アパッチ蹴球団-高校サッカー篇:project“N”- 

しばらく自分のサッカー観や指導を見つめなおしていきたいと思っています。

新しいクラブのルールを作っていく、ことの意味

2007年01月28日 18時11分03秒 | 人として
1月19日、クラブ内の新しいルールを作った。



練習前には、
校庭に落ちているゴミは拾い、
必ず体育で使ったラインを消し、
ブラシをかけてから、
練習を開始する、というもの。



校庭練習以外の場合でも、
ゴミ拾いは最低限、絶対に行うこと。



このルールを作った趣旨は
クラブの価値を自分達で上げていこう、
というもの。



きれいなグランドでやるのと、
汚いグランドでやるのでは、
どちらが気持ち良くサッカーができるのか。



きれいなグランドでやるだけで、
その日のファーストタッチが
変わってくる選手もいると思う。



人間の微妙な心理は
自分の行動に跳ね返ってくる。



気持ちよくプレーするのと、
なんとなくもやもやしながらプレーするのとでは
やはりプレーの質が違ってくる。



自分達がいいプレーをするためにも
自分達が気持ちよくプレーするためにも
きれいなグランドで練習していきたい。



きれいなグランドで練習していくことは
学校内で他のクラブにたいしても、
悪い影響はないはず。



サッカー部はしっかり活動しているし、
強いかどうかは別にして、
サッカー部の選手達はまじめに取り組んでいる。



まじめに取り組んでいる、まじめに活動している、
ということを学校や他のクラブがどう評価するかどうかは
わからないが、
指導者としては今後もまじめに活動しながら、
毎日、少しでも、1ミリでも、
レベルアップできればと考えている。



でも、レベルアップするのは
あくまでも自分達。



1人1人が、謙虚さと向上心を持ちながら、
上を目指すようなチームにしていきたい。



誰も、自分達をレベルアップしてはくれない。



強いチームと試合をしても、
試合をしただけで、レベルアップする訳ではない。
強いチームが自分達を強くしてくれるのではない。



あくまでも、自分達で頑張っていくしかない。
自分達の可能性は、自分達で拡げていくしかない。



全員で頑張れるようなチームにしていくには
全員で頑張ることを続けていくしかない。



必ずしも、強いチームがいいチームとは
限らないかもしれない。



いいチームとは何なのか?
その定義は難しいが、
全員で頑張るチームにしていきたい。



個人的には、「いいチーム」とは、
チーム全員が「チームをもっと良くしていこう」という
意識を持っている、ということが
最低限の条件になると思う。



〝普通〟のチームが〝いい〟チームになっていく。
そのための、付加価値は自分達でつけていくのだ。
誰かに、付加価値をつけてもらうのではない。



チーム全員、1人1人の意識こそが
チーム全体の意識になっていく。



「練習前のグランド整備」や「ゴミ拾い」が
チーム全体の「いいチームにしていこう」という意識に
つながっていく。



そう信じて、これからも、
クラブの新しいルールがもっと自然にできるように、
継続していきたい。



自主練チェックシート

2007年01月27日 16時00分41秒 | フィジカルの謎
1月10日。
コーチングスタッフで話し合って、
フィジカルトレーニングについて、
新しい試みを始めることにした。



基本的には、
「フィジカルトレーニングの1部を
 選手の自主性に委ねていこう」というもの。



フィジカルの問題は高校サッカーだけでなく、
どの年代においても、
サッカーのトレーニングにおいては
迷う部分ではあると思う。



「どこまで、させるべきか・・・?」



〝走る〟ことに対して、どう考えるか?



