本当は楽しい英文法(オックスフォード1人暮らし日記)

中世の建物と若い学生の街-オックスフォードでクラッシックギターと向きあう第二の人生
今度は英文法をご一緒に!

さくら

2007-03-31 14:58:05 | Weblog


今日で3月もおしまい。  なんでもない野の花も花瓶に生けると美しい季節になりました。 

桜を求めて1泊で伊豆まで出かけてきましたがまだ5分咲きというところでした。





イギリスにも美しい桜の見られるところがありました。 これはロンドンからドーバー海峡のほうに向かって行くとあるケント州のリーズ城です。




全貌はこんな感じです。


同じ桜でも、 日本のはほんのりとやわらかく咲き、 イギリスでは空気も冷たかったせいか、 凛として咲いていたように感じました。


さて、イギリスに湖水地方と呼ばれる地域があります。 日本からの観光客にも人気があり、 私もイギリスに行ってすぐ最初の休暇に主人につれてもらいました。 まだイギリスについてもあまり何も知らないころです。 行って本当に感動しました。 それまでにも、 自然の景色の美しいところ、 壮大なところ、 イグアスやナイアガラの滝とかスイスの山々とか、グランドキャニオンなどに感動したことはありました。 また人間の作った町や建物の美しさにも、たとえばパリなど、各地で触れました。

でも人間の作ったもの(街並みや庭や農場)が自然とこんなにも美しく調和している景色には初めて触れた気がしました。 後にイギリスでは各地でそれを見ることを知りましたが。

それがたまたま出来たものではなくて、 ピーターラビットのお話の作者で、ベアトリックス・ポターという女性が支援し広まった運動によるものだと知り、 再び感動しました。 愛する湖水地方の自然が産業革命で破壊されるのを危惧した彼女はピーターラビットの版権から得られる利益をナショナルトラストという団体に委任、 そこが土地を買い占めることにより、 商業主義に流れて自然の景観が破壊されることを防いだのです。




イギリスに居るときには各地にこのナショナルトラストの持つ観光施設があるので、よく友人と行きました。 運動は日本にも広まっているそうですがまだまだそれほど一般的ではありませんね。 




素晴らしい景色にカメラを向けたら邪魔な看板が入ってしまう…ついまたいつもの愚痴が出てしまいましたわ。

靴の文化

2007-03-20 23:31:33 | Weblog
 


上野の美術館でオルセー美術館展が催されるということですね。 私達がフランスに住み始めたころはまだこの美術館はできていなくて、使われていない古い鉄道の駅としてちょっと薄汚れてセーヌ川岸に建っていました。 

その頃は今オルセーにある絵画は、ルーブル美術館の近くに建っていた印象派美術館にありました。 私たちが帰国する頃にオルセー美術館が完成しました。 この写真はイギリスから最近行ったときに写したものです。


これはゴッホの「オーベールの教会」、パリ郊外の住んでいたところから遠くない教会でしたので訪れたこともあって好きな絵です



でも、今日の話題は絵のことではなくて、 どこかで読んだオルセー美術館員の次の言葉から思ったことです。 「日本からの女性の団体はすぐにそれとわかります。 高い足音がするからです。」 美術館の床は響きます。 でもなぜ日本女性の靴音だけがそれほど特徴的に大きいのでしょう?

日本に帰国して電車の駅の階段などで一番に気になるのが、 ハイヒールをはいた女性のカッカッカッと頭のてっぺんに響くようなすごい靴音です。 夏になるとこれがミュールというサンダルになってその音は一段とすごくなり、思わず振り返ってしまうこともありました。

確かに日本以外の西洋文化の国ではこの音にはあまりお目に?お耳に?かかりません。

男性の場合はファッション性から言っても洋の東西それほどの違いはないのですが、 女性の場合は明らかな違いがあります。 

日本の場合は、 家の中には靴を脱いであがります。 どうもファッションが足首のところでいったん切れている気がするのです。 家でおしゃれに身支度をして鏡に映すときも靴はまだ履いていませんし、 相手のお宅や料亭などでも靴をまた脱ぐことが多いですよね。 そして靴を脱ぐと当然靴音はしないのです。 足音への神経は不要となります。

欧米では靴はもちろんおしゃれの大事な一部で、色、材質、形、それぞれTPOにあわせて考えなければなりません。 その格好でずっといるわけですから。 というわけで、 女性の神経も常に足の先まで行き届いているのでしょう。 みんなとても上手に歩きます。 靴音にも当然敏感です。

イタリア人のフランチェスカが日本に来たとき、 ご主人に出来るだけ荷物を少なくと言われたそうで、 頭をひねりまくったと言っていました。 それで持って来た靴は6足ですって。 靴は服装の一部なんですね。

一昨年、長男が結婚するというので日本滞在4日の強行スケジュールで英国から飛び戻りました。 私の最小限の持ち物は、 式用のドレス、 それに合わせたサテンの靴、 バッグ、 パールのアクセサリーで、後は道中用のセーターとジーパンとドタ靴でした。 サテンの靴を持ってくるというところが西洋靴文化に馴染んだ証拠ってところかしら?

