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富士フィルム  GFX100sの4億画素作例

2021年10月05日 | カメラ

 業務上の撮影でで5千万画素以上の画素数が必要とされることはほとんどありません。普段私がスタジオで使っているNikon D850(4689万画素  )でもほとんどの場合オーバースペックで、撮影画像をわざわざ数分の一に縮小してお渡しすることもあります。依頼を受けた撮影で5千万画素以上の画像が必要とされるのはほんの一握りの用途に限られます。実際、販売側もこのクラスのカメラの用途を大型屋外パネルの原稿や美術品等のデジタルアーカイブの作成などに主眼を置いています。富士フィルムはもともと写真館向けの需要が多かったからでしょうが、銀塩時代の8x10カメラに匹敵すると解説し百人を超えるような集合写真の用途をうたっています。このカメラでA4サイズの印刷物内に収まる大きさの写真を撮るのは、いわゆる「大根を正宗の名刀で切る」ようなものでしょうか。

 私が携わっている撮影で現在この画素数が必要な仕事は1案件だけですが、その用途は複製版画の製作です。銀塩からデジタルに移行後、サイズによってはこれまでの8x10や4x5のポジフィルムに匹敵する画質を確保できなくなり、なんとかならないかといつも相談を受けていました。しかし1億画素を超えるカメラを準備するにはまだ約500万円以上の出費が必要な時代で、対応は難しい状態でした。「時代」といっても、それはたった1〜2年前までのことです。

 複製画のサイズはまちまちですが大きなものは長辺が1mを越す作品もあり、原寸複製では1億画素でも不足しますので、GFX100sの「ピクセルシフト」によって4億画素の撮影ができるのは大きなメリットです。本格的な撮影はまだこれからですがテストとして数点を撮影したうちの1点を紹介します。(トップの画像/縮小してあります)

 原画の大きさは728x1030mmで、ピクセルシフトで撮影した画像解像度は原画サイズの複製画を製作するのに十分な余裕があります。解像度はそのままで部分トリミングしたものをここ(google drive 約6.8MB)にアップロードしました。

直販をされている<Emerald Forest> では複製画だけではなく、種々の画集や関連作品を以下のサイトで扱っています。よろしかったらご訪問ください。

HIROO ISONO WORKS

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