A代表の監督に、イビチャ・オシム氏が就任したこともあり、
走ることの意義の大きさがクローズアップされている。



個人的には、〝走る〟ことに対して、
絶対に必要だと思っている。



例えば、
「後からボールを持っている味方を追い越す動き」は
攻撃において、かなり効果的。



また、
攻撃⇒守備への切り替えにおいて、
厚みのある守備をするためには
「ボールより低い位置に戻ること」が
極めて重要になってくる。



「ボールを追い越す」
「ボールより低い位置まで戻る」



どちらも、相手のレベルが高くなればなるほど、
ボールのない状況において、
かなりの運動量が求められると思う。



【予測】することによって、
運動量をある程度軽くすることはできる。



でも、体力のない選手は
守備もできないし、足元でしかボールを受けられない。
やはり、フィジカルはサッカーにおいて必要だと思う。



ジーコ監督が辞任時に
『日本代表選手のフィジカル不足』を指摘したが、
正直、間違ってはいない。



オシム監督の『考えながら、〝走る〟』というのも
日本の指導者のほとんどの方々が
肯定的に受け止めていると思う。



身体が小さければ、小さいほど、
走らなければならないし、
速く考えなければならない。



ただ、フィジカルトレーニングがどの選手にとっても
きついものであるのは間違いない。



ただ、『やらされている』のと、
『自分から積極的に取り組んでいる』のでは
効果は全く変わってくるはず。



今回、スタッフで考えたのは、
ある部分のフィジカルトレーニングを
選手の自主性に委ねてみよう、という試み。



『やらされている』という意識から、
『自分からやっていく』という意識への転換。



具体的には
[1週間で、最低1000ポイントは達成すること]

・ランニング1分 :10ポイント
・腕立て1回   :1ポイント
・腹筋1回    :1ポイント
・リフティング2回:1ポイント



その上で、各種目別の週ノルマは

・ランニング   :600ポイント
・腕立て     :100ポイント
・腹筋      :200ポイント
・背筋      :200ポイント

を目安にして、ノルマを達成していく。



この、自主トレチェックシートは
毎週、月曜日に提出。



スタッフがチェックし、
選手に返却する。



今後、達成ポイントのノルマや種目は
選手の状態を見ながら、随時変更していく。



今のチームにとっては
初めての試みではあるし、
いろいろ問題が出てくるかもしれないが、
『やらされて、やるのではなく』
『自分から、やる』
受身の発想から、自主的なトレーニングへ。



選手の自主性や積極性に働きかけながら、
選手達が自分の意思で、
自分達のフィジカルを強化していってほしいと思う。



選手の自主性を信じて、
今後も自主練シートを継続的にやっていきたい。
 

『大人』のサッカーとは?

2007年01月26日 15時47分23秒 | サッカーの謎
先日、知り合いの指導者と食事をしていた。



その食事の際に、話題になったのは
『大人』とは?
『大人のサッカー』とは?
ということ。



『サッカーは、子供を大人にする』
『サッカーは、大人を紳士にする』
というのは、イギリスの人の言葉だろうか。



サッカーの指導者のテキストには
総論的によく書かれている言葉。



ニュアンスはなんとなくわかるが、
実際に、イギリスではどのように使われているのか。
また、本当の意味はどういったものなのか。
正直、実際のところ、良くわからない部分が多い。



というよりも、むしろ、
いろいろな解釈ができる、
という表現の方が適切だろうか。



指導者によって、
また、時期やタイミングによって、
いろいろな解釈のできる示唆に富んだ言葉だと思う。



個人的には、この言葉の解釈に際して、
まず『大人』というものが何なのか、
ということを確定しない限り、
全体の意味するところには、辿りつけない気がしている。



では、『大人』とは?



もちろん、人によっていろいろな解釈ができるとは思うが、
個人的には、『大人』とは
「人のために、何ができるかを考えることのできる人」、
だと思っている。



「自分のため、だけではない」
「自分以外の人のために、何ができるのか」



そもそも、
「自分以外の人の為に、何かをすることに意味があるのか」
ということについて、
肯定していなければならない。



サッカーの場合、
ポジションというものが存在している以上、
基本的には1人1人の役割というものがある。



ただ、自分の役割だけをしていれば、
それでいい、という訳ではない。
DFでは、守っていればいい、という訳ではない。
GKとの連携も必要だし、
場合によっては、攻撃に参加することが
勝利につながることも少なくない。



