がじゅまるの樹の下で。

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琉球版ジャニーズ(Jr)

2011年07月03日 | ・琉球史散策/第二尚氏

ドキュメンタリー映画「よみがえる琉球芸能 江戸上り」が
東京で初めて一般公開されたらしいですね。

江戸上りとは、1609年の薩摩侵攻後、
琉球に課せられたもので、
将軍が代わると琉球からお祝いの使節団を派遣すること。

慶賀使ともいいます。

※追記※
琉球王が代替わりしたときも江戸上りが行われました。
それは謝恩使といいます。
琉球王が替わったことを将軍に感謝・報告しに行くわけですね。

 

そのパレードはそれはそれは華やかなものだったそうで、
その様は本土の民衆もとりこにしたといいます。

その影響は、琉球ブームも起こるほどだったとか。
(あの葛飾北斎も琉球ブームにのって作品を作ってるんですよ(笑)。旅ブームとも相まって)

 

特に民衆をとりこにしたのが「楽童子」

テンペストを読んだ方ならおなじみの、
寧温君のお兄さん、孫嗣勇の最初の役職ですね。

舞や演奏などの芸能披露を担当する元服前(10代半ば)の美少年。
装いも色鮮やかな色衣装や紅型をまとった中世的な美しさ。

 

そう、今で言うジャニーズ(Jr)です。

ということは楽童子を管理していた王府は
さながらジャニーズ事務所か。
 

楽童子は見た目だけでなく、書も書き、唄も詠むという、まさに才色兼備。
パレードのスター。

その人気はブロマイドも出るほどだったとか。

 

男らしいワイルドな男子にではなく
中世的な美しい男子に女子がキャーキャー言うのは

今も昔も変わらないんですね。


↑旗のデザインにご注目。実にご機嫌な豹(っていうか猫?(笑))です。

さて、そんな江戸上り。

一説によると、


このような琉球(異国)色を全面に出した華やかなパレードは、
琉球側にとっては日本とは一線を画した「(独立した)王国である」体面を、
薩摩にとっては、そのような琉球の支配を任されているという藩としての特異性を、
幕府にとっては(異国としての)琉球を従えているという権威を、
人々にアピールする格好の機会だったのだとか。

色んな思惑が絡んだ江戸上り。

今回の映画からまた何が読み取れるか。

沖縄での公開も楽しみですね。
(16日から、桜坂劇場にて公開予定だそうです)

 

写真は以前、県博でやってた江戸上りの図(レプリカ)です。

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