水徒然

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天変に影響する要因に係る記載を調べました。(その7:エアロゾルと雲との関係)

2011-12-09 | 日記

'11-12-09投稿、強調
 台風、洪水および地震など天変地異による災害には大気圏の「雲」の質、発生量が影響しています。
 「水」から形成される「雲」は「さまざまな物質」と共存しています。
 「さまざまな物質」とはメタン、CO、オゾンCO2水素水蒸気窒素酸素電離放射線および「エアロゾル」(空気中浮遊している微粒子)として火山灰、黄砂、インフルエンザウィルス、放射性物質などが挙げられます。

 「雲」、「エアロゾル」と異常気象など天変地異に係る記載を今まで断片的かつ個別に調べてきましたが、システム的に理解することが必要であると思っています。

関連投稿:
異常気象など天変地異の要因に係る記載('11-03-26~)
地震(含む津波)予知・予兆/対策に係る記載の整理('11-03-13~)

 今回は雲、エアロゾルの研究に係る記載を調べました。

(転載開始)

気候モデルによるエアロゾル・雲の研究
(東京大学)
(一部割愛しました。)
「大気中のエアロゾル(浮遊粒子状物質)は、太陽光を散乱・吸収したり(エアロゾルの直接効果)、雲の凝結核として働くことで雲の性質を変化させたりすることによって(エアロゾルの間接効果)、気候に複雑な影響を与えることが指摘されています。

 エアロゾルは、地球規模での酸性雨の原因となったり、温室効果気体による温暖化を相殺する役割を果たしていたりする可能性がありますが、その動態についてはまだよくわかっていません。
 したがって、将来の気候予測を行う気候モデルでも、エアロゾルの効果を考慮することは非常に重要です。
 そこで、私達のグループでは、様々な種類のエアロゾルの地球規模の3次元分布を再現・予測する数値モデルを開発しました。これにより、エアロゾルの気候に対する影響がより具体的にわかるようになり、衛星観測ではわからなかったエアロゾルの陸上での分布の様子も明らかになりました。
 また、雲とエアロゾルの相互作用に関する研究も進みつつあります。これらの研究により、将来の気候変動予測がより適確に行えることが期待できます。

気候モデルによるエアロゾル全球分布の再現
・ 気候モデルによって再現された
エアロゾル4種(土壌性・炭素性・硫酸塩・海塩)合計
の1990年現在の光学的厚さの全球分布
(1・4・7・10月)。
・ 気候モデルによるエアロゾルの種類別混合状態の概念図
(1・4・7・10月)。

モデル図 7月  一部抽出しました。)

エアロゾル4種
(土壌性・炭素性・硫酸塩・海塩)合計


エアロゾルの種類別混合状態の概念図



赤:土壌性粒子 緑:炭素性粒子 青:硫酸塩粒子

 土壌性エアロゾルサハラ砂漠から年間を通して発生・輸送されており、また北半球夏季のアラビア半島周辺でも目立ちます。
 炭素性エアロゾル森林火災・焼き畑起源のものが、アフリカ中南部やアマゾンから乾季に発生・輸送されているのが顕著です。
 北半球中緯度では、都市活動による炭素性・硫酸塩エアロゾルが大気中に多く存在しており、特に夏季に多くなっています。
 海塩エアロゾルは海洋上に薄く広がっています。

 このシミュレーション結果は、衛星観測と比較すると、季節変動を含めたエアロゾルの分布をよく再現していることがわかります。」
本文(図)詳しく見る>>

(転載終了)

⇒冒頭のモデル図から様々なエアロゾルが種々の雲の中に混在していることがわかります
 本文中の引用図と気象衛星による雲、エアロゾルの観測結果と照合して、「どのような雲にどのようなエアロゾルが共存しているのか」推定する必要があると思われます。
また、
 ・北半球中緯度の炭素性・硫酸塩性エアロゾルとは一体どのようなものであろうか?
 ・海水起源の植物性のエアロゾル(海塩)にはどのようなものがあるのか
 ・アフリカ、南米のみならず、全球レベルの砂漠面積の年次推移がどのようになっているのか? 

 黄砂などによる環境汚染が叫ばれる中、森林伐採などによって増加した土壌性エアロゾルに火山灰、インフルエンザウィルス、放射能などが吸着したり、雲の中に存在して地球温暖化、オゾン層の破壊(オゾンホールの増加)に少なからず影響しているかもしれません。???

また、雲のみならず、オゾン濃度、紫外線などの
全球分布と比較してみたいものです。

「紫外線情報分布図:全国」
http://www.jma.go.jp/jp/uv/

関連投稿(メモ):
(エアロゾル関連)
天変に影響する要因に係る記載(大気圏での放射性物質分布
「エアロゾル」に係る記載(空気中の塵埃の種類と粒子径について)
(雲関連)
天変に影響する要因に係る記載
雲の種類、および分布・構造の衛星による観測方法など

地球温暖化に係る要因の整理と現状考察(水はどのように変化しているのか?)
放電現象に係る記載(雲の形成状態と雷現象)

 


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