FWにしても、
1人で点を奪える訳ではない。
MFやDF、場合によっては
GKからのパスで得点を決めることができる。



ここに挙げた例は、あくまでも一部に過ぎないが、
いずれにせよ、サッカーの場合、
1人だけでは成り立たないし、
もちろん、勝てない。



本質的に、サッカーはお互いに助け合うスポーツ。
ボールを持っていない瞬間に
何ができるのか。



自分がボールを受けるためだけではない。
自分がボールを奪うためだけではない。



ボールを持っている味方のためにスペースを作る。
味方のために、カバーリングをする。
味方のために、後からコーチングする。
味方のために、サポートする。
味方のために、走る。



実際、長い距離を後から走ることで、
チャンスになることは少なくない。



個人的には、サッカーに【戦術】は必要だと考える。



そして、【戦術】というのは
チーム全体をつなぐものであると同時に、
自分と他人との関係を整理するものだとも思う。



「チームのために、自分のできることは何か?」
戦術の導入は、自分と味方との関係を考えさせる。



自分がボールを持っていない時、
自分がボールを持っていない時。
プレーの全ては、自分のためだけではない。



チームのために、味方のためにもプレーする。



チームのために、味方のために、プレーすることが、
結局は、自分自身に帰ってくるし、
最後は、自分自身が納得できる。



それは、グランド外でも、同じだと思う。



人間、1人で生きていくことはできない。



結局は、いろいろな人の助けがあって、
生活できる。



人に甘える、ということとは違う。



人間1人では何もできないかもしれない。
でも、集まれば何とかなる。
助け合えば、何かができる。
サッカーも、人生も。



もし、サッカーが1人の選手を
『子供』から『大人』に成長することの
手助けに少しでもなるなら、
意味のあることだし、
とても素晴らしいことだと思う。



その分、指導者のやるべきことや
指導者の責任は大きいが
やりがいもあるはず。



自分自身、1人の人間として、
『大人』になれているか、については
正直なところ、全く自信はない。



家族のために、選手のために、
何をしているのか。
何ができているのか。



日々の暮らしや、サッカー部の活動を通じて、
自分も、1人の大人として、1人の指導者として、
『大人』になれれば、と思う。



そして、できることなら、
『紳士』というところにまで、
行き着きたいが・・・、
正直、『紳士』ということがまだよくわからない。



それでも、自分の可能性を信じて、
1日1日を過ごしていきたい、と思う。

競争原理の実際

2007年01月25日 20時51分18秒 | NOTE
1月の第2週から、本格的に
チーム内における〝チーム分け〟を始めた。



基本的には、3つの〝チーム〟に分けた。
「トップ」「バックアップ」「チャレンジャー」の
3チーム。



「トップ」10人、「バックアップ」10人、
残りの選手は全て「チャレンジャー」。



入れ替えは基本的に、
1週間に1度。



1月15日、初めての入れ替えを月曜日の練習開始時に
発表した。



週末の紅白戦、日曜日の寅次郎杯、その後に行われた
城東高Cチーム、安田学園Bチームとの練習試合を
判断材料にして、選手の〝チーム〟間の移動を行った。



選手によっては、「トップ」から「チャレンジャー」に
移動した選手もいた。



該当選手にとっては、動揺はあったとは思う。



ただ、基本的には
1週間に1度、移動が生じるようになれば、と思っている。



先日、選手に誤解がないように、
全員の前で自分自身が考えている
「〝チーム〟移動する場合の基準」について説明した。



例えば、ある選手が「トップ」から「バックアップ」に
〝チーム〟が移動した場合、
『その選手が「トップ」から落ちた』、
という現象のみがクローズアップされてしまう。



しかし、『ある選手が落ちた・・・』というのは
現象の1部しか表現していないと思う。



「ダメだから、落ちるのではない」
「頑張ったから、上がるのだ」
「頑張っている選手には、チャンスが必要なのだ」
「落ちても、失敗しても、また頑張ればいいじゃないか」



1人の指導者として、
また1人の大人として、
そんなメッセージを伝えていきたい。



【いいプレー】とは何なのか?
【いいサッカー】とは何なのか?
永遠の課題だし、人によって、その解釈は違う。



でも、個人的には
どんなプレーでも、どんなサッカーでも、
勝つために真剣に取り組んでいるという前提であれば、
【狙い】があって、
【気持ち】が入っていれば、それでいいと思う。



