SONG OF LOVE AND REGRET:
MUCH MORE!: Mal Waldron/Marion Brown
寂しげな旅芸人の背中を感じてしまう二人のジャズ演奏家なのですが、雰囲気たっぷりに演奏してくれています。マリオン・ブラウンはフリー・ジャズ系統のアルト奏者なのですが、情感あふれる音色で、結構日本にはファンが多いと思います。一方のマル・ウォルドロンは、名作「レフト・アローン」で知られる孤高のピアニストで、この人も日本人は大好きなようです。プレステッジ・レーベル社長のお気に入りでしたので数多くの吹き込みが有りますので、孤高と言われ出したのはプレステッジの活動が下火になってからではないでしょうか。どちらも、単独で旅を続け、現地の演奏家との共演盤が多いので、寂しげな旅芸人をイメージしてしまいます。
"Song Of Love And Regret" Free_Lance(FRA)FRL-006 Blue Monk / A Cause De Monk To The Golden Lady In Her Graham Cracker Contemplation / Hurry Sundow A Flower Is A Lovesome Thing Mal Waldron (p) Marion Brown (as) 1985/11/10セロニアス・モンクが亡くなったじぶんの録音なのでしょう。多少追悼の雰囲気で暗く感じてしまいます。マル・ウォルドロンのアルバムは全曲が同じイメージになるものが多いのですが、これもその線に近いようですね。
"Much More! Free_Lance(FRA)FRL-010 Soul Mate / Someone To Watch Over Me All God's Chillum Got Rhythm My Funny Valentine I Can't Get Started / Now's The Time The Inch Worm Mal Waldron (p) Marion Brown (as) 1988/11/15こちらは、4年後の再会盤ですが、前回と違い伸び伸びとしています。わたしの聴きなれた曲が多いという理由もあるのですが、マリオン・ブラウンのアルトが「レフト・アローン」のジャッキー・マクリーンに想えたり、マル・ウォルドロンのソロの箇所が「オール・アローン」を想わせたりします。わたしは、この2枚目のマッチ・モアーの方が好きですね。
投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/06/09 ものずき烏 記
(参考)
2005-06-17 マリオン・ブラウン:(’68、’69、ドイツ)
2005-06-18 マリオン・ブラウン:ジョージア・フォーンの午後