白い歯が嫌い
効果線発しているようで嫌い
声が大きいんだろ
顔がしわで歪むんだろ
百メートル先からでも
笑ってんだろ
虫歯は見せない
銀歯も見せない
犬歯も見せない
その面の中心
歯列
便器みたいなもん
便器砕いて差してんだろ
ナントカ素
ナントカ酸
ドルの匂いしかしねえ
白い歯
白い歯が嫌い
効果線発しているようで嫌い
声が大きいんだろ
顔がしわで歪むんだろ
百メートル先からでも
笑ってんだろ
虫歯は見せない
銀歯も見せない
犬歯も見せない
その面の中心
歯列
便器みたいなもん
便器砕いて差してんだろ
ナントカ素
ナントカ酸
ドルの匂いしかしねえ
白い歯
マンボウが飛んでいる
三半規管の中
ゆく ゆく
眠っているのか
驚いているのか
ゆく ゆく
上からも 下からも
光がくる
だからひっくり返る
マンボウの体は広い
海馬 腎臓
くすり指 半月板
あー
誰か呑み込まれた
あー
あしのちぎれた蜂から
物語は始まる
あしはもともと六本あったはずが
今では二本だ
一対の大きな手
拍手をする 喜ぶ手
胴体は相変わらず
黒くてつややかで
元気そのもの
あしをもって蜂というのだろうか
とぶのが蜂ではないか
巣を持っていっちょう前の蜂か
二本足では、どう?
蜂の魂は泳いでいる
雷鳴と蝉時雨
夏を見届けに
昼も夜も忙しい
ぼくは十七歳
ぼくは十四歳
わたし、八歳
いろんな人がいるね。
あの人は十二歳
いっぱい悲しくて
そのぶんいっぱい楽しいんだって
友だちのにおいや
歩く音
ずっと宝物なんだって
みんなさみしいね
出会えてうれしいね
さみしい人が
いろんな人に出会うんだよ
心をぎゅっと
抱いてほしいんだね
斜め後ろからそっと
見守ってくれてありがとう
ワゴン押すの
手伝ってくれてありがとう
夢から醒めても
歌ってくれてありがとう
キャベツの千切りを床に落としたとこ
ティッシュ傍にあってありがとう
台風のせいか
私は左回りで進行
すべてに感謝する
これまで出会った人 ありがとう
これから出会う人 ありがとう
今年初の台風が
私の部屋にもやってきた