本に
一片のい草がはさまっていた
えんぴつの書きこみより
ずっと濃く
それはにおった
腹這いで
埃だけを勉学の朋にし
なめまくった頁
私は五百円玉が嫌いだ
それが私のほんとうの現実だったから
たまに自転車で三駅走り
亀を見に行く
転んだり溺れたりするやつがいないか
眺めていた
日が沈むのを背に
部屋へ帰ると
あらゆる物が
私を苦しめた
打ちのめされると涙も出ないんだ
本に
一片のい草がはさまっていた
えんぴつの書きこみより
ずっと濃く
それはにおった
腹這いで
埃だけを勉学の朋にし
なめまくった頁
私は五百円玉が嫌いだ
それが私のほんとうの現実だったから
たまに自転車で三駅走り
亀を見に行く
転んだり溺れたりするやつがいないか
眺めていた
日が沈むのを背に
部屋へ帰ると
あらゆる物が
私を苦しめた
打ちのめされると涙も出ないんだ