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GFX100sのカメラブレ対策

2022年07月20日 | 撮影機材

 GFX100sを入手してから1年以上が経過しました。以前から絵画の撮影でフィルム時代の4x5~8x10に相当する解像度のデータを要望されていましたが、以前は5千万画素を超える機材はPhaseOneやHasselbladなどしかなく、どれも本体のみで500〜700万円ほどのタグがついていてとてもコストに見合うものではありませんでした。GFX100sの登場でようやく「見合う」価格帯に入ってきました。
 今の所GFX100sを業務で使用したのは絵画の複写のみで出番は少ないです。一般的に印刷原稿で5000万画素以上の画素数を要求されることはほとんどなく、私の現在の主力機Nikon D850の4575万画素でも大きすぎるという苦情がたまにあり、仕方がないので1/3か1/4に縮小して納品することもあります。取り回しの良さやアオリレンズが使用可能なことから普段のほとんどの撮影はD850でしています。
 昨年のことになりますが、フィルム時代の8x10に匹敵すべく、4億画素のデータを生成するGFX100sのピクセルシフトでの撮影を行いました。16枚の画像を連続で撮影し、それを基にPCで専用ソフトを使って画像を生成するものです。専用ソフトではピクセルシフトでのテザー撮影も可能で、撮影データにエラーをがあればその場で検出してくれます。カメラをしっかりと固定した上でまずはテストも兼ねて10点ほどの作品を撮影しましたが数点に不良が見つかりました。ワンショットの1億画素のデータに異常はありませんので原因は連続撮影中のカメラブレしか考えられません。不良の画像は全てカメラを縦位置にした時のものでした。普段はNikonD850で使用しているスタジオスタンドに取り付けたベルボン製アングルチェンジャーに装着したのですがどうやら<GFX100s+GF45-100mm > の重量に耐えられなかったようです。

チェンジャー専用のシューアダプターにはカメラの回転どめのピンがついているのですが・・・

 

 結論は雲台の見直しに余儀なく、専用のL型カメラブラケットを装着するとともに結合面が広いアルカスイス型雲台に変更することにしました。

 

これで縦位置で撮影してもデータ不良は出なくなりましたがこの状態ではカメラのポートが塞がれてPCとの連携ができません。


ブラケットを伸ばせばコードを繋ぐことはできますがカメラは不安定になりブレは確実に発生します。

これは困りました。ネットを探し回った結果、これを見つけました。

購入したブラケットと同じメーカー(SmallRig)の製品で日本の個人ユーザーの発案、設計による商品のようです。意外に安価でした。これでようやく目的が達成できました。

専用ブラケットは多くのメーカーが販売していますが値段がピンキリで、選択が難しい商品です。特に縦位置で使う場合には吟味が必要です。

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