愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

津波到達点を刻む石碑―徳島県の地震・津波碑―

2016年10月19日 | 災害の歴史・伝承


徳島県阿南市福井町浜田の住吉神社の鳥居をくぐってすぐ右側。境内に登る石段の下に「海嘯潮痕標石」と刻まれた石碑が建てられている。



昭和21年12月21日の昭和南海地震の被害の状況が書かれている。

昭和南海地震での最初の津波は、神社の石段の6段目まできたが、一旦退いた。しかしまもなく再来し、次は10段目まで波が来た。

このように、具体的にどの高さまで津波が到達したのか(遡上高)がわかる。

大戸、後戸、赤崎、大原、湊、大西、吉津、大宮、山下、宮宅まで泥海となり、約半時間後に退いたとある。

住吉神社近くだけではなく、広範囲での津波被害が刻まれている。



津波が第一波だけではなく、第二波以降に注意が必要であり、第一波よりも第二波の方が高いということも、この石碑は語っている。

建立年は不詳。

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