プラハからまた オ-ストリアに戻ってリンツに向かいました。
鉄道の旅も慣れてくると、ファ-ストクラスは快適で、楽しいものです。 片言の英語で話しかけてくるひとなつこい人達との会話も良い思い出になります。 ただし、何かが起こるときついこともあります。 今回またしても途中下車してバス便になりました。こうなると、重いカバンを引きずってバスに乗り、すし詰め状態のバスで運行している汽車の駅まで運ばれ、また駅で列車に荷物を引きずり上げてと…。
リンツの駅に到着した時はヘトヘトでしたが、 さて、セント・フロリアン教会はどこでしょう?! 何も調べてこなかったのでタクシーで行けるかどうかも分かりません。
とりあえず駅のインフォメーションへ! 「タクシーはとんでもないです、2時間に1本のバスがもうすぐ出るからそれに乗りなさい。」 とのことで、不幸中の幸い、 都合よくあまり待つことなくバスに乗れて、リンツの街を離れて20分くらいでしたか?「ここです」と降ろされました。
あの向こうに見える塔らしきもの、あれでしょうか? 道行く人もなく、仕方なくガーデンパーティー中のお宅に入って尋ねると「そうだ」とのことですが、かなりの距離、しかも上り坂です。
美しく花を咲かせている家々を抜けて坂道を荷物を引いて登ること約30分、ようやく目指す教会、 ブルックナーがオルガンを弾いていたというセント・フロリアン教会に到着しました。
チャーチ、部屋への廊下、そして宿泊した部屋。
今も現役の修道院でもあるので、施設は清潔で簡素です。 日曜日の夕方で、教会の人に訊くと食堂は明日朝になれば開くとのこと。 今夜は食べずに寝るしかないかと覚悟しましたが… 坂を下ったところに一軒ピザ屋がありました。 本当に美味しかった。 神に感謝
ここは、作曲家アントン・ブルックナーが、自分が弾いていたというパイプオルガンの真下に眠っています。 翌日ガイドツアーで教会の中を回りました。 ガイドは中年のドイツ人女性で英語とドイツ語でのガイドでしたが、インテリでとても面白いツアーでした。
教会の床にあるブルックナーの墓標。 ブルックナーにまつわる品々や、彼の臨終のベッドや使っていたピアノや家具を見たあと、地下の彼のお棺を見学し、午後からは彼が弾いていたというパイプオルガンの演奏も楽しみました。
教会の豪華なフレスコ画やパイプオルガンの写真は例のごとくiPADではアップできません。 美しいお墓の写真などと共に帰国後まとめてお見せしようと思います。
今回の「音楽の旅」も次の地、モーツアルトの生誕の町ザルツブルクを残すのみとなりましたが、私にとっては多分このセント・フロリアン教会が最も心に残ることになりそうです。 主人はやはりウィーン・フィルだそうです。
ちなみに、セント・フロリアンは、 信仰を守るため溺死の刑で殉死した聖人だそうです。 火事から人々を守ると言われている聖人で、そのためか坂の下に消防署がありました! 教会や町があまりに美しい花々に溢れているので、フロリアンと関係があるのかと思いましたが、ガイドさんはそれはないと言っていました。
花に溢れた簡素で美しい町と、初めて聴いた本物のパイプオルガンの響きに触れることができ、苦労してやって来た甲斐がありました。