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COMMERCIAL PHOTO 2019/7へのオマージュ

2019年06月14日 | 撮影機材

 「COMMERCIAL PHOTO」 は玄光社が出版している商業写真家向けの月刊誌です。私は愛読してもう50年近くになります。バブル崩壊、リーマンショック、写真のデジタル化などの荒波を超えて出版を継続してきた本誌にはリスペクトの念を禁じ得ません。一時は動画関連の記事ばかりで商品系の私などは読む記事がほとんどない時代もありましたが、最近はこの雑誌の標題に沿った記事も以前より見受けられる様になってきました。
  7月号の記事に「Still Life Imaging/素晴らしき物撮影の世界」という記事が6頁にわたって掲載されています。”ものどり”は商業写真のいわば根幹なのですがまことに地味な世界で見栄えがせず、一般的には”誰が撮っても大差ない”といった認識のため、記事として取り上げられることはあまりありませんから、この企画は本誌ならではのものでしょう。
 今回は私が長年悩んできたスポットライトに関する記事だったので興味を持って読ませていただきました。数本のガラスボトルを並べてその影を平行に描写するという企画で、影の表現には光源は何が良いかを考察しています。記事の作品に使用されたのはKPIが扱う DEDOLIGHTという製品で、私は初めてその名を知りました。価格は私の所有するFalconEyesの2〜3倍の様です。

 COMMERCIAL PHOTO誌及びこの記事へのオマージュとして、記されたデータになるべく近い条件での撮影を試みました。記事の被写体は香水などの色彩が美しい瓶でしたが私のはあり合わせの普通のコップです。商品の背がやや高いのでライトの高さは記事より高く2.9m 、被写体とライトの距離は影をできるだけ平行に描写するために記事では7mになっていましたが、私のスタジオの大きさからは5mが限界でした。この記事ではライトの光軸を絞って使用していますが通常のレンズスポットは光軸は絞らないほうが影はシャープに出ます。これはDEDOLIGHTが非球面レンズを使用している効用なのかもしれません。私のLEDスポットでは照射角は最大にしています。
 背景は白のマットアクリル板。RAW現像時のレベル補正のみでレタッチはしてありません。距離不足で影がやや広がり気味ですが、FALCON EYS の影の表現力は、まずまずの結果の様です。

          使用機材:FalconEyes1600TDX / Nikon D800E /PC-E Nikkor 85mm f2.8 

 

 

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