結婚式場は沢山のカップルとそのお客でいっぱいでした。 ところてん式で新カップルが生まれる場所です。 きれいなお庭には沢山の礼装の方がおられました。 和服の方々は美しく、 ぞうりも金銀の美しいもので和服に良く映えていました。 一方ドレスの方々もそれぞれきらきらと美しいのですが、 私の目に奇異に映ったのはやはりその靴。 黒の、革の、しかもヒールの太いものが非常に多く目に付きました。 ドレスに気を使う分、 靴にはまわりきっていない、 足首で神経と予算が途切れたって感じでした。 

日本も若い女性は足も美しく、 靴にも予算はまわっているようですが、 神経だけはまだ途切れている人がいますね。 おしゃれな女性が軽やかな足音で階段を下りてこられると、 より美人に見える気がします。 だからおばさんの私もせめて神経を足先にまで伸ばして歩きたいと思っています。


春の花ー桜前線

2007-03-16 18:46:36 | Weblog
桜前線ー日本を長く留守にしていた夫は、 こういう言葉に敏感です。 南北に細長い日本だからこそ、 他の国々では聞いた事がないこのような話題が国民の大きな関心事になるのでしょう。 気象庁がサクラの開花予想をコンピューターミスで間違えたって結構大きく報道していましたね。


ゆりとの散歩で見つけたサクラ? 今咲くのは何桜?

日差しが暖かい日はゆりとのんびり散歩です。 結構オックスフォードと比べられる美しい場所があります。



家の近くの一応運河? 菜の花が咲き、カモもいますよ。


オックスフォードの運河、 カモの親子がいました。




竹やぶの根元にはブルーベルもどき?が。


こちらオックスフォードの運河沿いに咲く本物





去年の3月、 カレンダーの前に咲くチューリップが春を告げていました。

でも人々はそれほど季節の移りかわりには敏感ではなかったような気がします。 あちらでの季節の節目はどちらかというと、 イースターだとかクリスマスのようにキリスト教を基にしているようです。

桜前線に代表される日本の季節への敏感さを、ゆりとの散歩で私も味わっています。 同時にあの3月、がんばっていたレッスンを忘れないように、 また今年の目標に向かって進んでいます。

ゆりダイエット成功

2007-03-08 22:20:59 | Weblog


ゆりのウエストが…くっきりとくびれてまいりました。 今週の先生のところでの体重測定では12.95kg、微妙ですが13kgをきりました

ダイエットを命じられた頃はお腹をすかして、 散歩に出ても何か食べるものは落ちてないかとくんくんしている感じでした。 節分の頃は外にまかれた豆など「拾い食い」をしておりました。

最近は私が近所のソーセージやさんで分けてもらう牛骨と煮てスープの良く沁みたキャベツをたっぷりドッグフードに混ぜてあげるので、 大分空腹感は和らいでいるようです。

体重減少の効果はてきめんで、 若い頃飛び乗っていた散歩の途中にある背の高い植え込みにまたひょいと飛び乗るようになりました。 散歩も長く歩きたがって、 「もう、おうち」と引っ張ると絞首台に向かう死刑囚のような足取りでしぶしぶ帰途につきます。 これで「ガラスの心臓」の負担が少しでも軽くなると良いのですが。

ダイエットといえば、 最近私と同年代の女性二人が例のジョーバを購入されているのを知りました。 私には高価に思えますが、 なかなかのブームなのだそうでメーカーでも品薄だとか 私もオックスフォードでの体験が無かったらやはり無理して買っていたかもです。

もしあなたが今、ジョーバを買おうかな?って思っておられたらちょっと待って。 6ヶ月…。 どうせ6ヶ月たてばジョーバだって埃をかぶっているかもだし。 朝起き抜けの30秒間、 布団の上で腹筋体操10回いたしましょう。 私はこれをジムのマット・ピラティスというコースで習いました。 詳しい説明はここでは無理ですが、ちょっと普通の腹筋運動と違って内部の筋肉を意識しながらゆっくりといたします。 私はこれでパンツ(英国ではトラウザーズ)のサイズが2段落ちたんですよ。  帰国して、タンスから昔ワコールの上等を買ったものの、苦しくて諦めた、でも捨てられなかったガードルを出して、 今は普通にはけています。

