
そんな2人が愛し合うようになるが、ヒロインが迎える悲運はただ、ただ可哀想。
セルジオ・カステリットとクラウディア・ジェリーニの微妙な感情の移ろいの表現は渋い魅力。
そして「コレリ大尉のマンドリン」の清楚で上品な島の娘と打って変わってケバいメイクで「野に咲く花」を演じるペネロペ・クルスの役作り、感情がほとばしるところと抑えるところの緩急のつけ方のリアルさは見事と言うしかない。
他の主演作「裸のマハ」「すべての美しい馬」「バニラ・スカイ」「ゴシカ」もチェックしたい。

昨日の「スパスパ」はネギ特集。
白ネギのアリシンと豚肉のビタミンB1を一緒に取ると、薬効を発揮するらしい。
炒め物では白ネギだと火が通らないだろうと思い、万能ネギを買った。
ごま油で豚の薄切り肉(80gもあれば充分)を炒め、ザク切りの万能ネギをどっさり加える。
最後に「エバラ焼肉塩だれ」で味付け。
最近食べたものの中では抜群においしかった。
サッポロ一番塩ラーメンもそうだが、豚肉はあっさり塩味がいい。
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