考えるための道具箱

Thinking tool box

◎えーっと。これは、必ず読んでください。

2007-08-21 21:18:47 | ◎業

一瞬で!心をつかむ売れるキャッチコピーの法則(田村仁・秀和システム)。
例えば、こんなところ。

「商品のことさえ理解できれば、商品キャッチコピーは誰にでも書ける、しかし、広告キャッチコピーはアイデアがないと書けない。だから、より価値が高い。
このような間違った認識が広告代理店のコピーライターを中心に浸透していったからです」

さらには、

「『とにかく商品から離れろ、離れろって、くどいほど言われるんですよ』 コピーライターが、上司のディレクターからそのような指示を強く受けているという意味です。
『商品まわりで考えていたら、何年たっても、いいキャッチコピーは書けない。商品から離れて、いかに目立つキャッチコピーを書くかに全力をあげるべきだ』
これが、その上司の意見だとう言うのです。
この意見は、一見正論のようにも感じられます。しかし、ひとつ大きな落とし穴があります。商品から離れて、商品が目立つキャッチコピーを書くことは不可能なのです。」

もひとつ、

「♪律子さん、律子さん、さわやか律子さん、律子さん♪というCMソングを覚えていますか。当時、プロボーラーの有名選手だった中山律子さん主演、花王<フェザーシャンプー>のCMです。
確かに目立ちました、しかし、目立ったのはこのCMソングだけなのです。キャッチコピーが目立って、商品は置き去り、の典型なのです。
ところが、このCMを制作した広告代理店は、いつまでも、『いいCMだった』と評価していたようです。もちろん、花王社内の評価は散々でした。『あんなCMを作るから商品が売れないんだ』。」

まるで、誰かが話しているそのままだ。もちろん、このような心構え的な訓話だけではなく、コピーライティングの実務的なノウハウも書かれている。いまではもうだれも気にとめることがなくなってしまったが、じつはコピーライター≒マーケティングライターにとって絶対忘れてはならない「コピープラットフォーム」のつくり方なんて貴重な方法論にも言及している。いわゆるパッケージンググッズの例を引き合いにだしていることが多いが、言葉による「顧客価値」への迫り方・翻訳の仕方、顧客にとってわかりやすい言葉の見つけ方など汎用性は高い。文章読本ふうでありながら、けっして、スタイル(テンプレート)に阿らず、「何を言うか」を俎上にあげているところもすばらしい(もちろんスタイル(型)は、スタイルで重要だけれど、女性誌の見出しを真似て書く、だけでは画竜点睛を欠く)。

ここで書かれているようなことがコピーライター≒マーケティングライターのミッションであるとすれば、これほどやりがいのある仕事はない。そして、それは、わたしたちのような仕事の核心でもある。

「スプーン1杯で驚きの白さに」。冒頭に掲げられた、この(伝説の)コピーの凄さがわかるだけでも、読む価値はある。

会議で紹介するので、HRIKくん来週までに、要点まとめて発表してください。


あ、そういえばこの人の前著、前にもらってたんだ。すっかりスルーしてたよ。『10日で!激売れ ネットショップで稼ぐ最強の仕掛けとキャッチコピー術 』。これは、ちょっとタイトルがあざとすぎたな。

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2 コメント

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読みました (さるきち)
2007-08-24 10:45:19
元社員(現社員の妻)のさるきちです。
初心に戻れる一冊でした。

ただ、会社のフィロソフィと同じようなことを、
社外の方の書いた本で読むということが・・・。
こういう本は、社員の誰かがもっと早く書けたのでは(昔、会長が書いてたかもしれませぬが)?
それが残念でした。
>さるきちさま (浦山隆行)
2007-08-25 22:47:15
コメントをありがとうございます。

わたしも最初読んだときは
おれが書くべきだな、と思いました。
一方で、これをフィロソフィというにはあまりにも
個別のスキルにすぎるので、さほどくどくどと
言う話でもないような気もしました。

そういった意味では、もう少し具体的な文章技術としての
体系化が必要で、そのあたりを追求してみます。
さっそく過去の社内的なマニュアルを引っ張りだしてみると
けっこう「具体的な生産技術」に近い話が載っていましたので
このあたりのまとめにかかりたいと思っています。

また、仕事のほうもよろしくお願いしますね。
男子2人(3人?)はたいへんかもしれませんが。

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