寄付の32億円市民会館に命名、日電産会長「まあいいか、と…」

2018-09-01 10:59:30 | 政 governing

 耐震性不足で2016年4月から休館中の向日市民会館(京都府向日市寺戸町)の建て替えにめどが立った。地元出身の日本電産の永守重信会長が施設の寄付を表明したためで、市民活動の拠点や災害時の緊急避難場所として21年度の完成が予定されている。

 向日市は今年3月、耐震性が不足している市役所本館と市民会館の複合施設を、寺戸町の市役所敷地内に整備する基本計画をまとめた。建設費は概算で市役所部分が14億円、市民会館部分が32億円の計46億円もの巨額が必要だった。市の財政が厳しい中で、安田守市長が以前から白羽の矢を立てていたのが、自身と同じ同市物集女町の出身で、世界的なモーター製造企業となった日本電産の創業者だった。

 「会うたびに寄付しろ、と言われてきた。やるからには、立派なものをつくりたい」と、市役所で開かれた会見で永守氏は笑顔で語った。市の要望で「永守重信市民会館」と命名されることについては、「ちょっとおこがましい。ただ、自分が向日市出身とあまり知られていないことを聞かされたり、過去の同様の施設でも寄付者の名前がついたりしていることなどもあって、『まあいいか』と承諾した」と述べた。

 新市民会館は、竹林をモチーフとした洗練外観で、現市民会館の425席をやや上回る客席数500人のホールや会議室、実習室などを備える。災害時には約750人が緊急避難できる。

 永守氏と握手を交わした安田市長は「心から感謝する。気持ちに応え、しっかりとまちづくりを行っていきたい」と気を引き締めた。今回の寄付を受け、当初計画を変更し、市役所の新庁舎は隣接の別棟で整備する。

 日本電産は、JR向日町駅東側の農地を買収して第2本社ビルの建設などを計画するが、永守氏は「今回は個人の寄付であり、会社の事業と一切の関連性はない」と言い切った。

 ただし、向日市は、日本電産の同駅東への進出による税収増に期待しており、駅東口や周辺道路の整備などの側面支援を実施する方針だ。

【 2018年08月28日 11時00分 】



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