ヒコナギサタケウガヤフキアエズ尊
古代史を探訪する時地図は欠かせない。
時代小説を読む時、地図を傍らに置いて
おけば、よりリアルに本の世界に入って
行けるのと同じ理屈である。
それと、今一つの愉しみがある。
著者の主張とは違った発見をする事だ。
今回もまた「あっ!これかな?」と思う
地名が幾つか出て来た。
今回の試みは[古事記]の第1巻神話部を、小説風に書くことによって、太安万侶が
隠した事実を探ろうとしている。
無論、推理と憶測の領域での話だ。
さて王位は無事ヒコナギからイワレビコ
へと継承された。
では、三人の兄はどうしていただろう。
ここで私は、再度系譜を無視してみた。
この時代、縄文社会の名残で婚姻関係は
今から見ると乱れている。
力のある者は一夫多妻であったし、親族
婚も普通でギリシャ神話と同じだった。
私は、三人の兄達の母親は名もない現地
の女性だったと見ている。
ヒコナギが、父ニニギと日向に上陸して
最初に橋頭堡を築いた高千穂峡に居た。
高千穂峡は九州山地から流れる五ケ瀬川
の上流に位置する「ン!五ヶ瀬川⁈」は
てどこかで見た文字である。
ヒコナギはこの川を新妻と行き来した。
高千穂峡の近くに「飯干峠」なるものが
在って、当時の主要道であったようだ。
ここでもまた「あれれ?」と思う。
彼は新妻とこの峠で米の飯を食べた。
筑紫の戦線が拡大するとヒコナギは西都
原に移った、三人目の子が産まれた。
霊峰高千穂の峰は指呼の間にある。
その麓に「三ケ野山」なる丘があった。
「あ〜、やっぱりね」そう納得した。
三人の兄達の名をご紹介しよう。
長兄・五瀬命‥‥五ケ瀬川
次兄・稲飯命‥‥飯干峠
末兄・三毛入野命‥三ケ野山
遠方ならいざ知らず皆生活空間に在る。
父親は天孫のヒコナギ尊である。
なのに諡(贈り名)がぞんざいなのだ。
母に血統が無かったからであろうか?
イワレが居なければ跡取りなのに。
母親は三男を西都原で産んだ後、死んだ
か?海神の娘玉依姫が正妻として迎えら
れたので身を隠したか?豊玉姫の伝説に
なぞらえると後者の可能性が高い。
推理が悲しい物語へ向いてしまったが、
兎も角イワレは王として八女に戻った。
八女ヤマトは西都原を遥かに超えた筑紫
の大国になっていた。
[記紀]には記述の無いこの国は、ヒコナ
ギが建国した国と言ってもいい。
のちに書く幻の[邪馬台国]との 密接な関
係が徐々に明らかになっていく。
記紀以外の[古史古伝]には大和王朝以前
に、幻のウガヤフキアエズ王朝が存在し
たとの伝説がある。
八女ヤマトがそうだと私は思うのだ。
八女の矢部川上流には日向の地名が残っ
ている、そこのダムは日向ダムと言う。
なのに何故にヒコナギの王朝と邪馬台国
は、日本の正史から消えてしまったか?
その原因は[神武東征]にあった。
(…つづく)
10月31日〔水〕曇り
今年の秋も終わりです。
明日からは冬と呼びましょう。
今朝の子雀達はマフラーをしてました。
あと一週間で立冬。
地球の気(エネルギー)が冬至へ向けて
どんどん下がり始めます。
すると魔界から邪鬼が地上に現れて
悪さをするのです。
悪さをしないでと邪鬼に施すのが
ハロウィン、
邪鬼に化けて人間に注意を促すのが
ナマハゲ、
どちらも理由は同じです。
だから邪鬼に化けるのは良い事では
ありません。
邪鬼の気に引っ張られて
不幸なことになりますよ。
ナマハゲ役の人は、
始めと終わりに必ずお祓いを
受けるのだそうです。
お遊びではないのです。
穢れとは「気」が枯れること。
気が枯れると邪鬼が取付きます。
明日は神社にお参りをして
穢れを祓い清めましょう。
〈夕闇や 終の棲家ぞ 神無月〉放浪子
季語・神無月(冬)