空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

たかが5億で何がどうなる

2011-04-01 22:44:38 | Weblog
 まずは:

obiekt_JP「「真偽はともかく拡散希望」って、デマの流布だぞ、どう見ても。」(2011/3/31)

 本題。

おおやにき 寄付講座(1) 2011年3月31日

あのねえ、大学がカネもらったら教員がそこに不利なこと言わなくなるんだったら私が朝日新聞の悪口書いて無事でいられるわけないじゃん

おおやにき 寄付講座(2) 2011年4月1日

まあだから、無自覚にやったなら無能だし、自覚的に仕掛けたならこの状況下で最悪水準のデマゴーグだということになろう

 やり玉にあげられてるのは:INSIGHT NOW! 東電のカネに汚染した東大に騙されるな!(純丘曜彰,2011年3月27日)なわけだが,たかが5億で何がどうなるかという常識は働かなかったものかどうか。

 いやその個人が一年で(まあ五年でも宜しい)5億貰うなら魂を売る向きも割とあろうが,大学(しかも東大)にとってみれば正直はしたカネと言いきってまず間違いないだろう。

 いやまあ―利潤側にいる人は危険性を指摘するはずがない。安全性を主張するのはそこから利潤を得ようとしている/得ている人であって,信頼に値しない。他方危険性を指摘する者は損をして得をすることはない。損をするにも関わらずそうするのは,その人物が公衆の立場に立つ者であることを意味する―というのが武谷三男編『安全性の考え方』(岩波新書,1967年,224f.)の考え方のようです(藤本編『技術者倫理の世界 第二版』森北出版株式会社,38f.の引用による)。

 この場合,原発ないし漏洩した放射性物質の”安全”を指摘する者に対して,一銭も儲けになっていないにも関わらず・東電(ないし,最終的には原子力発電を推進する「権力」)に敵対する危険をも顧ず発言する人物の真実性を一般人は認めるのかもしれないが,いやこのひとこの文章でもってものすごい名前を売ったよね。注目されてナンボの御商売でしょうし,してみると彼もこの件から大変な利益を引き出しているのである。

 あ。あと。「東電のカネに汚染した東大に騙されるな!」の語法についてはこうなんじゃないかなーという案あり。背景には「カネに・自らを・汚染する」の再帰代名詞付きの構文を考えていて,汚れたカネを受け取らないという判断もあり得たのに自ら進んで受け取って自らを汚したという点,”汚された”,”汚染された”と受動形でいうよりもっと積極的な表現が必要とされるのだ…という。

 まあやっぱり特殊な表現ですが。

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