ゆっくりと山登り

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北アルプス縦走2010年8月 鹿島槍~鏡平 その7

2010-08-22 11:49:08 | 北アルプス


間があいてしまいましたが・・・

10日続き


野口五郎岳を越えて、裏銀座の快適な稜線歩きが続きます。
しかし前日船窪岳でお会いしたらいちょうのあしさん(爽やか二人組)
から気になる情報をいただいてました。
「南方海上に台風が発生したそうですよ」





午前中の素晴らしい天気も午後に向かって下り坂。
少しずつ台風の影響で湿った空気が流れ込んでいるようです。


水晶小屋に向かって伸びる縦走路
所々大きな岩を乗り越えるところはありますが概ね問題なし




野口五郎岳を振り返る。
周囲の百名山に数えられている山に比べ、強い個性を主張するところはありませんが
懐の広い良い山です。





前方の鞍部は東沢乗越、その先に水晶小屋に向かって登路が伸びています。
上の方はだいぶガスがかかって小屋は見えていません。






東沢乗越まできました。
背景は越えてきた2833のピーク
ここから登りが始まります。







登るに従い岩の色が赤茶けてきます。
鉄分が多いのでしょうか。
鋭い岩のピークをいくつか巻いて進みます。






荒涼とした風景の中にも植物が根をおろしています。





ひと頑張りで水晶小屋が見えてきました。






水晶小屋に到着
軽く腹ごしらえ
小屋のメニューの看板をふと見ると「力汁」とありまして
思わず注文してしまいました。
具だくさんの味噌汁の中にお餅が入っています。
元気が出る一品





・・・と小屋の外では雨がぱらついてきました。
先日まではガスに囲まれていても大きな崩れは感じなかったのですが
今日は明らかに雲が濃くなってきているように見えます。

小屋を出るとらいちょうのあしさんが水晶岳に向かう準備をされてました。
私は雲の平にそのまま向かいます。
ここでお別れ、お気をつけて~。




まだ雨は降ったりやんだり
速いところ雲の平に行っておきたいところ。
それでもついつい寄り道をしてしまいます。
ワリモの分岐に向かって進むときれいな二重稜線の地形








その窪地は素敵なお花畑






ワリモの分岐を西に向かい、祖父岳を目指します。




分岐の下から左手の谷間を見下ろす。
ここが黒部川の源流です。





右手の谷間は、高天原へ向かう道です。
ここを少し下ったところで水を補給しました。

あの船窪のスリリングな水場以来、久しぶりに豊富な水に出会えました。
沢を流れる冷たい水で顔を洗い、のどを潤してリフレッシュ。







で、祖父岳に向かって登ってゆきます。






ワリモ岳と鷲羽岳が大きくそびえています。






三俣山荘を見下ろす地点まで登ってきました。






・・・ここでとうとう雨が本格的に降り出します。
雨具をつけていると
雲ノ平からこちらに向かってきた登山者の方がやってきました。
その方がおっしゃるには「東に来るほど雨が和らいできた気がする」
???ということは当方はこれから天気が悪い方向に進むってことですね


雨の中祖父岳を越えて雲の平を見下ろす地点まで来ました。
ガスの中にかろうじてテント場が見えています。












一旦、雪田のある段上の平地に出てから、
ハイマツ帯を抜けて雲ノ平の縁をたどるように進みます。

祖父岳を振り返ったところ
水晶岳側の谷間は雪解けの後きれいなお花畑になっています。
余裕がなく写真がまともに撮れてませんでしたが。







雲ノ平山荘が見えてきました!





木道をたどっていきます。







小屋の付近は未だチングルマの花がたくさん咲いていました。









やっと山荘に到着!

さて8月10日は、雲ノ平山荘建て替え工事後の
新装オープンの日でした!





雨の中ぞくぞくとやってくる登山者で、入り口は混乱気味

それでもとりあえず荷物を片づけて、自炊場コーナーの一角に座れば
心が落ち着きます。
建物の内部は真新しい木の香りが漂っています。
新装雲ノ平山荘における初自炊?!





