軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

4 / Soft Machine

2007-06-01 08:37:17 | 音楽
HUGH HOPPER: BASS
MIKE RATLEDGE: ORGAN, PIANO
ROBERT WYATT: DRUMS
ELTON DEAN: SAX

ROY BABBINGTON: DOUBLE BASS
MARK CHARIG: CORNET
NICK EVANS: TROMBONE
JIMMY HASTING: ALTO FLUTE, BASS CLARINET
ALAN SKIDMORE: TENOR SAX

SIDE ONE
1.TEETH
2.KINGS AND QUEENS
3.FLETCHER'S LEMISH

SIDE TWO
1.VIRTUALLY PART 1
2.VIRTUALLY PART 2
3.VIRTUALLY PART 3
4.VIRTUALLY PART 4
1970 COLUMBIA

イギリスが誇るジャズ・ロック・バンド、ソフト・マシーンが段々ジャズ色を濃くし始めてきた時期(イギリス特有のジャズにかなり近づいた時期)の作品「4」です。この作品を最後にやんちゃ坊主ロバート・ワイアットはジャズに傾倒していくバンドに嫌気がさして脱退してしまいます。まあ、彼のその後の音楽性を考えるとこの作品の方向性を維持し続けるのには辛い物であった事が分かります。
ソフト・マシーンというバンドはその時々に別々の「色」があり、時期によって好みが別れるバンドかと思います。私はこの作品でマシーンに出会いましたので、初期~中期の作品ではこのアルバムが一番のお気に入りとなっています。もちろん後期のジェンキンス色の強いクロスオーバー・マシーンもお気に入りですが。

 LPA面
1曲目 イントロのベース音を聴くとワクワクします。フロントはエレピにサックス、オープニングの掛け合い部分は結構複雑に構成されていて面白い。続いてサックスのパート、フロントのサックスはもちろんのことバックのリズム隊もなかなかテンションが高いですね。ワイアットのジャズ・ドラムを堪能できます。曲が展開しエフェクトを通したオルガンがサックスとユニゾンで、ファズ・ベースも轟音を響かせ曲が物々しくなります。オルガンのユニゾンから流れるように曲が落ち着き軽快な演奏に。その後の多少浮遊感のある落ち着いた演奏から、ラトリッジ特有の音色のオルガンが響き渡り一気に曲が疾走し始めます。この部分は実にかっこいいですね。エンディングは混沌としてアルコが叫んでお終い。起承転結がハッキリと分かる名曲ですね。
2曲目 マイナー調でミディアムテンポ。この曲は微妙に転調しますが、終わりまで一定のテンポと雰囲気を維持しています。ベースは単純なリフの繰り返し、ドラムもゆったりとしたタム回し中心の演奏。その上を艶っぽいソプラノサックスが延々流れています。
3曲目 アルコの混沌からゴジラでも登場してきそうなドワドワとした曲が始まります。オドロオドロとしたキメのフレーズを挟みながらフリーキーなアドリブが流れます。この辺がイギリス特有のジャズ的な雰囲気に近い・・・・でもちゃんとキメがある所がマシンーン。
 LPB面
1曲目 ゲストのブラス隊の暗いアンサンブルに乗って曲が進みます。まずはベースパートのようですが・・・何となく・・・メリハリのない演奏が続きます。段々と音数が少なくなり・・・シンバルをカシカシとこする音とベースだけになってしまいました。そこからエレピがベース・コードを押さえはじめ何とか曲に戻っていきました。ゲストのブラス隊もポイントポイントでフリーキーに暴れていますが・・・・
2曲目 切れ目無くラトリッジ特有のオルガンが登場し場面は展開。この音色はラトリッジだけそしてマシーンの音色です。オルガンとサックスが混沌とした雰囲気の中延々と絡み合いながら進んでいますが、これが長い・・・・曲の半分ぐらいで微妙な曲進行から突然それも違和感なくちゃんと曲になる・・・タイトなリズム隊の上をサックスのアドリブが延々と。バシッと決まるエンディングがかっこいい。
3曲目 混沌混沌音のコラージュの様な雰囲気から、ベースとオルガンがゆったりとした雰囲気を作り上げる。サックスは裏返っています。幻想的でもあり怪奇的でもある。ファズ・ベースももの悲しく叫び続ける。
4曲目 切れ目なしなので前の曲の雰囲気そのままで、ワウワウ・オルガンが幻想的な雰囲気に拍車をかけ、ベースとサックスも物静かに演奏。タムを静かにロールする音が入りシンバルの静かな響きが加わって、テープコラージュみたいな音も・・・・そのままフェードアウト。難解だ・・・

何百回も聴いているのに、こうやってじっくりと聞き込んでみると、もの凄い作品であるということを再認識させられました。キャッチーな曲など当然皆無ですが、実に素晴らしい名盤です。

A面がジャズ・ロック・マシーンでB面はイギリス特有のフリー・ジャズ・オーケストラ・マシーン・バージョンと言った所でしょうね。A-1が絶対的にお気に入りでB面は実は多少苦手でしたが、今日は楽しんで聴くことが出来ました。めでたしめでたし・・・・




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