よくアニメを評価するうえで「作画レベルが高い」とか「作画が安定している」という表現をしますけど、要するに「キャラなどの絵柄や品質の統一感」があるかどうかってことなんですよ。
つまり、毎週のようにキャラの絵柄が変わっちゃうアニメって「作画に安定感がない」とか、「作画レベルが低い」アニメってことになるんですが、今回のアニメ「ゾイドジェネシス」もいわゆる「作画レベルの低い」アニメってことになります。
ホントねぇ、このアニメ、毎週のようにキャラの顔変わるから着てる服とか、髪型とかで誰だが判断しなきゃならんのよ~。
そういう意味ではこのアニメ、落第点です、マジで。
でもね。全50話ちゃ~んと見るとすごいおもしろいアニメでした。
これもマジです。
な~んでか?ってそれは後ほど。とりあえず物語をご紹介。
地軸変動により高度文明が崩壊した惑星Zi。
ルージ・ファミロンの暮らす海沿いの小さな村、ミロード村は、突如謎の銀色のゾイド「バイオゾイド」に襲撃され、ジェネレーターが破壊されてしまう。ルージは発掘された青いゾイド「ムラサメライガー」に乗り、ジェネレーターを修理できる職人を捜す旅に出る。
行く先々での仲間との出会い、「バイオゾイド」をつかい世界の覇権を握らんとするディガルド武国の横暴を目の当たりにしたルージは仲間とともにディガルド武国を討つことを決意。
やがて、ディガルド武国との全面戦争へと発展していくことになるのだった・・・。
とまぁ、こんなあらすじなワケです。
本作は「ゾイド」という玩具を題材にしたアニメの第4弾で、2005年に一年にわたって放送されました。
まぁ、いわゆる「玩具の販促用アニメ」だったワケです。
スポンサーからの口出しはあんまりなかったみたいですけど・・・。
余談ですが、同年には「エウレカセブン」とか「アクエリオン」とかありまして、「エウレカセブン」とは同じ日曜日の朝の放送ということもあり、毎週日曜日が楽しみでしたね~。
まぁ、「エウレカ」と比べると作画においてはすごく見劣りするんですけどね、この作品・・・。
それじゃ、何がおもしろかったかというと、まず、主人公ルージの成長がきっちり描かれていること。
田舎の村育ちの少年が広い世界を旅し、困難にぶつかっていくことでたくましく成長していく様がすごく丁寧に描かれていて、当初は世間知らずで教えをうけたりする役回りですが、次第に年長キャラを説得したり、最終的にディガルド討伐の指揮官にまでなってしまいます。
それからルージの成長だけでなく、回を重ねるごとにレギュラー陣のキャラが立ち始め、ルージのキャラ立ちに相乗効果を与えていきます。
余談ですが、サブキャラも魅力的で個人的には「無敵団」と「ダンブル婆さん」がお気に入りです。
それから、ストーリー面では張り巡らした伏線をきちんと回収していること。
レギュラーにコトナという女性キャラがいるのですが、登場初期から「秘密の名前がある」という伏線が物語終盤で重要になってくるし、物語中盤でチラっとでてきた「高性能通信機」の話が終盤のラスボスの悪事を暴く話に関わってきたりと。
なかなかやってくれます。
そして、回を重ねるごとにアニメとしてのレベルが上がっていったことにあります(あ、作画以外ね)。
正直、最初の12話ぐらいまではツライ・・・。
作画に加え、演出とか、戦闘シーンとかが弱いんですよ。
寒いギャグ多いし、シリアスなんだが、コミカルなんだかバランスの悪さが目に付くんですよね。
でもね、それがルージの成長に合わせるがごとくに半分を越えるぐらいからドンドンおもしろくなってくるんです。
そしてその勢いが最終話まで止まらない。
特に戦闘シーンの迫力や演出のよさは際立っていたと思います。
だから結果的に「おろしろい」という感想を持ったんでしょうね。
そして「こういうアニメの楽しみ方」もあるもんだと思いましたね。
ルージのゾイドが進化(劇中ではエヴォルトと呼ばれます)するようにアニメも「進化」していったということなんでしょうね。