ちなみにこちらは食堂
新しいっていいですね!




自炊コーナーでビールを飲んでいると
向かいに年配の単独行者Cさん。
太郎兵衛平にツエルトを張って一泊したのち
こちらに来たのだそうです。
ビール、ウイスキーと進みながら
お仕事のこと、健康のことなどつれづれにお話させていただきました。


雨降る雲ノ平から水晶岳






っと、そこに外国人の若い男女お二人が
軽装で雨具も付けず!に小屋に走りこんできました。
さすがに小屋の人もびっくりしてました。

着替えたお二人は自炊コーナーの私のとなりに座って
小屋の人に出してもらったカレーライスを食べ始めました。
おもむろにザックから出した大きな袋に入ったバターピーナツを
カレーライスにどさっと入れて食べ、
ウイスキーいかがですか?と私が差し出すと
お茶の中にどぼどぼっといれてにっこり笑って飲んでました。

Englandから来たというお二人、これまで日本の山は登ったことありますか?
と聞いたら「Mitakesa~n!」と言ってました。
なんだかその延長でアルプスまで来ちゃったのでしょうか・・・
小屋の人も雨具の予備がなかったようで
とりあえず傘を二本お二人に提供してました。

ちなみに翌日、私が雲ノ平から三俣山荘への道を歩いていると
ものすごいスピードでこのお二人が後ろからやってきました。
小屋の人にもらった傘を、忍者のように背中に斜めに差し込んで。
「Good mornig!」挨拶を交わすとあっという間に小さくなってゆきました。
確かに危なっかしいお二人ですが、その体力には驚愕。




・・・・・・・・・

もどって夕暮れの雲ノ平
一瞬の雲の切れ目から黒部五郎岳





そして三俣蓮華岳







台風は確実に迫ってきているようです。
明日はとりあえず双六まで行って次のことを考えることにしました。


続く





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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
trekker-kさんへ (★suika★)
2010-08-22 18:52:44
本当っと
外人さんの体力には驚きます。
>ザックから出した大きな袋に入ったバターピーナツをカレーライスにどさっと入れて食べ・・。
笑ってしまいました
この木道とても気持ちよさそうでいいですね
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外人さん (Q造)
2010-08-22 20:04:31
富士山でよく見かけます。短パンにスニーカーで。
白人さんは寒さに強いみたいですね。
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雲の平 (yosi)
2010-08-22 22:32:49
いいですねぇ、この風景好きです。
小屋や休憩で出会う人たちとその会話。
目的が同じか近いものですから楽しみですね。
雰囲気、伝わってきます。
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suikaさんこんばんは (trekker-k)
2010-08-22 22:35:44
バターピーナツカレーはちょっとびっくりしました。雲ノ平の木道歩きはなかなか良いものです。アプローチが大変ですが機会がありましたら是非訪れてみてください。
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Q造さんこんばんは (trekker-k)
2010-08-22 22:37:13
私も富士山で見ました!短パン+スニーカーの外国人さん。富士山の山頂も十分寒いですよね。
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yosiさんこんばんは (trekker-k)
2010-08-22 22:40:14
周囲を山に囲まれた中、ゆったりとした雲ノ平の風景は私も大好きです。yosiさんも常念で外国の方との出会いがあったんですよね!山の中での語らいのひと時も楽しみの一つです。
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Unknown (mimoza)
2010-08-23 07:37:00
大きな山をいくつも越えてさらにさらに行く手遥けし・・・そんな感じの縦走ですね。
一面のチングルマを拝見しながら、台風の行方、trekker-kさんの選択は・・?と、思いをめぐらしています。


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mimozaさんこんばんは (trekker-k)
2010-08-23 21:41:35
今思い返しても長い縦走でした。それでも次々変わる景色に決して飽きることはありませんでした。台風は・・・続きをご覧くださいませ
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