(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

フラクタル EPISODE06 最果ての町

2011年03月11日 | 視聴済アニメごった煮
うーん。じゃあドッペルってなんなんだろうな。

 そんな今回のお話は…
 ぎこちなくもネッサと分かり合えたフリュネ。クレインも大爺になんとか認められ、ダナンに触ることが許された。
 そんな中ダナンのメンテナンスの為立ち寄った場所は、バルーンが落ちフラクタルの加護を失った圏外難民たちがさまよう土地だった。
 フラクタルシステムの現状を目の当たりにしたクレインは、ヴィンテージカメラを持った怪しげな男と知り合う。
 友達になりたいというクレインに男は「とっておきの物」を見せてやると言い―
 以上公式のあらすじ。

 今回も旅の一幕という感じだが、色々な要素があって興味深く見た。
 話としては、フラクタルの電波が届かなくなった最果ての町にて出会った一人の男を通して、フラクタルシステムの功罪とシステムにすがる人々、色々な派閥のあるロストミレニアム運動などの劇中世界の一部を見せていて、上で言ったように色々な要素がある中で、上手くひとつのお話としてまとめてあり感心した。
 これまでを見てきて思うのだけど、フラクタルシステムは確かに素晴らしいものではあるけれど、正直良い点よりも悪い点の方が目立つな。というよりはそこをクローズアップしているんだと思うけど。
 まぁ恒久的に続くものだと思われていたものが、今システムが崩壊しはじめたことによって、今回の町のようにその恩恵が受けられなくなる地域が出てくることを想定していなかったことと、それが当たり前になるほどの時間が経ったからなんだけど、全盛期がどんなふうに世界が回っていたかが想像つかないな。正直、この劇中のような世界になったとして、それで世界が回っていけるかちょっと疑問だ。
 まぁそれはそれとして、フラクタルの功罪として、自分が働かなくても暮らしていけるが、今回のように圏外になってしまうと、それに慣れ切ってしまっている人々はどうしたら良いか分からない。要は過ぎた自由が怠惰を招いたということか。
 そんな哀れな人々につけ込むロストミレニアム主義者もいて、最初胡散臭かったグラニッツ一家は、ロスミレの中でもかなりましな方だったようで、今回出てきたロスミレの連中は、本当にテロリストの様であった。劇中世界ではこんな連中がきっと多くいることだろう。なるほどそれを考えるとグラニッツは「スマート」である。
 そういったロスミレとは違う考え方を持った者が今回の電波塔の男である。
 もう人々はフラクタル無しでは生きられない。電波が届かなくなって届く所に移動する難民になるんじゃなくて、自分達の手で電波が届くようにする。それに残りの人生を捧げちゃっている男なのだが、正直それも根本的な解決ではない。彼がクレインに教えたかった「真実」ってのは一体なんだったんだろうな。
 しかしそれでクレインは、フラクタルにすがる哀れな人々やロスミレの過激派のすることを知る。今、世界で起こっていることの一端を知ったという事では「真実」を見たのかもしれない。
 けれど、今回語られたように、フラクタルの恩恵を受けられなくなると人々が全員難民になることは間違いなく、それでもフラクタルをぶっ潰してしまってもいいのだろうか。そういうことを考えても、緩やかに崩壊しつつあるシステムは、逆にこれで良いのかもしれない。性急過ぎる変化についていける人は多くはない。
 それを踏まえて考えると、案外フラクタルシステムは自らその存在を消そうとしているのかもしれないなぁ。

 さて、上記以外の事で言うと、冒頭に書いたドッペルってなんなのかという疑問が残った。
 電波塔の男は結局クレインの父親であったのだが、クレインがそれに気付かないという事は彼はどのようにして育てられたというのだろう。
 また本人の替わりであるはずのドッペルだが、今電波の届かない所にいる父親なのだけど、クレインが旅に出ていないとしたら、父親のドッペルはどうなっていたのだろうか。クレインの家に現れていたドッペルは勝手に動いていたという事なんでしょうかね、本人の意思とは関係無く。
 それは本人の名を語ったデータが勝手なことをしているわけで、個人的にはそれはものすごく気持ちが悪いんだけどなぁ。劇中世界ではそれが当たり前なんだろうかね。今ひとつ普通のドッペルという存在がどのようなモノなのかがよくわからん。
 そういえば、ドッペルと言えばネッサである。今回ほとんど出番のなかった彼女だが、スンダがおもしろいことを言っていて、圏外なのになんでネッサが見えるのか、という事なんだけど、それを踏まえるとやはりネッサはフラクタルそのものなんじゃないんですかね。

 そんなお話以外ではフリュネという人物もよく描いていてなかなか興味深く、彼女の世間擦れいている所や年齢に割に子供っぽい部分などから見て、一般的な世界から隔絶されていたような印象だ。
 ジャガイモの皮を出来るだけ細く長く剥こうととしていたり、水遊びするサンコとネッサを見て我慢できず自分も飛び込んでしまったりする所を見ると、そういったことの経験がなく、とても新鮮に映ったのであろうことが分かる。
 分かると言えば、水遊びの際に、これまでもそうだったように何の躊躇もなく服を脱いでしまう「羞恥心のなさ」は、要はそれを気にする必要がなかったという事だ。裸を見られ恥ずかしいという感覚が彼女にはない、もしくはそのように育てられたという事なんだろう。
 そういった無知であるが故の無垢が可愛らしくはあったのだけど、やはりそれはおかしなことではあり、彼女の素性が気になるところだ。
 それにしても、今回フリュネが盗んできてしまった電波塔の男が撮ったクレインの写真。これって持ってきちゃって良かったんですかね?
 今更名乗り出られない父親が、せめてもの思い出として撮ったものなのだろうと思うんですけど、写真がないと知った父親はがっかりしているんじゃないかと思うと酷いことするなと思ってしまうのですが、すごく捻って考えると、フリュネは名乗り出てほしいとか、そんな写真にすがらないでほしいとかいう気持ちがあったのかもしれない。と思うと彼女はなかなか深慮深い。のだけど、それは撮った写真のことで、いくら何でも家族写真を持ってきてしまうのはどうかなと思いました(笑)。

 とまぁ今回も楽しく見たわけですが、これからどんなふうになっていくかはよく分からなくて先が楽しみです。どうオチをつけるつもりなのかなぁ。