我が心のプチトリアノン

　　　　　　　　　　心の片隅に住みついた
　　　　　　　　　　プチトリアノンという響き




　　　　　　　　　　いつの頃からだったのか・・
　　　　　　　　　　まったく記憶にない




　　　　　　　　　　ただプチトリアノンには興味がなく
　　　　　　　　　　心は庭園の田舎の家のほう・・
　　　　　　　　　　今は村里の農家と言うそうだけど




　　　　　　　　　　この水車のある農家の風景が好きで
　　　　　　　　　　刺繍のデザインに起こしたことも




　　　　　　　　　　広いヴェルサイユ宮殿
　　　　　　　　　　ここまでたどり着いたことはなかった




　　　　　　　　　　突然のヴェルサイユ行き
　　　　　　　　　　田舎の家の風景の画が浮かんだ




　　　　　　　　　　日差しにも遠さにも負けず
　　　　　　　　　　ちょっと日和ってトラムで向かった




　　　　　　　　　　何十年越しの思いは・・・
　　　　　　　　　　感動的であった・・ではなく




　　　　　　　　　　お久しぶり・・な感じ
　　　　　　　　　　心の中に住みつきすぎ
　　　　　　　　　　想像と変わることはなかった



　　　　　　　　　　それでもやっと来たよと言い聞かせ
　　　　　　　　　　こんなこともあるのだと
　　　　　　　　　　遠い日の思いを思い出していた

ため息ついて・・トラムに乗る

　　　　　　　　　　広ーい　広ーい　ヴェルサイユ宮殿
　　　　　　　　　　プチトリアノン周辺の村里へは
　　　　　　　　　　とても歩けないと判断




　　　　　　　　　　それではトラムに乗って！と

　　　　　　　　　　が・・長い長い列
　　　　　　　　　　停車場は庭園前の日影なしの広場




　　　　　　　　　　このシステムがまたおフランス
　　　　　　　　　　トラムが入ってきて
　　　　　　　　　　初めてチケットを売り始める




　　　　　　　　　　なんで待っている間に売る！のを
　　　　　　　　　　思うつかないのかフランス人
　　　　　　　　　　頭を使ってくれっ！と娘がブツブツ




　　　　　　　　　　っと急に・・席が埋まらないというのに
　　　　　　　　　　長蛇の列の前を走りだすトラム・・？？？

　　　　　　　　　　そして・・次に入ってきたトラムは・・




　　　　　　　　　　誰も乗せずになんとＵターン
　　　　　　　　　　な・・なんなんだ？？？

　　　　　　　　　　暑い～～ここで持ってる水を少々浴びる
　　　　　　　　　　隣で韓国人が電池式扇風機・・いいなぁ




　　　　　　　　　　雨女傘を持たずにきたこと後悔

　　　　　　　　　　待つこと数十分ようやく席確保
　　　　　　　　　　出発！！ふ～～～っ




　　　　　　　　　　「乗る人はお客様」の発想はないらしい
　　　　　　　　　　乗せてやる・・的？
　　　　　　　　　　そりゃ～そうだわ・・この道
　　　　　　　　　　ガタゴト度はひどいけど
　　　　　　　　　　歩くよりは遥かにマシであった・・

