巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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偽作家の赤裸々なリアル

2016-12-25 02:20:10 | 
冷たい一陣の風が通り抜ける
凍てつく寒さに身を縮めながら
人影疎らな歩道橋の上を足早に歩く

今年ももうすぐ終わる
僕は時を転がすように
残された日数を指折り数えて
今年自分に何ができるかを
シミュレーションしてみる

あと何回、君に会えるかな
あと何度、笑顔になれるかな
あと何度、怒り、涙するかな
あと何篇、詩を綴れるかな

僕は心に浮かぶ由無し事を反芻しながら
かけがえの無い一文字一文字を丹念に綴る
僕にとってはこれも仕事のひとつ
魂を削りながら、自分の総てを曝け出す

自由気儘に見えて、決して楽な作業ではない
アウトプットには相応のインプットが必要だ
僕は頭の中を駆け巡る幾多の言葉達を
捕まえては紡ぎ上げようと四苦八苦する

誰に贈るでもない数々の駄文を積み上げては
今日一日の仕事を終えた安堵感に浸るのだ
筆が止まる恐怖に日々脅えながら
僕は何処か高みへ登りつめようと足掻く