本当は楽しい英文法(オックスフォード1人暮らし日記)

中世の建物と若い学生の街-オックスフォードでクラッシックギターと向きあう第二の人生
今度は英文法をご一緒に!

賞味期限

2007-12-28 10:55:46 | Weblog
今年の漢字は「偽」ですって。 特に食品の賞味期限や内容成分が偽装されていたことが問題になりました。 日本人は「神経質」なのかしら? それとも、もともと自分は自分で守ると言う意識が希薄で「お上」(つまりここでは販売会社)の仰せに盲従しがちな精神が災いしたか? 

信じていたのに裏切られたと言う恨みがきついのでしょう。  もともと「自分をまず信じる」欧米人にはこういうことはあんまり起こらない気がします。 それに、この偽装問題で誰一人として食中毒など起こした人はないのですもの、「怒りすぎ」じゃないかしら?

イギリスから持ち帰った紅茶の缶を見てみました。 賞味期限ってどう書いてあるのかな?




Best Before も その下にあるフランス語も、 「その日付までに食べたら一番いいですよ」とお勧めしているだけで、後は消費者にお任せしますって言い方ですよね。

私も、もちろんこの日付は参考にしていましたが、あちらのスーパーでは、 時には色のあせたお肉もしなびた野菜も並んでいます。 一番頼りにするのは自分の目でした。 

日本に帰国したときまず感激したのが、 日本のスーパーの食料品売り場の商品の豊かさと美しさです。 日本の消費者の目はそれだけ厳しいってことでしょう。 でもあんまりうるさすぎるのもどうかって思うんです。 あちらにいたときに食べた日本食品など時には賞味期限を1年くらい過ぎているものもありました。 やっと入手できた大根などは日本では考えられない尻尾の先の先まで料理して食べました。

まだまだ食べられるものを、 工夫して料理すれば食べられるものを、 日付だけみてポイポイ捨てるのは、 簡単に手に入るから、そして豊か過ぎるからかもですね。



わたしも「賞味期限」過ぎてますけど、 まだまだOKです。

子供のしつけ (パリの思い出ー2)

2007-12-24 18:18:03 | Weblog
今日はクリスマス。 おうちで家族と、あるいはお友達を招いて子供も一緒にパーティというお宅も多いことでしょう。  

しか~し、 我が家は海外の友人からのクリスマスカードを飾ったそばで、 年賀状書きにおおわらわ。 この間クリスマスカードをやっと送り終えたというのに、ほんに、 日本は忙しい。



 
この間久しぶりに家でおもてなしをしましたが、 海外では今頃が一番パーティが多くて招いたり招かれたり、 忙しいことでした。

着飾って出かける大きなパーティは別にして、 それぞれの家庭に友人を招く楽しいホームパーティでは子供たちもはじめだけは参加して、 食前酒のおつまみをお皿にのせて人々の間を回る役をしたり、 いっちょまえにお客様とおしゃべりのお相手をしたり…。 そしてパジャマに着替え「おやすみ」の挨拶をして彼等がベッドルームに行ってしまうと後は大人だけの世界となりました。



「おやすみ」を言うときのちょっとおしゃれなパジャマです。

小さいときからこうしてお客さまの相手をしたりすることも多いので、 フランスでもイギリスでも子供たちは結構厳しくしつけられています。 我が家でも、 やむなくフランス式の厳しいしつけをせざるを得ませんでした。 人前で駄々をこねさせる訳にいかないし、観光旅行で地方に行けばミシェランの星つきレストランに子供もつれて入らねばなりません。 パリではレストランは子供はだめですが(犬はOK)観光地ではしつけがきちんとできていれば許されました。

当時幼稚園児だったわが息子の板についたテーブルマナーに感嘆したものですが、 後にこの理由を知ることになり、 フランスの幼児教育の厳しさに驚かされました。 「鉄は熱いうちに打て」でしょうか?

