軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

9th Dimension / Dimension

2007-06-02 07:11:30 | 音楽
1.Lazy Dog 
2.Head Games 
3.One and Three 
4.I is 9th 
5.Close to Your Heart 
6.Jazz Cigarette 
7.Don't You Worry 
8.White of Blue 
9.Brighter in Your Life 
10.Yes or No?
1997

リード奏者の勝田一樹とギターの増崎孝司、ピアニスト小野塚晃のユニットバンド「ディメンション」の9枚目の作品ですね。日本のフュージョンとかジャズロックは学生時代頃に聴いていただけ(まあカシオペア、プリズム等々ですが)で、その後どのようなバンドが活躍しているのかは全く知りませんでした。日本産のフュージョンはある程度展開が予想でき、どれを聴いてもレベル的には変わりが無くなったように感じたのも興味が無くなった一因だったのかもしれません。昨年たまたまこの作品を車の中で聞いて演奏の素晴らしさというかテンションの異常な高さに驚いてしまったのですが、日本産と確認して二度ビックリ(何となく臭いでわかってはいたのですが)。
1曲目のインパクト、特にお姉ちゃんの「ウーッ!」とか「オウッ!」とか呻いてるのが強烈に印象的で(笑)、日本のバンドの演奏とは思えない素晴らしさを感じてしまいました。はははっ!

1曲目 デジタル処理のイントロからお姉ちゃんのよがり声、打ち込みタイトなリズム隊とヘビー・カッティングなギターの上をサックスが噎び泣く。ファンク、ラップとかクラブとか(ファンク以外はほとんど知らないけれど・・・)色々な要素を取り入れたカラフルな演奏、そして何より音の層が分厚く、テンションが異常なほど高い。
2曲目 イントロのヘビーなギターソロは特筆モノ。このバンドの魅力の一つにロック系の流れを感じさせるギターリストの存在があります。巷、特にアメリカにおいてはホールズワース系ウネウネ・ギターリストがウジャウジャと(韻を踏んでいるぞ・・・)活躍していますが、ヘビーでソリッドでエッジの効いたギタープレイはとても新鮮で(フュージョン創世記には結構いましたが・・・例えて言えばリー・リトナーに対抗するラリー・カールトンの存在のように・・・例えになってないな・・・)価値が高い。1曲目に引き続きハイテンションなナンバー、ヘビーなギターがうねりまくり、負けじとサックスも悶え苦しむ(笑)。ソリッド名ザクザクギター(少し粘っこいですが)も心地よい。私がギター弾きであったらこういうフレーズを弾いてみたい。(最近はジョアン・ジルベルトのバチーダをマスターしたいと思っているのに・・・・両極端だなぁ・・・音楽性と同じで・・・)ギターリストの魅力をタップリと味わえる曲でした。
3曲目 クラブ系の影響(と言っても・・・何がクラブ系なのか、おじさんにはサッパリサッパリ・・・)を受けているとのことで、何となく体に受けるリズムから理解は出来たつもりですが。リズムが打ち込み系っぽいミディアムなテンポの曲ですが、演奏はワイルドで熱く力強い。特にサックスは絶叫したり感涙したりと忙しい。エンディングの処理が少し乱暴・・・・
4曲目 ハード&スピード・チューン。高速メロディーのテーマ、ギターとサックスが交互に暴れ回る。キーボードは少し大人しい印象が。相変わらず切れまくったサックスが心地よい。ユニゾンのキメもバッチリ。
5曲目 スローバラード、都会的な雰囲気の上を、軽く噎び泣きながら流れゆくサックスが最高です。ベース音の処理が意外と現代ポップス的?で曲展開の古さを感じさせないポイント。
6曲目 リズムのない変拍子(意味不明)フレーズのギターから、ドカドカと曲が始まります。うねりまくるチョッパーにタイトなドラム。意外と落ち着いた雰囲気にギターが鋭く刺さり込む。典型的なフュージョンタイプの曲なのですが、グルーブ感が違っていますね。シンセのソロは・・・どうも軽くて・・・強烈なサックスとギターに対抗するにはピアノかローズ?で爆発しないと。いかにもチョッパーですが久々にしっかり聴くと心地よい。
7曲目 ミディアムで打ち込みっぽい(合いの手が入るような)落ち着いた曲です。しっとりと粘りのあるギターの音が素敵です。(粘るとサックスの音色に近くなりユニゾンの雰囲気がとても不思議な感じに聞こえる・・・様な気もする)バックのピアノもう少し目立ってもいいのでは?
8曲目 ゆったりとしたナンバー、アーバンな雰囲気プンプン。ギターの音色も粘りはあるがゆったりと流れています。サックスも絡みついてきますが、雰囲気はあくまでゆったりと。サックスとギターは音質がとても似ていますので、まるでツインリード・ギターのようにも聞こえたりして。
9曲目 デジタル・フュージョンにサックスが人間臭さを振りまくような、リードを引き継ぐギターも人間臭さがプンプンと。バックの雰囲気とフロントの臭いが対照的な曲でした。いいですよ、この雰囲気は。
10曲目 イントロはうねりまくるヘビーなギター、続いてサックスがテーマを演奏。サビの部分は1曲目のリフレイン?格好いい。ギターパートのヘビメタギターが心地よい。エレピのパートはやはり・・・やはり・・・大人しすぎます。性格かな・・・変わりに続く炸裂するギターを堪能いたしましょう。緩急はあるものの実に格好いいナンバーでした。

「最高にかっこいい!」と言うのが感想ですね。バンド時代を思い出してしまったのは何故でしょうか。こういう曲を演奏したかったのかな・・・・クリムゾンばかりでなくて・・・・

ファーストインパクトが強烈過ぎて、おまけにソウルフルな感じもあり黒い臭いもプンプンしていたのですが、よくよく聴くと純粋な日本のフュージョン・サウンドでしたね。日本のフュージョンの一つの完成型でしょうか。一気に揃えた他の作品・・・ほとんど聴いていないので(聴かなきゃいけない作品があまりにも多すぎて・・・・残りの人生費やしても無理なのが最近わかりました・・・・)何とかしなくては・・・・

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