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資本について(カンボジア会社法に基づいて)

2017年01月17日 10時47分31秒 | カンボジアの経営

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。

今週はカンボジア会社法に基づいて資本についてご説明させていただきたいと思います。

カンボジアでは会社は特別決議の承認を得ることによって増資を実施することができます。増資を実施する際、会社は新たな株主から資金を得て、その分資本を増額する処理を行うことになります。IFRS上、全額資本金とすることもできますが、任意で資本剰余金にいくらか振り分けることもできます。しかしながら、カンボジアの会社法の規定には資本剰余金の規定はありませんので、実務上は全額資本金として計上することがほとんどといえます。

 

カンボジアでは、会社は特別決議の承認を得ることによって減資を実施することができます。減資の際の会計処理は、基本的に資本金を減額し、株主に会社財産を返す際は、現金預金等の資産項目を減額することになります。

仮に以下の要件に該当する場合は、特別決議の承認を得ても減資することはできません。

・減資を行った後、債務が支払えなくなる場合

・資産の正味実現可能価額が債務額を超えない場合

 

 カンボジアでは、会社は定款の定めに基づいて自己株式を取得することが認められています。自己株式の取得は経済実態に着目すれば、株主に対する出資の払戻を意味します。したがって、会社の財産の浸食の危険性がありますので、自己株式の取得に関しても制限を設けています。

 以下の要件に該当する場合は、自己株式を取得することはできません。

 ・自己株式取得の対価の支払後、債務が支払えなくなる場合

 ・資産の正味実現可能額が債務額を超えない場合

 

 カンボジアでは、会社は剰余金の中から配当を行うことができ、現金の他、現物資産、株式の発行などの形で利用することができます。配当の内容は取締役会で決定しますが、株式総会の普通決議の承認により効力を有します。配当に関しても、会社の財産の浸食の危険性がありますので、以下の制限を設けています。

 

・配当の支払後、債務が支払えなくなる場合

・資産の正味実現可能価額が債務と資本金額の合計額を超えない場合

 

 

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

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資本について

2017年01月10日 13時41分19秒 | カンボジアの労務

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は資本についてご説明させていただきたいと思います。

 

IFRSでは、資本の部に関して以下のような項目を開示するように定められています。

(a)   授権株式数

(b)   全額払込済の発行済株式数、および未払込額の発行済株式数

(c)   一株あたりの額面金額、および無額面であるならその旨

(d)   発行済株式数の期中における変動内訳

(e)   配当支払いおよび資本の払い戻しの制限を含む、その種類の株式に付されている

権利、優先権および制限

(f)    自己株式、子会社、関連会社の自己株式

(g)   オプション契約、売渡契約のための留保株式

 

なお、資本に含まれている各剰余金については、それぞれの内容や目的を開示する必要があります。

 

資本の部は、オーナーの持ち分を表し、債権者の持ち分である負債とは性質を異にします。

そして、資本の部は、オーナー拠出した元本部分と、それを元に会社が獲得した利益部分の二つに分かれることになります。基本的に配当は利益部分から出されることになりますが、配当可能利益の算出方法は各国によって異なり、利益すべてが配当に回せるわけでもありません。

 

今回はIFRS全般の話をしましたが、次回は、カンボジアの会社法にそって、資本の部の説明をしていきたいと思います。

 

 

今週は以上です。

 

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カンボジア企業経営への心得

2017年01月10日 13時37分20秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「中小企業の社長の悩み」です。

 

現在、私は新たな取り組みを行なっています。中小企業の社長の悩みを書き出し、その回答を作成するというものです。

中小企業社長の悩みというのは尽きないもので、特に現状と理想のギャップに関する悩みが多いと印象を受けています。今回社内で考察した結果としては、中小企業経営者の悩みにはその目標設定自体に問題があること、そして本当の悩まなければならないことが別にあることが良く挙げられていました。

 

しかし、結局のところ、その経営者のために我々が代わって意思決定をすることはできません。社長が決めなくてはならないのです。そして、社長の選択肢を増やしてあげてより良い意思決定ができるようなサポートを我々が行わなければなりません。

 

経営には絶対の答えなどなく、答えは常に矛盾を含み、時に応じて変わりゆくものです。我々はコンサルタントとしてそのベストではなくベターな選択を社長にしてもらうよう、サポートすることが重要なのです。

 

 

澤柳 匠


 

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引当金の認識、測定の事例④

2017年01月04日 13時09分23秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例④についてご説明させていただきたいと思います。

 

今回は資産除去債務の例題について取り上げたいと思います。

 

例題35

株式会社マキシム太陽は、生産設備の老朽化に伴い、新工場の建設を始めた。12月末に新工場は竣工した。なお、この新工場に関して、退去時に工場の取り壊し、土地の原状回復義務が課されており、資産除去債務を計上する必要性がある。取り壊しと土地の原状回復義務にかかる金額の見積は3,000,000円である。割引率は5%とする。工場の取り壊し時期は10年後と予測されている。12月末の仕訳と翌年の仕訳を示せ。

