
村上春樹先生の新刊がもう書店に並んでいた。「ねじまき鳥」以降、私は決して熱心な読者とはいえないが、ひとまず買ってみた。「海辺のカフカ」は三回読み始めて三回投げ出してそのままだし、最後まで読ま(め)ないかもしれないが。
今回も書き下ろし。出版元を通してストーリーについて全く漏れていないような気がする。パラパラめくって見たところ、章立ては「青豆」と「天吾」という名前が交互に出てくるあたり「世界の終わり」とも似ている。どうやら題名通り1984年のことを書いているよう。84年度の第一クォーターという意味かもしれない。題名はオーウェルの「未来小説」のもじりなんだろうけど、「青豆」というモチーフは魯迅の小説に出てきたと思うので「阿Q」との関係もあるのかもしれない。それなら既に「スミヤキストQ」を書いた倉橋由美子の二番煎じになる。倉橋由美子というと、カミュやサルトルの影響もあるが、専らカフカの影響が強いから、村上側も最初から「カフカ」繋がりを意図したのかもしれない。春樹先生はカフカ賞も受賞している。
今さら、そんなことはないと思うが、帯のコピーから察して、オーウェルの「未来小説」に対する村上春樹流「過去小説」とか、一種のパラレルワールドものなのかもしれない。ディックの「高い塔の男」みたいな。そうだとしたら、なんとなく陳腐な気がして、厭だ。
つづく
今回も書き下ろし。出版元を通してストーリーについて全く漏れていないような気がする。パラパラめくって見たところ、章立ては「青豆」と「天吾」という名前が交互に出てくるあたり「世界の終わり」とも似ている。どうやら題名通り1984年のことを書いているよう。84年度の第一クォーターという意味かもしれない。題名はオーウェルの「未来小説」のもじりなんだろうけど、「青豆」というモチーフは魯迅の小説に出てきたと思うので「阿Q」との関係もあるのかもしれない。それなら既に「スミヤキストQ」を書いた倉橋由美子の二番煎じになる。倉橋由美子というと、カミュやサルトルの影響もあるが、専らカフカの影響が強いから、村上側も最初から「カフカ」繋がりを意図したのかもしれない。春樹先生はカフカ賞も受賞している。
今さら、そんなことはないと思うが、帯のコピーから察して、オーウェルの「未来小説」に対する村上春樹流「過去小説」とか、一種のパラレルワールドものなのかもしれない。ディックの「高い塔の男」みたいな。そうだとしたら、なんとなく陳腐な気がして、厭だ。
(付)早速韓国のサイトが紹介してくれているのを見つけた。カムサハムニダ
つづく
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