アニメは「作画だけではない」ということを見せられた作品でした。
最後に個人的に好きなエピソードを紹介しときます。
固有名詞とかわからないところは読み飛ばしてねん。
ゾイドジェネシス 第36話 「ほころび」
ムラサメライガーの率いる討伐軍がディガルドの首都ディグの攻撃に成功したという情報は仲間のロンから知人の商人たちによって各地を駆け巡っていた。
そして、世界各地ではディガルド打倒に立ち上がる機運が高まり始めていた。
そんな頃、討伐軍の本拠地ズーリの領主ダ・ジンは地下の格納スペースに討伐隊員を集め、なぜか町に入れようとしない。そこへディグの攻撃を終えたルージ一行がズーリに戻ってきた。
真意を問いただすためルージ一行のお転婆娘でラ・カンの姪レ・ミィはダ・ジンに会いにいくが、ダ・ジンの部下にはぐらかされ本人に会うこともできない。
元々ズーリはかつてディガルドに占領されたキダ藩再興のために作られた町。
ダ・ジンは藩主ラ・カンに家老として仕えていた。
ズーリが討伐軍の本拠地となり、様々な軍勢が集まりディガルド討伐の機運が高まるなか、元キダ藩士たちからは「ラ・カン様はキダ藩再興を反故にする気なのか」と不満が爆発していた。
それらを束ねるダ・ジンは元キダ藩士たちからとディガルド討伐に立ち上がったラ・カンとの板ばさみにラ・カンにもその姪であるレ・ミィにも顔を合わせられずにいた。
待っていても埒が明かないということで、今度はルージが空からズーリに潜入することに。というのもダ・ジンの主君であるラ・カンでは話を聞いて説得するどころか、藩士たちへの「命令」になってしまうからだ。
ルージはミィと合流し、ダ・ジンに真意を問う。
ダ・ジンはその苦しい胸のうちを語り、二人は「ゾイドでの対決」で今後のズーリが討伐軍に協力するか否かを決めることにする。
対決はゾイドの性能もあって、ルージが優勢。
しかし、ダ・ジンの考えが間違っていると感じながらも倒すことをためらうルージ。
一方自分が死ぬことで事態が収まると考えるダ・ジン。
ダ・ジンは自らをムラサメライガーの刃で貫こうとした時、ミィの駆るランスタッグが現れ、これを阻止する。
「キダ藩王位継承権を持つ者として命じます。私に許可なく死ぬことは禁じます」
キダ藩の王族の装束に身を包んだミィの言葉に収まる事態、そしてラ・カンはディガルド討伐後に必ずキダ藩を再興することを改めて元藩士たちに誓うのだった。
しかし、「反乱の首謀者には罰を」とロンが言い出す。
それを聞いたルージは「反乱なんて起こってませんよ。これはみんなが一つになるための儀式だったんです」と。
そして、ディガルド討伐軍の結束はさらに深まったのであった。
自分はレギュラーメンバーの年少組であるルージとミィの成長を見事に描いたエピソードであると評価しています。
実際このエピソードの後から終盤にかけての展開がさらにおもしろくなっていきますが、このエピソードみたいに普通あんまり描かないんじゃないかっていうところをワリと丁寧に描いていくってのが特徴のアニメでしたね。
まぁ、一年あったからこそできたんでしょうけどね、きっと。
ゾイドジェネシス OP
この歌いいですよね~。物語の雰囲気にぴったり。
でも、本当はコソボ紛争で撃墜されたナイトホークのパイロットの「攻撃者側の心境と最後を歌った詩」らしいんです。
編集でこのアニメに合うように仕立て上げているそうです。凄いな。
音楽で思い出しましたが、劇中の音楽は以前とりあげた「ガンXソード」の中川幸太郎さんがやってるんんですよね~。
全然雰囲気違うからテロップ見てないと全然気づきませんでした。
でも、本作の音楽も民族音楽っぽくていいんですよね~。
ホント作画以外はイイところ多いのにね~。
あ、それからタイトルは某赤い人の名台詞のパロディ、なんてことは言わなくてもわかってると思いますが、念のため。
実写版某人⇒アゴ割れしてます・・・。
