飽食山河

詩を書いています。感想、コメント歓迎です。

とりもどす

2016-11-29 17:00:05 | 2016.10

ことばのかたちが

なんだかちがうように感じる

東京の交差点に

ほうりこまれたり

またそこからひきずり出されたり

いっぱいの足あとが体をベチャベチャと

うう

私はしゃべれなくなる

 

真ん中だ 真ん中

あたまのちょうどマグマのところ

手の平でそうっとなでる

これは宝物だ

失ってはいけない

つよくする

なでてちょっとずつかたちをつくる

 

ああ

やっぱりこれだ

さっかくではない

とうとい

私はだいじにする

一生 ほんものとする

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畳の部屋

2016-11-26 19:00:53 | 2016.08

本に

一片のい草がはさまっていた

えんぴつの書きこみより

ずっと濃く

それはにおった

 

腹這いで

埃だけを勉学の朋にし

なめまくった頁

 

私は五百円玉が嫌いだ

それが私のほんとうの現実だったから

 

たまに自転車で三駅走り

亀を見に行く

転んだり溺れたりするやつがいないか

眺めていた

 

日が沈むのを背に

部屋へ帰ると

あらゆる物が

私を苦しめた

打ちのめされると涙も出ないんだ

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終わりの日 3

2016-11-23 17:52:15 | 2016.10

きれいなジャージに着替えて

雨に洗われた露地を行く

電話に出なかったのは

気付かなかっただけ

そんな言い訳も上手く伝えられない

 

少しくたびれたサンダルで

商店街を抜け郵便局へ行く

誠意はこれ限りだ

手続きをとる

郵便局員はとても愛想が良い

 

そして

コンビニの棚の間をさまよって

いつものカップラーメンを買う

四百六十七円ちょうどを散らかし

レシート一枚持って帰る

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2016-11-20 17:11:59 | 2016.10

命令下す

君は負けだ

早くおりてこい

もう一度言う

われわれの勝ちである

君には投降しか

ないのだ

 

無線聞かそう

発見したかい

わかったろう

そう

そういうことだ

ならばいさぎよく

示しなさい

 

わかっているね

誰にも言わないね

たとえ身内にも

だまっていないと

どうなるか

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格子

2016-11-18 16:53:06 | 2016.08

外を見ているつもりが

私は網戸の格子を見つめているのだった

格子の一ミリの隙間の

いくつもの平面を見ていたのだ

あまりに自然すぎて

ここがどこかわからなかったよ

電車に乗り

隣の車両をぼんやり眺めて

そこに自分がいないと気付くときの

 

帰る場所を失ったあの感じ

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きみにふれたい

2016-11-17 16:56:30 | 2016.10

細いつながりを見た気がした

まちがいだったら

そうだったらすまない

しかしきみの足首の白い

靴下の

なによりそれがそうだろう

連絡をくれないか

きみと分かち合いたいことがある

きみは額縁から出てきてほしい

帽子を被ったままでいいから

来て

きみにふれたい

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蜘蛛糸

2016-11-14 16:55:15 | 2016.09

流麗を盗まんと芥川

衣服を剝ぎ

生木のはぜる音のみで

承知す

 

幾何学的なそれ

世知たぐり

我も亦要に貧す

水をくれ

 

限界の適切さ

忍び耐え放埓

知らぬ間に袖ふたつとも

三つともなし

 

再審なきこの世

蜘蛛糸吐かず神知れず

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小犬とポスト

2016-11-12 16:52:42 | 2016.10

ワタシも辛くて困るのです

どうかこの小犬らに雨宿りをさせようと

通行人に訴えますが誰も振り返りません

思うにポストであるワタシは

日常紙ばかり食べていますゆえ

声を出す腑がしっかり育っていないのでしょう

 

雨は強く降ります

小犬らはきゃんきゃん吠え続けます

ワタシは傘もさしませんから

動物を助けてやる能力を持っていないのです

電信柱と対になって風景をつくる

たったそれだけの役割を負っているのです

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黒の商売

2016-11-10 17:39:41 | 2016.10

買いませんか

今 開きたての覗き穴

ご自身で

好きなように広げていただけます

色は

黒を中心に何種類もございます

あなたの心を

きっととりこにするでしょう

 

次の方

いかがですか

あなたのお好きなものと存知ます

特別に

針穴をご用意しております

あなたのポケットには

釘が入っているのではないですか

私の戯言失礼

お気になさらぬよう

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地獄

2016-11-07 16:47:50 | 2016.10

地獄の沼に足入れて

ぐわんぐわんかき回したる

針の山の針ぬいて

うまいうまいと食うてやる

鬼どもは全員

ぴんぴんぴんはじきとばす

えんま大王でてこい

ひるねしてんとでてこい

誰のせいか

お前知ってるなら言うてみろ

サボりくさって

まったく

どこ見てたんじゃ

地獄こわしたるぞ

こんな地獄つぶしたる

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