 

 

 

Dr 建物 1,841,740  Cr 資産除去債務 1,841,740

Buildings        Asset retirement obligation

見積金額3,000,000円を10年で割り引く。3,000,000÷(1.05)10=1,841,740

 

 

Dr 支払利息 92,087   Cr 資産除去債務 92,087

Interest expenses    Asset retirement obligation

前期の資産除去債務の金額に5%乗じた金額が、時の経過による資産除去債務の増加額である。時の経過によるものは財務費用としての性質があるため、支払利息として計上する。

1,841,740×0.05=92,087

                                                                                                                                             

今週は以上です。

 

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カンボジア企業経営への心得

2017年01月04日 13時08分25秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「成長の評価」です。

 

人の成長は必ずしも右肩上がりではなく、実際は階段のような形を成して、停滞と急激な成長を繰り返しています。勉強や音楽、スポーツなど幅広い場面でもこの現象が見受けられます。

今自分がどのステージ(停滞か成長)にいて、次の段階の成長までどのような準備を今しなければならないのか、それまでの期間を短縮することができるのか、などを考えることは重要でしょう。しかし、会社の中でもっと重要なのは、我々が他人の成長を評価する立場にある時、部下の成長がどのステージに位置しているかを見極めることです。

この見極めがなかった場合、その評価では部下の正しい成長を導くことは出来ません。我々は評価対象である部下を理解することから始めなければなりません。

部下の正しい成長を促せないのであれば、その組織は組織として正しい成長ができないのに等しく、外部環境に対応するために人を入れ替えるという採用作業を永遠に行うこととなります。

 

 

澤柳 匠


 

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「引当金の認識、測定の事例③」

2016年12月27日 11時08分15秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例③についてご説明させていただきたいと思います。

 

資産除去債務

有形固定資産を建設して操業した際に、工場の解体、施設の撤去、環境に与えるダメージ回復のための費用などのコストが発生することがあります。これらのコストは通常、引当金の認識要件を満たすため、負債(資産除去債務)として認識します。

 

 当初の認識、測定

有形固定資産として使用した結果生じると予測されるコストの当初見積額は有形固定資産の取得原価として認識し、資産除去債務として負債認識をします。なお、貨幣の時間価値による影響が重要な場合は、債務の当初見積額を現在価値に割り引かなければなりません。

 

 

 事後測定

資産除去債務について各報告期間末日現在で見直しを行い、新たな最善の見積りを反映するように引当金額を調整しなければなりません。

 

そして、その測定ですが、IFRSでは固定資産の評価方法に二つの方法があるため、どちらのモデルを採用しているかにより、測定の方法が異なります。

 

<原価モデルを採用している場合>

資産除去債務の増加・・・・変動額を取得原価に加算する。

資産除去債務の減少・・・・変動額を取得原価から控除する。

 

<再評価モデルを採用している場合>

資産除去債務の増加・・・・変動額を純損益に認識する。

資産除去債務の減少・・・・変動額をその他の包括利益に認識し、再評価剰余金を増額する。

 

また、現在価値への割引計算を行っている時は、会計期間ごとに割引額を一期ごと繰戻処

理を行う必要がありますが、その処理に出た費用は財務費用として純損益に反映させなけ

ればなりません。

 

                                                                                                                                         

今週は以上です。

 

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カンボジア企業経営への心得

2016年12月27日 11時06分25秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「変化への抵抗力」です。

 

変化には常に多くの抵抗がつきものです。
むしろ抵抗があるからこそ現在の状態にとどまり均衡を保っていると言えるのでしょう。
そのような抵抗の理由を研究したKotter & Schlesingerは、主に以下の4つに分類されると分析しています。

1今ある価値を手放したくない
2誤解、理解不足
3変化が無意味だと考えている
4変化に耐えられない

変化に対する抵抗は、完全に抹殺することはできません。会社が理想を求める限りそこには変化があり、そして抵抗力が必ず存在してしまうのです。そして上記の理由をなるべく解消し、抵抗力を弱めるしか会社には前に進む方法はありません。

Kotter & Schlesingerはさらにその研究で、抵抗力を下げるための手法として以下の6つをその著書で説明しています。

1Education + Communication
2Participation + Involvement
3Facilitation + Support
4Negotiation + Agreement
5Manipulation + Co-optation
6Explicit + Implicit Coercion

上に行けば行くほど会社が抵抗する従業員やその他関係者へ寄り添うような手法となり、時間やコストもかかります。その抵抗の理由に応じて、会社はそれぞれの手法を組み合わせて取り入れることになります。

