21世紀の徒然草

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第95回「21世紀の徒然草」

2009年09月09日 | Weblog
人生の先導者の風貌:何のために生きるのか

 出版社のインタビューで吉田富三記念館を訪れ、内田館長と吉田富三(1903-1973)について対談した。「吉田富三の言葉」は何時も新鮮な学びである。先日はwifeと久しぶりに映画「ハチ」を観に行った。秋田犬「ハチ」の日々の繰り返しの生活パターンとその中にある忠実な生涯には感動した。「何のために生きるのか」の学びの時であった。

 日本家族性腫瘍学会の第12回家族性腫瘍カウンセラー養成セミナー(癌研有明病院;吉田富三記念講堂)で「がん相談の現状と課題」のテーマで討論に参画した。医療について「相談」vs「情報提供」va「支援」の違いをきちっと整理する必要性を痛感した。第24回発癌病理研究会の特別講演「癌研究について、落ち着いて考える」で能登半島を訪れた。「静思」の時であった。
  
 医学部の学生との定例読書会「がん哲学勉強会」では、「私伝・吉田富三 癌細胞はこう語った」(吉田直哉;文藝春秋刊)の第1章を無事終えた。切磋琢磨の時である。浅草の浅草三業会館(浅草見番)での講演会は先月の続きで、今回は「日本中に広がる“がん哲学外来”」であった。第16回山梨癌治療セミナー(甲府)では「がん哲学&がん哲学外来」—時代は何を求めているかー」で特別講演の機会が与えられた。その時々の人との新たなる「出会い」は有り難いものである。

 信州佐久でNPO法人がん哲学外来研修会&交流会「がん哲学外来研修とジョイフライト」が開催され、Wifeと参加した。会場は、温泉利用型健康増進施設の洞原湖温泉「クアハウス佐久」であった。大変ゆったりとした雰囲気で「落ち着いてがん医療」を考えるには相応しいところで、経営者の気概には大いに感動した。「人生の先導者の風貌」の大いなる学びの時でもあった。

 「今回のイベントの意義の大きさに今頃になって怖れおののいてます。「僕は本当に樋野先生の本から、現場で行き詰まっていることにとてもヒントを得ることができてとても感謝しているんです」とおっしゃいました。がん哲学外来はまさにお医者さんたちへの先生からの熱いメッセージです。佐久で、一人の若い医師にしっかり受け継がれていくと思います。 これから、佐久のメディカルタウン構想には樋野哲学が導入されていきますよね。偉大な御計画の中に生かされていたのだと改めて感じています。感無量です。今日来たおばあちゃん(86歳)が講演会の感動を他のおばあちゃんたちに語っていました。これから生き方が変わるって・・・。胸が一杯です。」との愛情溢れるメールを主催者から頂いた。大いなる励ましである。今年の夏も終わった。

 今年の「一夏の経験」は、忘れ得ぬ、「人生の目的への静思」でもあった。