Tomotubby’s Travel Blog

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二十四孝「乳姑不怠」 (Singapore 虎豹別墅)

2005-08-02 | Tiger Balm Gardens
タイガーバームガーデンに関する記事更新を怠っていて、九分の城隍廟に絡めた「謝将軍・范将軍」のアップから半年近くが経ってしまいました。

昨日、莫言の小説の一節から、中国人の「孝」の精神について触れましたが、タイガーバームガーデンにも「孝」に関わる逸話を再現した像がいくつかあります。今回は、そのうちの一つをご紹介します。

昨年、シンガポールを訪問した際には、この像のある園内東側のエリアが閉鎖されていて写真が撮れませんでした。仕方がないのでタイガーバームガーデンがテーマパーク「ハウパー・ヴィラ」と呼ばれていた頃に撮った写真を発掘。こんな感じ。


胸をはだけて片方の乳房に手を添えた女性の前に、なぜか白髪の老人の頭が。

なにやら淫らな情景のようですが、イマイチ細部がわかりにくいので、側面から撮った写真を拾ってきました。こんな感じ。


やはり老人吸っています。

これを見て、日本人の多くは「嫁と舅のいけない関係の図」などと誤解するようですが、百年前の日本人なら、すべてを理解したのではないかと思います。

この場面は「二十四孝」の中にある「唐夫人」の逸話を再現したものなのです。「二十四孝」とは、元代の郭居敬という人が、家庭教育、児童教育を目的として、24人の孝行者の物語を書物としてまとめたものです。江戸時代の日本でも、寺子屋の教科書として使われ、寺の欄干などにも逸話の場面を表した彫像が残されています。

「唐夫人」の話は、正確には「乳姑不怠」という題、よく見ると像の前にも「唐氏乳姑不怠」と書かれています。つまり「姑(しゅうとめ)に乳やりて怠らず」なので、老人は父(舅)ではなく母(姑)だったわけです。高齢の母親の歯がすべて抜けてしまったため、孝行者の夫人が自分の乳を姑に飲ませた。というお話なのです。おかげで母親は穀物を食べずに数年間を健康に暮らしました。母親が病に倒れたとき、集まった一族の前で、これまでの夫人の恩に報いるべく「願えることなら孫子の代まで夫人のようにして欲しい」と話したといいます。

どうやら下の絵がポピュラーなようです。やはりこういうのは、立体にするより絵にした方が上品ですよね。



唐朝崔南山之曾祖母,長孫太夫人,因年齡高大,牙齒脱落,無法咬食,崔南山之祖母唐夫人,毎晨梳洗後即走進堂上,以自己之乳餵鉰她估長孫太夫人。其姑雖數年不進粒食,仍能健康,實端唐夫人。有一日長孫太夫人患病,全家長幼齊集病榻前時,向子孫宣稱:「無以報答媳婦之恩惠,但願子孫的媳婦,亦能如此對賢媳孝敬,即於願足矣」。

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