会社にとっては、抵抗するな、ととりあえず一喝したくなってしまいますし、私もその気持ちはよく分かります。しかしそうであってはいけないのです。抵抗する理由、そしてその対処法を理解した上での一喝でなくてはなりません。
従業員の奴隷にはなってはいけませんが、Kotter & Schlesingerがその著書でも説明している通り、鬼手仏心のごとくバランスをうまくとりながら変化を導くことこそ、その経営者の器が試される試練なのです。

 

 

澤柳 匠


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年12月20日 13時36分35秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「失敗に対する評価」です。

 

失敗には2種類あります。挑戦の結果としての失敗と手抜きによる失敗です。
後者であれば論外ですが、真剣に取り組んだ結果であれば、挑戦したことに対して評価しなくてはなりません。

挑戦に挑まない者は失敗することはありません。しかし、評価に値するほどの成果をつくることもありません。 間違いを犯したことのない人間は減点されないが、加点されることもありません。その結果として、進歩もありえないのです。

新たなことに挑戦する人間は、常に失敗をしています。失敗することで、成長することを知っているからです。落とし穴に落ちたこと(失敗したこと)のある人間は、その落とし穴がどの程度深く、どれだけ痛いのかを知っています。そして、その落とし穴に警戒し、落とし穴に落ちる前に落とし穴を見つける感性が育っていきます。更にまた別の落とし穴に落ちても、這い上がる能力を身に付けることができるでしょう。

しかし、落ちる前に、手を差し伸べられた人間は、落ちることは免れることがてきるかもしれませんが、回避する能力を会得する機会を逃すことになります。高所恐怖症のように日々の生活の中で落ちる恐怖を感じるようになり、自分の行動を狭め続け、落とし穴から這い上がる術を60歳を過ぎてもわからないということになります。

ドラッカーは、以下のようにその著書で述べています。
『信用してはならないのは、決して間違いを犯したことのない者、失敗したことのない者である。そのような者は、無難なこと、安全なこと、つまらないことにしか手をつけない。成果が打率であることを知らないならば、横並びを成果とし、弱みがないことを強みと誤解する。そのようなことでは、組織の意欲を失わせ、志気を損なう。人は優れているほど多くの間違いを犯す。優れているほど新しいことを行うからである』

 

澤柳 匠


 

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引当金の認識、測定の事例②

2016年12月20日 10時07分32秒 | カンボジアの経営

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例②についてご説明させていただきたいと思います。

 

リストラクチャリング引当金

 上記の引当金に関して、日本基準においては明確な定めはないですが、IFRSにおいてはガイダンスとして記載されています。

リストラクチャリングとは、事業範囲の変更や組織構造の変革、運営方法の変更等の経営者が行う抜本的な変更のことを指します。

例としては以下のようなものが挙げられます。

・事業部門の売却

・事務所の閉鎖、事業活動の移転

・管理階層の削減

 

 リストラクチャリング引当金の認識要件

(a)リストラクチャリングに関する詳細な正式計画は以下のものが必要

・関連する事業

・影響を受ける主な事業所

・勤務の終了によって補償を受ける授業員の勤務地、職種、人数

・負担する費用

・実施時期

 

(b) 計画な主要な部分を公表することにより、その実行に関して関係者に合理的な期待を生じさせていること

 

 

リストラクチャリング引当金に含まれるコスト

 

次の両方に該当するリストラクチャリングから発生する直接的な支出だけが、リストラクチャリング引当金に含まれる。

l  リストラクチャリングに必然的に伴う支出である。

l  企業の継続的な活動に関連しない支出である。

 

 

                                                                                                                                         

今週は以上です。

 

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カンボジア企業経営への心得

2016年12月13日 13時34分47秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「マネジメントの育成」です。

 

ドラッカーは、企業のマネジメント育成について、以下のようにその著書で述べています。


マネジメントの育成について、『すでに社会は、「どれだけの教育ある者を扶養できるか」から、「どれだけの教育のない者を扶養できるか」へと問題の焦点を移している。こうしてマネジメント教育は、企業が社会に対して果たすべき責任を果たすためにも必要とされている。もし企業にその力がなくなれば、社会は放置しない。なぜならば、組織、特に大企業が継続して成果をあげていくことが、社会にとっては死活的に重大だからである。社会は、企業という富を生み出す機関が、有能なマネジメントの欠落のために危機に瀕することを許さないし、その余裕もない。』

有能なマネジメントを持たない企業であれば、世界最強と謳われた企業でさえも容易に社会から消滅させられることから、企業は社会の歯車として存在させられているにすぎないということなのでしょう。

しかし、一方では、最弱最小であっても、社会や経済に直接の影響を与えているのであり、そのマネジメントの育成という責任は変わらないとも考えることができます。

ドラッカーは、マネジメントは「機関(Orgarn)」であるとしており、組織や社会の「器官」と訳すこともできます。人であれば心臓であり肺や肝臓でありうるのです。このマネジメントの定義こそ、マネジメントの育成という企業の仕事に非常に大きな重要な意味を与えています。

 

 

澤柳 匠


 

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