失敗しても、いいのだ。
【狙い】と【気持ち】があれば。



そのことを選手には伝えていきたいと考えている。



〝チーム〟の入れ替えでも、
【狙い】をもって、【気持ち】の入っている選手を
引き上げていきたい。



少なくとも、チャンスをつかめるような仕組みを作っていきたい。



『誰かのミスを待つ』とか、
『ミスを怖がる』とか、
『頑張っても、チャンスすらない』という意識は生みたくない。



人生の中では、頑張っても、どんなに努力しても、
上手くいかない場合も当然あるとは思う。



それでも、やはり原則は、【頑張る】ことなのだ。



サッカー部の活動を通じて、
「みんなで頑張っていこう」というメッセージを伝え続けたい。



そのことが、選手1人1人の意識を高めることや
チーム全体を底上げすることにつながる、と信じたい。



時に、現実は、その本人にとって厳しい場合もあるが、
頑張れば、未来は変えられるはず。



世間知らず、と言われるかもしれないが、
そう信じていたい。



選手1人1人がポジティブに考えられる習慣がついてきたら、
チームは自然と、強くなっていくと思う。



指導者にとっては、
心を鬼にしなければならない場面も多くなるが、
自分自身に対する厳しさを忘れずに、
これからも、チーム内の競争原理が
適切に機能するように、頑張っていきたい。

ドリル練習とMTMメソッド

2007年01月20日 09時08分43秒 | 技術の謎
1月5日、2007年最初の練習。
久しぶりに、校庭全面を使うことができた。



この日は、今までやってきたことの確認と
ミニゲームなどで終わる予定だった。



まず、2人1組でヘディングだけのパスリフティングを行った。
個人的には、ヘディングだけのリフティングを
ヘディング練習の導入部分として使うことが多い。



頭という部分の練習に関しては
いつも慎重に入りたい、と思っている。



近い距離でのパスリフティングであれば
頭に対するダメージも少ないうえに、
パートナーとのコミュニケーションも図りやすいので
ヘディング練習の導入には悪くないという印象を持っている。



途中から、去年練習した〝ひねる形のヘディング〟のドリルを
2人1組のまま行った。



もちろん、選手によって、ある程度、できるできない、
ということに差があるのは当然だとは思う。



ただ、その練習の様子を見ながら、
自分の中で警告に近い形での違和感を感じた。



〝ひねる形〟にもかかわらず、
上半身、下半身を意識できていない。



一番気になったのは、「ヒジが上がっていない」ということ。



「何のためのドリルか?」
ということを選手は理解できているのだろうか?



今、やっているドリルが実際の試合では
どのようなプレーとして活きてくるのか、
ということを意識できているのだろうか?



自分の中で感じた違和感は
もしかしたら、
今、選手達がやっているドリルと実際の試合がつながっていない、
と感じたことによるものだったのかもしれない。



自分の中では予定していなかったことではあるが、
急遽、クロスからのシュートもしくはヘディングの練習に切り替えた。



ゴールを4つ設置して、クロスを上げる選手はフリーな状態で。
ただし、GKはそれぞれのゴールに立ってもらう。



まず、中の選手は、必ずヘディングでシュートする。

ここでは、
クロスを上げる選手に
『GKが取れないところにクロスを上げるように』
ゴール前に入る選手には
『どこにクロスが欲しいのか、しっかり要求しよう』
ということを伝えた。



