文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

microsoft社が引き起こす異体字問題(3) ミステークです

2007-01-06 17:22:36 | 組版プロの思考からXMLを考える
 どうも最大の問題は、microsoft社でさえも、日本語とはなんぞや?への理解に大きな、おちこぼれがが生じてしまったことにあると考えられます。
 デファクトスタンダードを指向するmicrosoft社の立場を十分理解していても、最低限、はじめに守らなければならないルールが日本語処理にはついて回ります。
  

6 漢字とは母国語は中国です。表意文字として、文字の形で何を伝えたいかが分かる。その使い込まれて標準化した文字が、現在のそれぞれの漢字の文字種です。
 日本語はひらがな、カタカナ、そして少しの記号等しかありません。全部でunicodeへの登録文字ですら400文字以下と聞いています。
 日本語は漢字は本来は表意文字です。しかし日本語にはひらがな、カタカナという明らかな表音文字があります。また無数に産み出される記号文字(携帯用の文字など)もあります。つまり日本語は表音文字と表意文字を混在して使い、かつ漢字も表音文字として、記号混じりで使える希有な言語。まさに多言語化に対応出来る世界的な意味あいでのコンバート言語だとも言えます。
 でも、日本では漢字は中国からの借り物です。漢字への深い思い入れはありません。日本語では漢字は宛字であり、デザインという意識が強いですから、人名など勝手に作り直して、従って同音異語が多数出来た分けです。特に人名のごとくでは、渡邉の邊の例のごとく邉-正字×1、辺ー略字×1では、登記上でも都道府県地名でも、適応出来ない文字が30文字もあり、あわせて32文字が必要となります。
 異体字とは、それなりの確固たる日本語文化の大きな要素技術となっています。
 大手出版社K社はじめ、それぞれの出版者ごとに、指定された多数の異体字をいまでも使っています。K社だけでも大体400文字程度に届くと聞いています。

7 再度整理すると、幾つかのミスが重なっていることが分かります。
(1) 原本保存の原則 フオント名称を残して、保存する原則の無視 
 Unicodeでは全世界共通で、漢字であれば日本でも中国でも同じ1文字とする原則です。ただ漢字では正字と略字は認められています。
(2) 同一フオント名で2種類のフオントの存在
 購入時のAフオントと、フオントの内容の異なるBフオントが、市場で混在する恐怖。これは、現業の出版・印刷、行政職レベルでは対処が取れない、収拾のつかない状況を現出します。
 印刷業界では、かってJis78→Jis83での切り替えでとても厳しく困難な壁にぶつかりました。現在でもその後遺症が色濃いです。でもこの時は、コードの判別が出来ました。今回はそれすらありません。
(3) 発表が遅すぎました。
 年度末に。この事態を知らされました。誰も知りません。出版・印刷業界でも殆どです。しかも、Aタイプ、Bタイプのフオント混在の可能性を知ると呆然としています。
(4) 関連周辺業務をサポートしてきたコンバート等のソフトウェア会社でも殆ど気がついていません。

8 今回のmicrosoft社のビスタOSに係わる部分では、もう少し調査が必要ですが
何らかの対応策はあると考えています。
 それらが、実務として現場で動いている印刷や出版の現実上で対応策が取れるまで、ビスタ及びOFFICE2007系統の出荷はすべきでないと考えています。

  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