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つまり、毎週のようにキャラの絵柄が変わっちゃうアニメって「作画に安定感がない」とか、「作画レベルが低い」アニメってことになるんですが、今回のアニメ「ゾイドジェネシス」もいわゆる「作画レベルの低い」アニメってことになります。
ホントねぇ、このアニメ、毎週のようにキャラの顔変わるから着てる服とか、髪型とかで誰だが判断しなきゃならんのよ~。
そういう意味ではこのアニメ、落第点です、マジで。
でもね。全50話ちゃ~んと見るとすごいおもしろいアニメでした。
これもマジです。
な~んでか?ってそれは後ほど。とりあえず物語をご紹介。
地軸変動により高度文明が崩壊した惑星Zi。
ルージ・ファミロンの暮らす海沿いの小さな村、ミロード村は、突如謎の銀色のゾイド「バイオゾイド」に襲撃され、ジェネレーターが破壊されてしまう。ルージは発掘された青いゾイド「ムラサメライガー」に乗り、ジェネレーターを修理できる職人を捜す旅に出る。
行く先々での仲間との出会い、「バイオゾイド」をつかい世界の覇権を握らんとするディガルド武国の横暴を目の当たりにしたルージは仲間とともにディガルド武国を討つことを決意。
やがて、ディガルド武国との全面戦争へと発展していくことになるのだった・・・。
とまぁ、こんなあらすじなワケです。
本作は「ゾイド」という玩具を題材にしたアニメの第4弾で、2005年に一年にわたって放送されました。
まぁ、いわゆる「玩具の販促用アニメ」だったワケです。
スポンサーからの口出しはあんまりなかったみたいですけど・・・。
余談ですが、同年には「エウレカセブン」とか「アクエリオン」とかありまして、「エウレカセブン」とは同じ日曜日の朝の放送ということもあり、毎週日曜日が楽しみでしたね~。
まぁ、「エウレカ」と比べると作画においてはすごく見劣りするんですけどね、この作品・・・。
それじゃ、何がおもしろかったかというと、まず、主人公ルージの成長がきっちり描かれていること。
田舎の村育ちの少年が広い世界を旅し、困難にぶつかっていくことでたくましく成長していく様がすごく丁寧に描かれていて、当初は世間知らずで教えをうけたりする役回りですが、次第に年長キャラを説得したり、最終的にディガルド討伐の指揮官にまでなってしまいます。
それからルージの成長だけでなく、回を重ねるごとにレギュラー陣のキャラが立ち始め、ルージのキャラ立ちに相乗効果を与えていきます。
余談ですが、サブキャラも魅力的で個人的には「無敵団」と「ダンブル婆さん」がお気に入りです。
それから、ストーリー面では張り巡らした伏線をきちんと回収していること。
レギュラーにコトナという女性キャラがいるのですが、登場初期から「秘密の名前がある」という伏線が物語終盤で重要になってくるし、物語中盤でチラっとでてきた「高性能通信機」の話が終盤のラスボスの悪事を暴く話に関わってきたりと。
なかなかやってくれます。
そして、回を重ねるごとにアニメとしてのレベルが上がっていったことにあります(あ、作画以外ね)。
正直、最初の12話ぐらいまではツライ・・・。
作画に加え、演出とか、戦闘シーンとかが弱いんですよ。
寒いギャグ多いし、シリアスなんだが、コミカルなんだかバランスの悪さが目に付くんですよね。
でもね、それがルージの成長に合わせるがごとくに半分を越えるぐらいからドンドンおもしろくなってくるんです。
そしてその勢いが最終話まで止まらない。
特に戦闘シーンの迫力や演出のよさは際立っていたと思います。
だから結果的に「おろしろい」という感想を持ったんでしょうね。
そして「こういうアニメの楽しみ方」もあるもんだと思いましたね。
ルージのゾイドが進化(劇中ではエヴォルトと呼ばれます)するようにアニメも「進化」していったということなんでしょうね。
アニメは「作画だけではない」ということを見せられた作品でした。