もう一つ思い出されるのは、 ブラジルで長男を産んだ後、 とても早くに元の体型に戻れたときのことです。 

あの時は、 現地のブラジル人から紹介された住み込みの女中さんがいました。  かの国では、 厳しいしつけを受けた女中さんというものは、 我々には想像もつかないくらいきちんと家事をいたします。 掃除は徹底していて、 毎日、ラグ類を外に出して埃をはたき、 家具はすべて動かして隅々まで床掃除、 ベランダのタイルは毎日ブラシで磨き、 窓ガラスも毎日ぴかぴかに。 台所、バスルームは漂白剤で完膚なきまでに磨き上げます。

これを全部午前中にこなすので、 その間私は邪魔にならないように、 赤ちゃんの長男を乳母車に乗せて2時間ほど戸外の同じルートを散歩しておりました。 毎日、同じ時刻に、同じレベルの運動を同じ量、図らずも、こなしていたことになります。 あっという間に、 体重は元に戻りお腹もへっこみ、 人から「子供を生んだ人のウエストとは思えない」と褒められたのですよ。

オックスフォード一人の朝も、 ブラジルのお散歩も、 結局は「継続は力なり」なんですね。 同じ事を毎日欠かさず続けることが大切のようです

ゆりは私に管理されているので、むしろ幸せかも。 私の場合は「継続」には何か環境的に助けてくれるものが必要ではありましたが。 

いつまでもかっこいいジーンズをはきたいので、ピラティス腹筋運動続けています。 これからもがんばります。

雛人形

2007-03-04 18:32:13 | Weblog


この雛人形は今年すでに85歳を越える母が子供のときに、 母のおば様のを頂いたものだそうです。 ということは、 ほぼ100年くらいは経っているのかもしれません。 実家には私と妹に買ってもらった大きな雛人形もあったのですが、私はこちらを望み、 譲り受けました。

いろいろな小物はすでに失われていますし、他のお人形も今はありません。 衣装も少しほころびていますが正絹の文様はゆかしく、 また何よりお顔がとても美しく上品で、 今の人形にはないような気がして、 大切にして、 一年中リビングの飾り戸棚に飾っています。 

実は若い頃はこんな古びた人形には興味が無く、 自分達に買ってもらった大きい方をいつかもらおうと思っていました。 しかし、 結局娘には恵まれず、 息子二人でしたし…。 

それよりも、 フランス駐在時代にフランスの人々がこういう日本の古い人形などをとても大切にして、 インテリアに取りいれておられたのを見て素敵だと思ったのです。 新しいものだと西洋のインテリアにうまくあわない日本人形も骨董品になると、なぜかしっくり納まって妖しく美しい雰囲気を出していました。 お隣に(エミール)ガレのアールヌーボーのガラスのビンが並んでいても全く違和感が無かったのです。 (あるときはどうして流れていったのか、日本の古いお位牌が飾られていてぎょっとしたこともありましたが。)

よく日本からのプレゼントとして日本人形を贈られて置き場に困っている外国の方が居られます。 西洋のインテリアにうまく合わせるのは至難の技のようです。 ですが、 百年以上の時を経たものは、そのまま、すんなりと異文化に溶け込むのはなぜなのでしょう? それが眺めてきた年月のなせる業でしょうか?



これをご存知ですか? オックスフォードでの一人暮らしの日々、毎日のようにテレビでやっているのを楽しんだ骨董品の紹介番組のなかで(イギリス人もまた、フランス人に負けず本当に骨董好き!)これはレギュラーメンバーのひとつでした。 Jolly Toby (ジョリー・トビー) といいます。 これはロイヤル・ドルトン製のものです。 ビクトリア時代には実際にビールを飲むジョッキとして使われていたそうです。 これは骨董品ではありますが、ビクトリアン(19世紀のもの)ではありません。 そうなると高くて手が出ませんでした。 収集家が多いアイテムだそうです。

http://cgi.ebay.com/ROYAL-DOULTON-JOLLY-TOBY-RARE-BLUE-GREY-BREECHES-D6109_W0QQitemZ190086266689QQcmdZViewItem 参照

オークションの値段を見ると大体100ポンドくらいですが、 私は例の木曜日の骨董市で、おじさんと交渉をたっぷり楽しんだ後、 結局50ポンドで買いました。

オックスフォードでの6ヶ月の間、 生活のための品や本、楽譜以外で唯一お金を使ったのがこれでした。 たった一つの「贅沢」としてこれを選びました。 いかにもイギリスらしいものだと思ったからです。

ピーター先生に見せて、とてもイギリス的だと思ったから、 ここでの暮らしの思い出の象徴として買いましたと言ったら、 「自分達には思いつかないけれど、 確かにこれはイギリスを代表するものですね。」と感心されました。


今年のひな祭りも過ぎ、 日はどんどん経ってゆきます。 ジョリー・トビーを見ては、 今年オックスフォードに戻る日のことを考えます。 

数日前に爪を折ってしまって、爪なしで弾いていたら指先が赤く腫れて弾けなくなりました。 あせっても仕方ないのですが、 早く伸びないかな~。