あまりにも大きく繁った雪柳だと思っ
て写真に収めたが、帰って調べてみる
と、ピラカンサというバラ科の低木で
あることがわかった。
雪柳と同じ属である。
私は、東北に住んで、雪柳が大好きに
なった。
灰色と白の色あいに長く支配された冬
の季節に、紅一点の色彩を与えてくれ
るのが椿や山茶花である。
それらが、精彩を失っていく中で、梅
よりも早く、レンギョウなどの原色の
花が咲く前に、春を告げてくれるのが
雪柳なのである。
雪白五弁の小米花というまことに小さ
な花が、日に日に枝の先にまで開花す
るさまは、やっと春になると感じさせ
るに十分な演出効果がある。
従って、早春の季語なのだが、ピラカ
ンサを見つけた今は、軽々に使うこと
が出来なくなった。枝先の花は雪柳の
それと寸分も違わない。
人騒がせな花だ。別名トキワサンザシ。
〈卯の花と 白を競うか ピラカンサ〉
放浪子
5月6日〔土〕曇りのち晴れ
何事もなき一日、Uターンラッシュの
皆様にエールを送ります。