がじゅまるの樹の下で。

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テンペスト行脚~カタブイ~

2009年09月13日 | ・『テンペスト』行脚

昨日、恩納村の山(丘?(笑))に登ってきました。

午前中は秋晴れの、とてもいい天気だったのですが、
昼過ぎから大きな積乱雲がもくもくと。

車で北上しながら、その雨雲の下を通り、
さらに通り抜けて、目的地は晴れ。

でも山の上から見下ろすと、雨雲のあるエリアではカタブイ(片降り)しているのが
はっきりと見て取れました。

 

では、せっかくなのでテンペストのカタブイの描写からご紹介。
(ちょっとこじつけですが~

 

■カタブイ■

那覇港にいた御仮屋の役人達が水平線の彼方に異形の船影を捉えた。

「朝倉殿、あれをごらんください。船の上に雨雲が浮かんでいます」

「本当だ。片降りに見舞われているいるのかな?」

徐々にはっきりしてくる船影は十数隻にものぼる大船団だ。

雅博の目には船が黒鉛をあげて燃えているように映った。

「遭難船か?すぐに王府に報せるんだ」

蒸気船を知らない薩摩の役人たちの狼狽をよそに、
琉球の民はとっくに蒸気機関の出現をしっていた。

「お侍様、遭難船ではございません。あれは蒸気の力で動く最新型の船でございます」

「蒸気?それは何だ?なぜ帆を下ろした船が動くのだ?」

次第に船影をはっきりさせる艦隊は那覇港を目指している。

異国船来港の合図の大砲が鳴る。

 

「これが列強の力か―――!」

江戸が黒船ショックに見舞われる一足先に、
ペリー提督が琉球を訪れようとしていた。

  

「テンペスト(下) 145-」より

 

こっちがわはカラッとした秋空で、
向こう側ではどしゃ降りの雨の線。

こんなにはっきりとカタブイの様子が見えるのも久しぶりな気がします

後半の写真は東海岸なのですが、ちょうど夕暮れ時で
夕日の光を向こう側で反射していてまるで燃えているように映って

本当に不思議な光景でした。