巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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人生を笑い飛ばせ

2017-01-10 18:13:10 | 
崩れない、揺るぎない何かを求め
人は人生という道を歩んでいく

安定なんてものは何処にも存在しないのに
変化に怯え、平穏な日常を希求する

人間は自分達が思う程に強くない
昨日まで隣に腰かけていた師が
今日何の前触れもなく天に召された
悲嘆に暮れるより早く、僕達の記憶は薄れ行く

不謹慎かもしれないが
人の生き死になんて
その程度のものなのだ

君は掠れ行く生を繋ぐため
あらゆる努力を惜しまない
それが身を結ばなかったとしても
僕は決して責めやしない

元々、生死は隣り合わせのものなのだ

だから僕はこの人生を笑い飛ばしたい
限りある生の中で汲々と生き永らえるより
誰にも追い付けない超高速で
この世を駆け抜けるのだ

今、天空から柔らかな風が吹いている
幾千の傷付いた魂を乗せて
僕は死の香りを感じながら
来るべき時を穏やかな心で待っている

小さき存在

2017-01-10 00:06:58 | 
世界が揺らぎ
大地が鳴動する

何が真実か解らない世の中で
僕は昏倒し、総てを喪失する

地べたを這いずり回りながら僕は
確かに存在したはずの過去を探し求め
何も見付からない現実に愕然とする

壊れない何かを築きつつも
総ては消え行く運命にあると
僕は内心気付いている

諦観の中で僕の人生は淡々と続いていく
自分のピークはまだ先にあると信じ
手負いの身体をひととき休め
ジャンプするタイミングを計るのだ

人生はかくも複雑で不確実なもの
総ては時の仕業だと
自らの所業を棚に上げ
僕はあらゆる存在を恨み、呪う

僕は再びこの両脚で立ち上がろうと
握り締めた拳で地面を押さえつけるけど
腐り切った身体は言うことを聞かない
ちっぽけな僕を包み込む天を睨め付けながら
僕は己の存在意義を懸命に問い直す