2日前(4月30日)、起きてすぐにブログを書いた。
前日の、鳩行方不明の件。
そして早めに家を出て、仕事前にもう一度探してみようと
ほぼ絶望的な気持ちで職場に向かった。
早朝の通りは
前日の喧騒とは違って、朝帰りの人たちが数名歩いているくらいだった。
そして
前日の足取りを思い起こして、ゆっくりと辿る。
四つ角を曲がって駐車場に
野良猫が2匹いた。
「おまえたち、襲っていないだろうな。」と心の中で問いかける。
野良猫がウロウロするなら
飛べない鳩はひとたまりも無い。
もう、いるはずがない、とほぼ気持ちが固まっていた。
そして
その四つ角を曲がって戻ろうとしたとき
ふと後ろを振り返ると
角の店の前の大きな柱の陰に
黒い(四角く見えた)固まりに気づく。
遠目では、ブロックのように見えた。
一応確認しようと近づくと
鳩に見えた。
いた!
あの小鳩だ!
絶対そうだ!
確認!
そこで待っていて!
私は今、何も保護するものを持っていない。
すぐに
職場に駆けつけて
チーフに挨拶をするや否や
「鳩がいた!ダンボール、ダンボール!」と言って
その辺にあったダンボールを持って
また現場に行った。
今度こそ保護する!
生きていたんだ、
襲われないでいたんだ(野良猫たちとは10メートルほどの距離)、
そんな思いで
捕まえる。
飛べないことが幸いして、すぐに捕獲できた。
浅いダンボールだったので、その上を私の上着で覆いかぶせた。
職場の裏の煙草休憩のところに持って行き
深いダンボールに入れ替えて、新聞紙等用意して、空気穴を作り
ともかく仕事が終わるまでそこにいてもらうことにした。
が、チーフは
まだ私の出勤時刻ではないということで
そのまま、家に持ち帰りな、と言ってくれた。
雨がポツポツと降ってきたし、風も強くなってきた。
「ありがとう!」と言って
すぐに私は自転車の籠にダンボールを載せて上着をかけて
家路を急ぐ。
夫や姑に
何も話していないので
驚いていた。
とりあえずは
サンルーム(ここは猫を保護したときに、他の猫たちと接触をさせないで
一時滞在するところ。現在は、姑とダイジローが日向ぼっこをするところ)に
置いて
餌をやる。
丸一日、親鳩からの給餌がない。
その後
すぐに職場に向かう。
あの場所。
私たちの職場がある所(鳩の巣の向かい)から
小さな車通りを隔てたブロックの角である。
前の日に
私はその辺りも探してみた。
何しろ
その四つ角の真上には
親鳩が2羽揃っていたので
その目線の先(とは言っても、広い範囲だからわからないが)に
いるのかもしれない、と思っていたが、
このとおり、休日のメインストリートは、買い物客でごった返す。
それに店先には様々な商品のカートが並んでいて
人々の足先がたくさんあって
見えるはずがない。
早朝のそこはカートもなくて、シャッターも閉まっていて
すっきりとしていた。
ある意味、早朝にみつけることのほうが正解だったのかもしれない。
自分の気持ちとして
ほぼ絶望的ではあっても
空しさがあっても
「現場百回」の気持ちで探したことが功を奏した。
何よりも
無事でいてくれたことに、鳩の「生き延びられる」運命を感じた。
何百人、何千人の足を見ながら、
何百人、何千人の声を聞きながら
商店街の喧騒を聞きながら
小鳩は怯えてそこで過ごしたのだろうか、
そんなことを考えると、可哀相でならなかった。
仕事をしている間
いつも、窓からあの小鳩が見えていた。
今日は見えない。
なぜなら、うちにいるから、と。
そして
親が2羽やってくる。
いつもより滞在が長い。
ずっと巣のところにいたり、アーケードの飾り看板の上にいたりして
おそらく
目線は自分の子の姿を探しているのだろう。
それを思うと
心が痛んだ。
親と引き離した私。
だが。
親よ、
今その巣の下に
小鳩を戻したとしても(巣に戻すとなれば、消防車の梯子が必要かも)
君たちに何ができよう。
小鳩はまだ飛べない。
まだ
頭には、雛時代の黄色い産毛が残っている。
君たちが
小鳩の羽根を双方でくわえて、巣に戻すことができるなら
そうしてやりたい。
でもそれはできないだろう。
君たちはただ見守るだけしかできない。
仕事を終えて
鳩の餌を買ってくる。
それをすり鉢ですりつぶそうと思ったが挫折。
口をギュッと開けて
お湯で浸したパンと卵の黄身を混ぜたものを入れる。
パクパクと食べることはできるが
恐怖で拒否することのほうが多い。
ピーピーと鳴いて、逃げていく。
ペットボトルにお湯を入れてタオルで巻き
それを巣にしてもらう。
5月1日(昨日)早朝3時、そっと見ると
その上で座って寝ていた。
私の出勤が早いので
4時ごろに給餌。
思った分の半分以下。
ペットボトルのお湯取替え。シーツの取替え。
あまり食べてくれないことの不安。
出勤後
9時半ごろに親2羽揃ってやってくる。
しかし
昨日より滞在短し。
そろそろ、親のほうも気持ちの切り替えか。
今日、5月2日。
私は仕事が休み。
サンルームの中で小鳩の世話。
捕まえようとすると
ピーピー鳴くが、抱きかかえるようにして
頭と喉をなでてやると
非常におとなしい。拒否しない。
動物は、頭や喉をなでると安心するのは共通?
鳥のことは全くわからない私。
私のやる給餌はあまり食べてくれない。
そこで
シートの上(猫用の)に、鳩の餌を置いてみる。
あとはサッシ(二重)を閉めて放置。
しばらくして
そっと見てみると
作った寝床から出てきて
自分の身体の毛づくろいのようなことをしたり
なんと
餌をついばむ行為。
ついばむだけか、と注視していると
ちゃんと食べてくれている。
ああ、よかった。
これから放鳥するときに、自分で餌を食べられるかどうかが
心配だったし
栄養バランスを考えたら、これらが一番いいかもしれない。
そして写真を撮ろうとサンルームの中に入ったら
写真のとおり
奥に引っ込んでいった。
これからの課題は
自分で飛ぶ練習。
このサンルームで練習してね。
名前は
pちゃんです。
ピーピー鳴くから、じゃなくて
山PのPちゃんです。
ペットボトル暖房の上にいるPちゃん。