飽食山河

詩を書いています。感想、コメント歓迎です。

畳の部屋

2016-11-26 19:00:53 | 2016.08

本に

一片のい草がはさまっていた

えんぴつの書きこみより

ずっと濃く

それはにおった

 

腹這いで

埃だけを勉学の朋にし

なめまくった頁

 

私は五百円玉が嫌いだ

それが私のほんとうの現実だったから

 

たまに自転車で三駅走り

亀を見に行く

転んだり溺れたりするやつがいないか

眺めていた

 

日が沈むのを背に

部屋へ帰ると

あらゆる物が

私を苦しめた

打ちのめされると涙も出ないんだ

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格子

2016-11-18 16:53:06 | 2016.08

外を見ているつもりが

私は網戸の格子を見つめているのだった

格子の一ミリの隙間の

いくつもの平面を見ていたのだ

あまりに自然すぎて

ここがどこかわからなかったよ

電車に乗り

隣の車両をぼんやり眺めて

そこに自分がいないと気付くときの

 

帰る場所を失ったあの感じ

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対話(部屋と庭)

2016-09-23 17:29:50 | 2016.08

水やりしてダメにしてしまった

とり返しのつかないことをしてしまった

戻れない

 

それは困った

私のグレープフルーツをひとつ

差し上げましょう

 

風を予測できなかった

いや、知りながらも行動を怠った

申し訳ない

 

それは残念だ

電話の調子が悪くて

このごろいけないね

 

空の鉢がこんなに溜ってしまった

置き場所は人間も侵してくる

共存できない

 

それは真理だ

ところであなたのおかげで私のシーツは

こんなにも心地良い

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でかいヒマワリ

2016-09-22 14:19:10 | 2016.08

人の顔よりもでかい顔した

ヒマワリ

人の背よりも高く伸びした

ヒマワリ

 

スーパーの店員は

臆病なわたしに

加減してくれる

 

魚も野菜も

図々しく売らない

 

2割引きシールを貼ってくれる

 

段ボールに何でも入れる

 

自動ドアのところに年中

でかいヒマワリ

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終わりの日

2016-09-20 16:44:12 | 2016.08

終わりの日が来る

牛丼食べてるうちに来る

カカトむしってるうちに来る

久しぶりに誰か

祝ってくれないか

 

終わりの日

埃ぬぐってみたりする

前髪ピンで留めたりする

風吹いてくれ

天気の変わり目の生ぬるいやつ

 

終わりの日が

来るのわかって座布団の上

爪切りがない ない

ガス代の伝票も足りない

八畳一間

 

終わりの日を

数えてるからこんなにつまらないことしか書けないのだろう

小学一年生のときからずっと言われてたのに計画を立てなさいと

すぐあきるあきらめるあっけらかんとあくたいつく

そうやってりゃ絶対終わらないからな

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2016-09-17 14:54:31 | 2016.08

赤い丘を

私は息とめて駆け下りた

靴の薄いゴム底が

私に生きる痛みを伝える

宙空は

私の背中を押した

目を開き

私は私のスピードを手に入れた

 

大地を崩し

風を止め

森を背負い

私は駆け下りた

 

熱だ

熱が駆け下りた

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ネジ

2016-09-16 15:13:01 | 2016.08

自然が出典だなんて嘘だ

ネジだよ

こことあそこはネジでつながっている

現世と来世もだよ

仏壇には線香じゃなく

ドライバーを挿すべきだし

墓石はオイルを塗り込んで

滑りよくしておかなきゃ

 

周りを見てみろよ

自然なんてないだろ

ご神木も裂けた部分にタールを注がれ

ネジで固定されている

動かぬ証左

 

流れる雲は

無視し給へ

東南西北

気にするな

お前の遺したスケッチに

いくつものネジを見つけて嬉しかった

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年めくりカレンダー

2016-09-13 13:28:07 | 2016.08

年めくりカレンダー五月

 

おんなじ

 

おんなじ

 

まえのとおり

 

いっしょ

 

またいっしょ

 

かわらず

 

お・な・じ

 

正常に異常あり

 

かかんでもわかるやろおなじ

 

めくりすぎー

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四季

2016-09-10 18:20:47 | 2016.08

春はセメント色

湿度とペーハー

やれ物思いの

 

夏は朽ち葉色

めまいと難聴

混合疾患こそ

 

秋は漆黒

仕度と旅立ち

踏み潰す木の実や

 

冬はアルコール色

燃やし焼かれつ

人の脆し

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私の夢

2016-09-08 15:38:48 | 2016.08

勉強するのが嫌なので

教師になろうと思う

人の嫌がることを人に強いたいと思う

人にえんぴつ持たせといて

自分はしゃぼん玉吹いてたい

虹色を眺めてうっとりしていたい

早く飲みに行きたい

隣の客としゃべりたい

立派な名刺は作っといて

いつでも配れるようにしたいと思う

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