あるとき幼稚園の給食(日本と違ってちゃんとした食堂で食べます)の時間に父兄が招待されました。 たまたま近くの幼稚園だったのですが、 前首相自身の母校で、そのお子さんも通う名門一貫教育校の私立でした。 日本人は二人だったのでその子のお母さんと一緒に参加、子供たちと昼食を共にしたのです。

給食と言えどもさすがフランス、 前菜からメイン、 そしてデザートと出るのですが、 大皿に盛ったものが出て、 欲しいものを子供が指差して自分のお皿に入れてもらいます。 しかし、 いったん欲しいと言ったが最後彼らは「食べないといけない」のです。 残そうとする子の口に先生が食べ物を押し込みます。 泣こうとわめこうとかまわずです。 われら日本人の親は震え上がって、 食べ物ものどに詰まりそうでした。 「お母様は残されてもいいですよ。」とそんなわれらに先生がおっしゃいました。 でも、その後はビュッフェスタイルでも食べられるだけの品と量をとろうと気をつけるようになりました。 私も。

家庭だけでなく、 学校も社会も小さな子供に対するしつけは今の日本とは比較にならないほど厳しいように思います。

しかし、我が家のゆりちゃんは、 「甘やかされ放題」。
クリスマスの今夜もトナカイさんと一緒に夢の中です。


お招きして

2007-12-11 11:56:20 | Weblog
クリスマスの飾りつけもできたところで、 ちょっときちんとしたおもてなしを久しぶりにすることになりました。 前日までに買出しを終え、 前日と当日に分けてのお料理です。 手順は間違わないように冷蔵庫に貼って、忘れずゆりちゃんも前日にシャンプーです。 ゆりはお客様が大好きで、いつも大喜びでお出迎え、 お食事中もテーブルの下で談笑を聞いて「参加」するからです。


     「私、今日はふわふわです。」

お酒係の主人はシャンペンはMOETとがんばっています。 後は熱燗用と、 冷で飲む場合とでお酒も違うと二通り用意しています。

皆様を向かえるテーブルセッティングも久しぶりにがんばっちゃいました。 普段6人掛けのテーブルを8人掛けに延長し、 真ん中にトナカイのロウソク立てでクリスマスの雰囲気を出しました。



今夜はお客様に合わせて、和食です。 クリスマス料理に和食は難しいので「秋」をテーマにしました。

スターターには、柿をくりぬいて、 中に柿の果肉とおかひじきの白和えを詰めたもの、 そこにへたの部分をふたにして乗せます。 その横に、小さなかごに入れた甘栗を添え、 そしてその横には菊花かぶ、真ん中をいくらで飾って花芯に見立て、三つ葉の葉を菊の葉に見立てたもの、 これらをちょっと自慢の素朴な九谷焼の長皿に盛りました。
赤い柿と、渋茶の栗、 白い菊で秋の風情を感じてもらえたかしら?



駐在員というのは結構お客が多い仕事です。 発展途上国では、 あまり食べに行く場所がないと言う理由で出張員が和食を求めて家に来られることが多いのです。 ブラジルのときは連日のお客様で冷蔵庫が空っぽになって、 主人に「木曜日はやめて」と頼んだりしていました。 そのころは食材はまとめて金曜日のフェイラ(青空市場)で買うのがほとんどだったからです。 お客料理と言うよりは、とにかくしょうゆ味のなにかを食べさせてもらえればいいと言う感じでした。

今の私のメニューの基礎になっているレシピを学び、 お客のもてなし方を学んだのは5年間のフランス駐在です。 他社の駐在員の先輩奥様からたくさん玄人はだしの料理やお菓子を教えていただきました。 また、 お客をもてなし、自分もお食事をし会話に加わりながら、 台所とテーブルをさりげなく行き来して、 料理を出してゆく技術など教わりました。 お客様も出張員ではなく、 フランスの結構名士の方々だったりして緊張して何日も前から準備したものでした。

アメリカやイギリスはフランスほどテーブルの料理やワインにこだわらないようですが、 やはり自宅に招いてオーブンに入れておけばできるようなお料理を中心に奥様も十分に会話を楽しむことが多いように思います。

残念なのは我々の年代では、 日本ではなかなか夫婦でおもてなしをしたり、 夫婦単位で招いたり招かれたりの機会が少ないことです。 年末になると、 主人は結構忘年会などと言って出かけますが、 男だけで飲み屋での集まりということになっています。

お若いご夫婦もベビーシッターの習慣があまりない日本では夫婦で夜出かけると言うのもまだまだ難しいのかもしれませんね。 

でも、 お昼は上品なレストランに行けば女性ばっかり、 夜は飲み屋に男性ばっかりと言うのもちょっとつまらない社会って気がするのですが…。