宮殿のトラム乗り場へと

　　　　　　　　　　両脇は車道・・一段高い広い歩道
　　　　　　　　　　おそろしく高い木々は日差しを遮り




　　　　　　　　　　ここもまた道の真ん中に
　　　　　　　　　　テラス席が並んでいる




　　　　　　　　　　アントワネットも気まぐれに
　　　　　　　　　　この道をあるいたのだろうか・・




　　　　　　　　　　遠くに宮殿の入場を待つ行列が見える




　　　　　　　　　　娘は革命の群衆に見えるよと言って笑う




　　　　　　　　　　宮殿前の広場は狭いほうがいいねと
　　　　　　　　　　私は暑さで気のない返事




　　　　　　　　　　この暑さ宮殿の庭園に入り
　　　　　　　　　　大したことがなかったと気付く




　　　　　　　　　　宮殿の気の遠くなるような広さ
　　　　　　　　　　この暑さや寒さ・・




　　　　　　　　　　マリーアントワネットは頑強だったわ
　　　　　　　　　　と思わずつぶやいた




　　　　　　　　　　ここに来るとお姫様なんぞには
　　　　　　　　　　なりたくない思うのは怠け者の私だけ？

おいしそうなものは？

　　　　　　　　　　マルシェ一周を終える頃になると




　　　　　　　　　　昼食ピクニックは何にするでキョロキョロ




　　　　　　　　　　結局こまごまとポルトガルのクロケットやら
　　　　　　　　　　揚げ物数種・・マリネ等々




　　　　　　　　　　気になるものはまだまだあるけど




　　　　　　　　　　そこはぐぐっとこらえて




　　　　　　　　　　街で調達した水とともに




　　　　　　　　　　ヴェルサイユ宮殿田舎屋目指し・・




　　　　　　　　　　宮殿内トラム乗り場へと歩き出した

ヴェルサイユの街へ

　　　　　　　　　　感動的に規模が大きな
　　　　　　　　　　ヴェルサイユのマルシェ




　　　　　　　　　　一回りする前に
　　　　　　　　　　横道にそれて街の中へ




　　　　　　　　　　そしてなぜかこの街にあるという
　　　　　　　　　　自由が丘のパティスリーのフランスの店へ




　　　　　　　　　　パンとケーキをゲット
　　　　　　　　　　宮殿内の田舎の庭でピクニックにと




　　　　　　　　　　パリから１時間ほどのこの街
　　　　　　　　　　高級住宅街とやらで




　　　　　　　　　　道行く人のお洒落感が高く
　　　　　　　　　　ムッシュの買い出しが多いのも面白い




　　　　　　　　　　やはりマリー・アントワネットの街なのか・・・




　　　　　　　　　　猥雑なパリの街より
　　　　　　　　　　少し観光気分でマルシェニ戻る

マルシェの肉屋

　　　　　　　　　　「ちわ～肉屋です！」




　　　　　　　　　　その昔御用聞きなんてあったけ
　　　　　　　　　　急に思い出す
　　　　　　　　　　肉やさんのはなかったか・・定かでない




　　　　　　　　　　スーパー出現以前の話
　　　　　　　　　　フランスでもスーパーはあるけれど
　　　　　　　　　　マルシェのお肉屋さん健在




　　　　　　　　　　思い切り立派な肉たち
　　　　　　　　　　もう料理がしたくなるような品ぞろえ




　　　　　　　　　　日本では見ないような
　　　　　　　　　　鴨肉・・ラパン（うさぎ）・アニョー（子羊）
　　　　　　　　　　それだけでもわくわくだけど




　　　　　　　　　　こぶたもゴロゴロと！
　　　　　　　　　　時々レストラン街のグリルで
　　　　　　　　　　ぐるぐる回っているけど




　　　　　　　　　　香辛料を使いながら
　　　　　　　　　　野菜も肉もお好みの味へ




　　　　　　　　　　さて・・
　　　　　　　　　　マダム達は何を買って帰るのだろう
　　　　　　　　　　羨ましく遠目で眺める

所変われば・・

　　　　　　　　　　パリの街・パリ周辺の町
　　　　　　　　　　どこへ行っても現れるものごいとスリ




　　　　　　　　　　パリの光と影とか言われそうだけど
　　　　　　　　　　どっこいパリでは一体化しているような




　　　　　　　　　　懐の広さと言うのか・・いい加減さと言うのか
　　　　　　　　　　ちょろっとの旅人にはこのことも
　　　　　　　　　　ものごいもスリも分からない




　　　　　　　　　　だからスリに合うということになるのだけど・・
　　　　　　　　　　住んで数年の娘にはピッピッと来るらしい
　　　　　　　　　　来た来たっと言ってはするっと逃げる




　　　　　　　　　　ところがものごいに関してはちと違って
　　　　　　　　　　小銭を上げる人・・物を上げる人
　　　　　　　　　　そちらのほうが気になるらしい




　　　　　　　　　　上手に小銭を渡すマダムなど見ては
　　　　　　　　　　「うまい！」と渡し方に感心
　　　　　　　　　　そして一言・・キリスト教の精神かな？




　　　　　　　　　　そしてこの日ヴェルサイユで
　　　　　　　　　　大きめのサンドイッチを食べながら
　　　　　　　　　　歩いているマドモアゼル
　　　　　　　　　　（こちらでは普通）




　　　　　　　　　　近寄るものごいになんと・・
　　　　　　　　　　食べているサンドイッチを半分
　　　　　　　　　　パキッと折って手渡す・・自然！！！




　　　　　　　　　　「あれでいいんだ」と娘
　　　　　　　　　　あれがなかなかできないと独り言
　　　　　　　　　　とけこもうとしているのか・・
　　　　　　　　　　日本人を自覚しているのか・・

　　　　　　　　　　旅人はカルチャーショック？！？
　　　　　　　　　　少し笑って後でゆっくり考えよう

　　　　　　　　　　でもやっぱりエライ!と何処かで思っている

片隅の箱たち

　　　　　　　　　　マルシェの片隅に積み上げられた空の箱




　　　　　　　　　　なんだかこれが好きなんだよなぁ～～
　　　　　　　　　　木の箱なんてたまらない！




　　　　　　　　　　どこまで積みあがるのかとか・・




　　　　　　　　　　ちょっと将棋崩したいなんて・・
　　　　　　　　　　そんなことを思いながら




　　　　　　　　　　働く人の気合や温かさが見えたり




　　　　　　　　　　一つ買ったら整然とした棚の
　　　　　　　　　　商品バランスが崩れそうな物より




　　　　　　　　　　この箱から飛び出したものたちに
　　　　　　　　　　生きものなり・・を感じて

ど・れ・に・し・よ・う・か・な！

　　　　　　　　　　カフェでランチ・・レストランでランチ




　　　　　　　　　　日本では二人分ほどのがポンと出てくる




　　　　　　　　　　毎日それではやわな（？）胃が参る




　　　　　　　　　　ヴェルサイユの田舎屋に行くというので




　　　　　　　　　　そこでピクニックということに




　　　　　　　　　　迷う・・迷う・・迷う！




　　　　　　　　　　どれも食べてみたいと・・




　　　　　　　　　　そこでちょこちょこ一個買い・・もＯＫ




　　　　　　　　　　１００グラム？？と驚かれはしたけれど




　　　　　　　　　　楽しく迷って・・
　　　　　　　　　　と言っても・・マルシェはまだまだ広い

そうだ・・ヴェルサイユに行こう！

　　　　　　　　海辺の町ドーヴィルなどという話も出ていたけど




　　　　　　　　短い滞在近くのほうが・・と考えて




　　　　　　　　突然浮上したヴェルサイユ




　　　　　　　　宮殿のほうには興味がない親子




　　　　　　　　目的はマルシェ＆プチトリアノン周辺




　　　　　　　　駅から直行のマルシェ・・もうキョロキョロ




　　　　　　　　美味しそうなもの珍しいもの楽しい楽しい♪




　　　　　　　　世の中知らない食べ物がこんなにあったなんて！

　　　　　　　　カロリー制限ありのワタクシ・・見るだけでも最高