飽食山河

詩を書いています。感想、コメント歓迎です。

マシマロ

2017-10-27 12:41:11 | 2017.09

そういえばマシマロだったんだ

ともに熱しともに唱え

深い眠りと浅い眠りを

つなぎ なめらかに

いくらか 人工的に

甘くするマシマロ

 

夢見ていたかい

がっかりしたろう

絵の具はすっかり使ってしまった

脚立に座りひび割れた指で

鳴らす木の音 風の国

貼り付けた紙 取れなくなってしまった

 

先祖が遺した触知覚

それがマシマロだったんだ

誰かが近所で歌ってるとき

夏のかなしみを引き摺ってる庭

末っ子による中間子理論

唱え熱したのがマシマロだったんだ


騒音

2017-10-22 14:39:45 | 2017.09

見せかけの平等の

スポットあること気付かず甚だしく

白い森から黒い森へ

一匹駆け抜けて行く不自由な話題

雌と雄で宿したものを

メスと鉗子で取り除き

固有名詞を塗り固め

お伽話の勇者にしてしまおう

 

今宵か今朝かの区別を排し

原始的な枝が顔を造る

花と呼ぶ

五人一組番号順をパターンとし

二十三のお手々繋いだメダカ見学を推奨

みごと難関校に合格

だからワタシは中心なのだ

誰も信じぬお化けなのだ

 

色板の間に温もりの素材を充てて

弧ばかりから成る伝統様式を復活させよう

東条湖がどこにあるかは揺れたまま

紙袋いくつも盗んでは吐き

ブランコ頭にぶつけては泣き

あっちからこっちから不審が来る

自転車を攫いに自動車が来る

中心の周囲に騒音が集う


月と詩

2017-10-16 16:30:47 | 2017.09

絵が描きたいの、我慢して文字を書く

文字は音になるからね

あの子に読んでもらえるからね

 

だけど手が動くの

鉛筆持ってても動くの

 

私の音は文字にならず

文字は音にならず

絵なんだ

 

活版

PC

どちらも相性悪いんだ

 

チラシの白いとこに踊る人

足がいっぱい

頭も伸びて

描くのはいつも未来人

 

それらは音になりますよ

特価購入扇風機のかすれた声

そこに遠くの列車の轟音

猫が小枝を踏むリズム

 

夜 お月様が空に昇り

やっとのことで文字になる


乙女座の夜

2017-10-11 12:29:14 | 2017.09

やめたほうがいいかな

  あぶないよ。

  きみは忘れるのが苦手だからね。

さう思ふかい

  さう思ふよ。

なんて、口真似してみるのさ

私は初めから一人だもの

駅前で待つ一人の犬

言葉が喋られないの

  ワン

犬だから

  ワン ワン

犬と話してもしょうがあるめえ

  しょうが

しょうがと話してもおならしか出ねえ

  ブー

  プー

  フー

  スー

恥じらいが無いのだね

  ハイ

それは良いことですよ

一生磨き込んで大切になさい

決して誰にも触らせてはいけないよ

  しょうが

なんだと

  しょうが

この野郎

  しょうがあるめえ

この愚図

  しょうがあるめえ

しょうが野郎

  しょうがあるめえ


愛に見える

2017-10-06 09:18:16 | 2017.09

愛に見えるけど

私には

言葉があるのは

愛に見える

 

ここから先は

 

 

愛と呼んではだめ

私にはそう見えるけど

愛に見えるけど

ここから先は

 

皮膚は脆い

水でいっぱいだ

いろんな痕でいっぱいだ

触ってもいいかな

 

 

おとなは禁

 

こどもは可?不可?

 

愛に見えるけど

私には言葉は愛だけど

私は〈おとな〉

私は〈こども〉

 

そこから先は

 

都市の力

 


ソース

2017-10-01 09:57:17 | 2017.09

たんぱく質と脂質が

抗酸化作用を駆使しつつ

日本人向けのまろやかな酸味に加え

絵の具のような食感。

 

パチパチパチパチ

次 どうぞ

 

夢にぼうやが出てきたの

おかあさんがいないんだって

裁判所で宣告されたから

もう天使になるしかないって。

 

パチパチパチパチ

施しましょう 恵み ふさわしい姿を子に

 

仕事だって言うから

好きな味をつくれるから私は嬉しい

少し入れる――足りない

もう少し入れる――やはり足りない

味を足す

足す足す足す

甘さも少し足してみる

仕上げはラップで遮断。