〝ひねる形でのヘディング〟が、
まさに必要とされるゴール前と同じような現象の中で
練習すべきだと感じた。



次に、
FW役の選手を2人にし、同時にDF役の選手を1人つける。
ゴール前は攻撃側2人、守備側2人(DF・GK)での攻防にした。

マークにつく動きなど、ヘディング以外の部分に
できる限り意識が行かないように
守備側はゾーンで守る。

DF役の選手はニアポスト側の守備を担当させ、
GKはファーポスト側を担当させる。

FW役の選手は自由にニアとファーに
自分達で決めて入っていく。



特に、ニアポスト側のDFとFWの攻防に関しては
『ヒジを上げ、肩を入れてヘディングする』ように
競り勝つためと怪我の防止も含めてアドバイスした。



途中から、ニアに入るFW役の選手が
ほとんどボールを触らなくなっていった。
触れるチャンスがあっても、触りきれない。飛び込まない。



一旦、練習を中止して、2人1組でダイビングヘッドの練習。
この練習はまさにドリル。



ある程度、ダイビングヘッドのドリルを行った後、
またさっきの練習に戻った。



少しずつ、ニアで競り勝ったり、
ニアに飛び込むFW役の選手が出てきた。



少しずつではあるが、ヘディングの際、
「ヒジ」が上がってくるようになった。



技術練習においても、
いわゆるMTMメソッドが必要なのかもしれない。



もしかしたら、
単調になりがちな技術練習におけるドリルでこそ、
Match-Training-Match(試合⇒練習⇒試合)という
MTMメソッドを意識すべきなのかもしれない。



指導者として勉強になった1日だった。
これからも、選手が常に試合を意識できるように、
考えながら指導やアドバイスをしていきたい。

カウンターゲーム

2007年01月11日 06時38分08秒 | 戦術の謎
12月28日。
東尾久グランドで、年内最後の練習。



冬休みに入ってからの練習試合や寅次郎杯の予選リーグで
〝カウンターからの失点〟が多かったので
まず、守備におけるカウンター対策をこの日は練習。
(裏テーマとして「カウンターでしっかりと決めきる」)



具体的な条件設定は以下の通り。

選手達を黄色チームとオレンジチームの2チームに分けて、
センターラインからそれぞれ自分達のゴールに向って、
攻撃を始める。

攻撃側は3人でシュートまで持っていく(タッチ制限はなし)。

対する守備側はDF1人+GKで守る。

ただし、攻撃側は15秒以内でシュート。

15秒1セットを10本行って、
負け越した方が罰ゲーム。



本来なら、7秒か、遅くとも10秒以内でシュートまで、
という制限をつけた方がよかったのだろうが、
この日は敢えて15秒という長い時間で設定した。



はじめから短い時間だと攻撃側のあせりから
ミスが多発する可能性も考えられたので
あえてかなり長めの時間設定をした。



現実的にはカウンターで15秒もかかるというのは
なかなか考えにくいが、今後は少しずつ時間を短くしていきたい、
と考えている。



ただ、実際に15秒で時間設定しても
なかなかシュートが入らなかった。



守備側にとっても、
『意外に失点しない・・・』というのが
正直な感覚ではないだろうか。



守備側の選手には
「相手に裏を取られないポジショニングを取りながら、
 ゴールを隠すポジショニングも意識しつつ、
 基本的にはボックス(ペナルティエリア)までは
 足を出さずに、我慢する。
 ボックスに入ったら、GKと連携してシュートブロックする」
ということをアドバイスした。



通常、カウンターの場合、攻撃側が極めて有利、という
状況にあるように感じるが、
意外にそうでもないことが多い。



実際、攻撃側の選手の心理状態としては
『決めなければ・・・』というプレッシャーの方が断然大きい。
『決められなかったら、どうしよう』
『失敗したら、味方から何を言われるか・・・』
自分自身をプレッシャーで固めてしまい、
シュートを決めきれない。



そんな経験をしている選手の方がほとんどだと思う。
カウンターであまり考えずにしっかりと決めきれる選手が
本当のストライカーなのかもしれない。



この日の練習では
途中から、守備側の人数を増やしていった。



ボールが動き始めてから、
〝ボランチ役の選手が守備に戻る〟ようなイメージで
ボールをはさみに行ったり、
場合によっては
ボールより低い位置まで戻り、
ゴール前でもう1人のDFやGKとブロックを作って
何とか相手にゴールさせないようにする。



攻撃側にとって、不利な条件を付け加えていったが、
結果としてますますゴールが入らなくなった。



技術がないのか、心理的なプレッシャーに弱いのか。
少なくとも、うちの選手達には
カウンターという客観的には極めて有利な状況が、
心理的には極めて不利な状況になっているのかもしれない。



