飽食山河

詩を書いています。感想、コメント歓迎です。

畳の部屋

2016-11-26 19:00:53 | 2016.08

本に

一片のい草がはさまっていた

えんぴつの書きこみより

ずっと濃く

それはにおった

 

腹這いで

埃だけを勉学の朋にし

なめまくった頁

 

私は五百円玉が嫌いだ

それが私のほんとうの現実だったから

 

たまに自転車で三駅走り

亀を見に行く

転んだり溺れたりするやつがいないか

眺めていた

 

日が沈むのを背に

部屋へ帰ると

あらゆる物が

私を苦しめた

打ちのめされると涙も出ないんだ