uparupapapa 日記

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『陸王』~伝説の九七式側車付自動二輪車の母体~ドラマで復活・足袋からシューズに~

2017-12-18 12:03:43 | 日記
陸王の誕生は1934年。

そのルーツはアメリカのバイクの王様『ハーレーダビッドソン』である。

【日本ハーレーダビッドソンモーターサイクル】のライセンス生産によって生まれた

1200ccの堂々としたキングオブザハイウェィだった。





ただし写真は1950年製。

それ以前のモデルの写真は入手できていないので

残念ながら当時の雄姿はお見せできないが、

戦後日本の復活の狼煙(のろし)を挙げたフラッグシップ的な存在となった。

若き血・陸の王者は日本の技術のシンボル・プライドとして復活を遂げた

今はもう幻の名車と呼べる日本の宝である。



その『陸王』の名が池井戸潤の小説・ドラマとなって

再度復活した。


TBSの日曜劇場『陸王』である。

惜しくも来週2017年12月25日で最終回を迎えてしまうが、

100年続く足袋の老舗「こはぜ屋」が

マラソン用シューズ『陸王』を誕生させ危機的状況の会社を復活させる物語である。



私は若い頃、一度だけ1950年代製の『陸王』を目撃したことがある。

それは異様とも言える威厳を持ち、

持主がビスの1本1本をピカピカに磨いた、まさに至宝だった。


その後日本はホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキと

二輪の4代メーカーで世界を席巻し続ける冠たるバイク王国となっている。


その名誉ある名声の基礎を成した『陸王』の名を

小説・ドラマとはいえ復活させた事の意義は重く大きい。




昨今、隣の国である中国・韓国は日本に追いつき、追い越したと自負し

嘲笑する者も多い。

しかし、本当にそうだろうか?

1980年代まで彼らが原始に毛の生えたような生活を送っていた

そのずっと以前の明治維新以降から、アジアで唯一世界の列強と渡り合い、

時には戦争までし、

ひたすら培ってきた日本の技術がそんな一長一短に追いつかれるほどの

軽くて薄っぺらなものだったのだろうか?



ドラマ『陸王』はそんな感情を沸き立たせる名作と評価したい。

こはぜ屋100年の歴史とは、日本の近代化の苦難の歴史を象徴的に表現したのだと思う。


ただ単に偶然同じ商品名だった訳ではなく、

池井戸潤氏の意思と意図を強く感じたのは私だけだろうか?


失われたバブル崩壊後の日本の地位と名声。



北朝鮮や中国が如何にミサイルを雨あられと浴びせてこようが、

びくともせず平然と跳ね返すだけの実力と胆力を備えた国

それが日本であると心から信じたい。


ドラマ『陸王』を見て改めてそう思う。