練習を積み重ねることで心理的に変わってくるのだろうか。
今後も定期的に練習を重ねることで
選手の意識がどう変わるのか。
冷静に観察してみたい。



カウンターが一番大きな得点チャンスであることは間違いない。
そのチャンスで決めきれるか。
カウンターでしっかりと守りきれるか。



〝カウンター〟の場面が多いか、少ないかは
チームや試合の展開によって異なるが、
〝カウンター〟の場面が一度もない試合は存在しない。



もちろん、〝カウンター〟以外でも
得点チャンスは作れるだろうし、
実際に〝カウンター〟以外でも点は入るとは思う。



それでも、
〝カウンター〟の場面で決めきれないチームは
勝ちきれないことが多い。



反対に苦しい試合で勝ちきるチームは
相手の〝カウンター〟をしのぎきれる。



「カウンターゲーム」という練習は
このチームでは初めてやった練習だが、
守備側の選手にとっては
『意外に守れる』という感覚を持てた練習だった。



その感覚が多少なりとも持てただけでも
この日の練習に意味があったと思う。



チームが今後大切な試合でしっかりと勝ちきれるように
折をみて「カウンターゲーム」の練習を継続していきたい。

練習試合、対都立江戸川高

2007年01月06日 16時08分15秒 | 指導記録
12月25日。
北篠崎にある江戸川河川敷グランドにて
都立江戸川高と練習試合。



都立江戸川高の方で、
グランドを2面抑えていただいたので、
実質的なA戦とA戦に出れない選手達の試合を
同時に行うことができた。



この日のテーマは
「ゾーンディフェンスについての共通理解を深めること」



基本的には、
[サイドにおけるサイドバックとサイドハーフの連携]
[ダブルボランチのシャドー(クサビのコースを消す動き)]
[ボールを奪われた後のレスト(自分の守備位置に早く戻る動き)]



加えて、
前日にあった寅次郎杯で後半終了間際に
不必要な失点をしてしまったので
〝残り時間が少ない状況で試合に勝ってる場合〟には
しっかりと【REST:レスト(自陣内に戻る)】して
[最後までしっかりと勝ちきる]ことを
試合前に確認した。



2試合を同時並行でしていた関係で
実質的なA戦をやっているグランドを中心に
試合を見ることになった。



前半から、【ゾーンディフェンス】という
いわゆるリトリートする守備を行ったので
対戦した江戸川高は強いフィジカルを武器にして
どんどん裏を狙ってくる。



ゲームが少し落ち着くと
今度は強いFWにクサビを当てようとする展開を
狙ってくる。



リトリートした相手を崩すには
①放り込み
②クサビを当てる
③サイドをえぐる
基本的にはこの3つが中心になる。



ポゼッションとドリブルの技術に自信のあるチームは
早く大きくサイドを揺さぶって
サイドからドリブルで崩すという方法もあるが
この日の江戸川高は強力なFWを全面に押し出し
FWが裏を狙うか、もしくはFWにクサビを当てる
という展開が多かった。



守る側としては
・サイドで相手のボールホルダーに対して
 いかに数的優位を作れるか?
・相手にクサビを当てさせないことができるか?
・裏へのボールに対する対応
この3つがポイントになってくる。



出場した全員の頑張りで
前半はスコアレスドロー。



ハーフタイムに
「後半試合が落ち着いたら、【レスト】なしで
 相手コートからどんどんプレッシャーをかける。
 ただし、残り時間が少ない段階で勝っている場合には
 もう一度しっかり【レスト】して守りきる。」
ということを確認した。



後半途中、CKから得点し、
残り10分を切ったところで
もう一度しっかり【レスト】して守りきることを
ベンチサイドから指示。



結局、そのまま試合は終了させることができた。



他の試合は、結局大敗してしまったが
実質的なA戦だけでも勝つことができたことは
新人戦で江戸川高に負けたことに対する
リベンジが少しできたような気がした。



引退した高2の選手達のことを少し思い出した。



高2の選手達がいたときに果たせなかった
都大会出場という目標を
今いる選手達と何とか成し遂げたいと思う。



この日の江戸川高との試合は
緊張感のある試合ができた。



これからも、緊張感のある試合を積み重ねながら
チームの目標に向かって練習を積み重ねていきたい。