夕暮どき、どこかの地方都市の大通りで、阪神タイガースの選手がパレードをしています。選手は一人ずつ距離をおき、何列かになって、黙々と歩いています。私は黒い大きなヘアドライヤーを手にして、沿道から選手に向けて熱風をあてています。なぜなのか判りませんが、そうすることで、選手が足を停めて胴上げでもするのではないかと確信しています。ところが手元に電源がないので、沿道の店に頼んでコンセントを借りなければならず、選手に追いついていくのが精一杯の状態で、汗びっしょりになっています。道は少しずつ坂道になっていき、坂の上にある町工場の前には、犬の顔をした男が立っていて、こちらを見ています。