最後に個人的に好きなエピソードを紹介しときます。
固有名詞とかわからないところは読み飛ばしてねん。
ゾイドジェネシス 第36話 「ほころび」
ムラサメライガーの率いる討伐軍がディガルドの首都ディグの攻撃に成功したという情報は仲間のロンから知人の商人たちによって各地を駆け巡っていた。
そして、世界各地ではディガルド打倒に立ち上がる機運が高まり始めていた。
そんな頃、討伐軍の本拠地ズーリの領主ダ・ジンは地下の格納スペースに討伐隊員を集め、なぜか町に入れようとしない。そこへディグの攻撃を終えたルージ一行がズーリに戻ってきた。
真意を問いただすためルージ一行のお転婆娘でラ・カンの姪レ・ミィはダ・ジンに会いにいくが、ダ・ジンの部下にはぐらかされ本人に会うこともできない。
元々ズーリはかつてディガルドに占領されたキダ藩再興のために作られた町。
ダ・ジンは藩主ラ・カンに家老として仕えていた。
ズーリが討伐軍の本拠地となり、様々な軍勢が集まりディガルド討伐の機運が高まるなか、元キダ藩士たちからは「ラ・カン様はキダ藩再興を反故にする気なのか」と不満が爆発していた。
それらを束ねるダ・ジンは元キダ藩士たちからとディガルド討伐に立ち上がったラ・カンとの板ばさみにラ・カンにもその姪であるレ・ミィにも顔を合わせられずにいた。
待っていても埒が明かないということで、今度はルージが空からズーリに潜入することに。というのもダ・ジンの主君であるラ・カンでは話を聞いて説得するどころか、藩士たちへの「命令」になってしまうからだ。
ルージはミィと合流し、ダ・ジンに真意を問う。
ダ・ジンはその苦しい胸のうちを語り、二人は「ゾイドでの対決」で今後のズーリが討伐軍に協力するか否かを決めることにする。
対決はゾイドの性能もあって、ルージが優勢。
しかし、ダ・ジンの考えが間違っていると感じながらも倒すことをためらうルージ。
一方自分が死ぬことで事態が収まると考えるダ・ジン。
ダ・ジンは自らをムラサメライガーの刃で貫こうとした時、ミィの駆るランスタッグが現れ、これを阻止する。
「キダ藩王位継承権を持つ者として命じます。私に許可なく死ぬことは禁じます」
キダ藩の王族の装束に身を包んだミィの言葉に収まる事態、そしてラ・カンはディガルド討伐後に必ずキダ藩を再興することを改めて元藩士たちに誓うのだった。
しかし、「反乱の首謀者には罰を」とロンが言い出す。
それを聞いたルージは「反乱なんて起こってませんよ。これはみんなが一つになるための儀式だったんです」と。
そして、ディガルド討伐軍の結束はさらに深まったのであった。
自分はレギュラーメンバーの年少組であるルージとミィの成長を見事に描いたエピソードであると評価しています。
実際このエピソードの後から終盤にかけての展開がさらにおもしろくなっていきますが、このエピソードみたいに普通あんまり描かないんじゃないかっていうところをワリと丁寧に描いていくってのが特徴のアニメでしたね。
まぁ、一年あったからこそできたんでしょうけどね、きっと。
ゾイドジェネシス OP
この歌いいですよね~。物語の雰囲気にぴったり。
でも、本当はコソボ紛争で撃墜されたナイトホークのパイロットの「攻撃者側の心境と最後を歌った詩」らしいんです。
編集でこのアニメに合うように仕立て上げているそうです。凄いな。
音楽で思い出しましたが、劇中の音楽は以前とりあげた「ガンXソード」の中川幸太郎さんがやってるんんですよね~。
全然雰囲気違うからテロップ見てないと全然気づきませんでした。
でも、本作の音楽も民族音楽っぽくていいんですよね~。
ホント作画以外はイイところ多いのにね~。
あ、それからタイトルは某赤い人の名台詞のパロディ、なんてことは言わなくてもわかってると思いますが、念のため。
実写版某人⇒アゴ割れしてます・・・。
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