その時になんと、4人の教師も、その色紙に「追悼の言葉」を寄せ書きしていたという信じがたい事件でした。その4人は今どうなったのでしょうか。ご存知の方いらっしゃいますか。
今回の事件も、私にとってショッキングだったのは、自殺そのもの以上に、教師が主導していたことと、校長らの、なんとしても“いじめによる自殺” ということを否定したいという、あの対応振りです。
滝川市の女の子の自殺事件も同じですね。あの遺書は、どこからどう読んでも、いじめによる自殺ですが、教育委員会はどうしてもそれを認めたくないという態度です。
ここ数年、いじめによる自殺はゼロだと文部科学省は発表していて、それに沿った処理をしたいという教育委員会や学校の意向が透けて見えます。いったい彼らはどちらを向いて教育を考えているのでしょうか。
また昨年でしょうか、公立小中学校の校長先生の年金が、官僚のトップである国の事務次官よりも高いという報道が話題になりました。
ただでさえ、優秀な人材を確保するという名目で、教員の給与は他の公務員より高く設定されていますが、何万人もいる、一校長先生が、数十人しかいない国全体を背負うエリート中のエリートである次官以上の年金というのはどうなのかという声が上がりました。
はたから見れば、学校の先生は組合を作って、権力者に対抗するどころか、すでに自らが特権階級のようです。『学校が自由になる日』の中で、千葉県では教職員の6割近くがすでに世襲のような2世教師ばかりだと指摘がありました。つまり教師という身分が、既得権益化しているという意見です。
確かに、今回の自殺のあとの対応振りは、テレビを見ている限り、教育委員会や校長は、反省し、死を悼むどころか、自分たちの組織のメンツやしくみを維持したいとした行動であると映りました。
世間一般の常識から、かなり浮き上がってしまった、特権階級特有の振る舞い、官僚の国会答弁のようでした。許せない。
さて、本書で扱っているのも、いじめ問題です。表題作の『ナイフ』では、自分の子どもを守る、いじめた連中に報復しようと、父親がナイフをしのばせているところから、このタイトルが付いています。
それを、はじめとして、いじめを題材にした短編集ですが、大人から見たいじめの世界と、子供たちから見た世界のギャップが、描かれています。読んでいますと、いじめる生徒に対して、憤りを、そして現実社会のやるせなさを感じます。
親の立場、子の立場それぞれの思い、感じ方など、とても細やかに描写されており、私も塾講師として、毎日子どもに接しておりますし、それなりの“良くない情報”も集まりますが、正直、私の知らない世界を垣間見た気がしました。
ただ、いじめの問題自体を扱うというより、そういう事件を通じて、家族のあり方、親子関係などを題材にした一冊です。正直読んでいて、えげつないなという場面もありますし、解決策が見つかるわけでもありません。もう少し先生も登場させて欲しかったですね。
確かに、いじめは犯罪であり、卑劣で唾棄すべき行為ですが、なくそうというのは非常に難しいでしょう。本書に解決策が描かれないのもうなずけます。いじめをゼロにするなどというから、隠そうとするやからが出てきます。
それよりも、問題が起こっている場合に、学校や教育委員会が隠すことができないしくみを作ること、今回のようなひどい教員を早く見つけ出す制度を作ることが大切だと思います。
P.S. 今日は事件の衝撃が大きく、書評というより、コラムのようになってしまいました。すいません。中学受験にもよく出題される作家ですので、ぜひお読み下さい。
http://tokkun.net/jump.htm
『ナイフ』 重松清
新潮社:403P:620円
ナイフ 新潮社 詳細 |
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もし、そうだとしたら、VIVAさんの言う学校や教育委員会の態度と関係するんでしょうか?
思い違いであることを願いますが。
本というものは非常に不思議な魔力が潜んでいるので、この本を読んでいいのか、悪いのか・・・。
決心がついたら読んで感想を書きにきます!
が、たぶん読まないです・・・。
コメントすることはないと思ったのですが、同じような思いの人がもし読んでコメントしてたら少し勇気を分けてくれそうな気がしたので^^;;。
すみません、なんか意味ないコメントで^^;;。
まして自殺者が出れば公表したくもないでしょう。責任追及されますし、私立では学校経営が立ち行かなくなるおそれだってあります。私立ならそこが潰れてしまってもかわりはいくらでもありますし、責任逃れなどしていたら、愛想をつかされます。
でも公立は何と言っても税金で運営していますし、数が圧倒的に多いですからね。そちらがしっかりしてもらわないとと思うわけです。
でもいじめられた時は、取るに足らないことであっても、(死にたいまでいかずとも)少なくとも学校からは消えたくなりますよね。
なくなるきっかけはどちらも第三者、先生だったり、親だったり、先輩だったりですね。自分からは、親にも友達にも言い出せない、そこが苦しいんですよね。先生が力になるどころか、それへ加担したとすれば、そりゃ死にたくなるでしょうね。
コメント下さりありがとうございます、風邪を引き、一週間くらい休んでました、ブログは今まで自分が持っていた資料を集めながらやっとの思いで書いたものばかりで案の定、ランクが下がってしまいました、世の中はうまくいかないですね(苦笑)
創価学会の記事からおかしくなったのかなぁ、例の「罰があたった」かもしれない(爆笑)
これからもよろしくお願いいたします。
もうお元気になられたのですね!これからもよろしくお願いします。
最後のジョークが出るようになれば、OKですね(笑)。
ビタミンFがお薦めなんですね。
それ以来、いじめはピタッとなくなりました。
今回の事件、この教師は最低で問題外です。しかし、自殺した前日に トイレで下半身を寄ってたかって出そうとしたいじめをしていた生徒もいます。その生徒・保護者はどうなっているのでしょうか?教師・学校・教育委員会のみの追及だけで終わっている一辺倒のマスコミに疑問をもちます。