本当は楽しい英文法(オックスフォード1人暮らし日記)

中世の建物と若い学生の街-オックスフォードでクラッシックギターと向きあう第二の人生
今度は英文法をご一緒に!

Sense of Humour

2007-07-24 22:55:08 | Weblog


ブログがお休み中の出来事でしたが、 農水大臣がおでこやほっぺたに絆創膏を貼って出てきたため記者団から「どうしたんですか?」と尋ねられることがありましたね。 質問者はもちろん絆創膏の原因に興味があったわけではなく、事務所の件でその応答ぶりにマークがともっていた大臣の受け答えを確かめたかった、 さらに言えば、 もし過ちを繰り返すなら、その人を大臣に任命した人の責任をあらわにしたかった…のだと私には思えました。

質問者の向こうには選挙民が見ているというのに、 大臣はお粗末なお答えぶりで、質問する記者の意図さえも理解できていないかのようでした。

この様子をテレビ報道で見ながら私はずっと昔の故ケネディ米大統領の記者会見を思い出していました。 この会見はフィルムに残っていて何度も見たので覚えているのです。 

「おはよう」と出てきた大統領の指に真新しい小さな包帯が。 記者団から「どうしたんですか?」という質問が出ました。 
「おばかに聞こえるかもしれませんが (Stupid it may sound) パンを切っていてそのナイフで指まで切っちゃったんですよ。」どっと沸く場内、難しい政治の話に入る前に交わされたこの会話で大統領と記者団との間にほのぼのと和やかな空気が流れていました。 飾らない大統領のユーモアのある受け答えは記者団の敬愛をも引き出していたように思います。 エピソードとしてフィルムが残されているくらいに。

日本ではそれほど言われないようですが、 欧米特にイギリスではSense of Humour というのはその人の知性を判断する重要な基準になっている気がします。 「Sense of Humour がある」といわれること以上のほめ言葉は見つからないと思えるほどです。

気まずい空気を和ませ、 硬い空気をほぐす彼らのユーモアのセンスに日常生活でも何度も感心させられました。 とっさのときにふっと放たれる優れたユーモアを持つ言葉やそのときの態度は、その人の知性、 人柄そして相手を思いやるやさしをしのばせます。

われらが農水大臣は残念ながら

もうすぐ選挙ですね。

過去を失くした女

2007-07-21 23:56:36 | Weblog


オックスフォードのセントジャイルス教会 1845年当時の景色(リトグラフ)


少し前から兆候はありました。 突然画面がブルーになる発作が何度か。 しかし入院させると「特に異常はございません」と戻されて、 自宅待機。 また発作、を繰り返しある日突然フリーズ。 そして物言わぬ人…ではなく物体に。

Eメールのアドレス帳も過去何年かの写真もすべての記憶は消されてこの世から無くなろうとしました。 かろうじて最後の試みとして2万円を払ってハードディスクを取り外し、 ファイルを抜き取る作業をしてもらい、 今までのメールとアドレス帳と写真を取り出してもらうことに成功しました。

というわけで、しばらくブログも休まざるを得ませんでした。 

自分の脳裏には焼きついている思い出の写真も大切なお便りも、 ハードディスクが死んでしまえば、 もうこの世に存在しなくなる、 まるで人間の死と同じように。 
「ファイルの抜き取りに成功しました」という知らせが来るまでの数日、 そんな事を茫然と考えて過ごしました。

200年近く前の景色も人間が紙に描き残したものは今も多くの目に触れることができるのに、 パソコンの中の膨大な量の写真も記録もほんの一瞬でこの世から消え去る、 文明が進んだことが幸なのか不幸なのか…考えさせられた数日でした。

かくしてWindows Vista 搭載の新しいパソコンとまた新たなお付き合いの始まりです。

皆様くれぐれも大切なファイルはバックアップをお忘れなく。

再びお目にかかれて幸いです。